5.夜が更けてきてすることは(1)
結局、焼肉定食の肉の半分を頂き、ご飯は拒否した。
高校生男子の大事なおかずである焼肉を半分食べてしまったことは反省せねばならない。
しかし、美味しい食事に大満足だった。
彼は弁当を食べ終えると、私に麦茶の容器をくわえさせ、片付けをはじめた。
綺麗好きな人というのはこうしてすぐに片付けるのだなと感心する。
部屋も廊下も整っているのはそういうことだ。
食事に満足した私は、ちょっとばかりウトウトしそうになっていた。
食事の後は休息を身体が欲するのだ。
そこに彼の声がかけられた。
「佐保、風呂の支度ができたぞ」
風呂?
風呂……に、入るのか。
もちろん入りたくないわけではない。
ただ、ペンギンの自分、風呂に入れるんですかね?
そう思っているだけで。
疑問符なままの私をひょいと小脇にかかえると、彼は歩き出した。
「ゥアッ?」
「今日は疲れただろう? さっぱりしような」
風呂に入るのは、決定らしい。
脱衣所に連れてこられた私は、問答無用で浴室へと入れられてしまった。
洗面器にお湯を張るとその中へポチャン。
「熱くないか? 後で身体あらってやるから、ゆっくり浸かって待っててくれ」
彼は浴室の戸を閉めて出て行った。
うーん。
ペンギンになっているとはいえ、男子に身体を洗ってもらうのは、ちょっと嫌かな。
私は洗面器の中でバシャバシャと湯で顔を洗った。
身体にもお湯をかける。
ボディソープで洗わなくてもいいだろう。
ペンギンだし。
パシャッ
パシャッ
羽で身体にお湯をかける。
背中が洗えない。
パシャッ
パシャッ
そこに彼が入ってきた。
オールヌードで。
×▼○?*!
私は声にならない悲鳴を上げた。
何……
な……
衝撃の内に、身体をごしごしと泡で洗われていた。
これは大丈夫な泡なんだそうだ。
正気を失ったままの私を洗面器から出し、泡を洗い流してすっかり綺麗にしてくれた。
その間、私はされるがままだった。
我に返るわけには、いかなかった。
衝撃のお風呂タイム。
洗われて終わった後、私は一足先に風呂場を出された。
「拭いてやるから待ってろよ」
私はブンブンと反射的に首を縦に振っていた。
食事を分けてもらい風呂の面倒までみてくれて有り難いことだ。
そう思う。
しかし。
しかし、だ。
風呂に一緒にというのは、まずい。
私のヌードを晒しているわけではないとしても。
普通の高校生女子にとって、男子のオールヌード(しかも下から目線)は刺激的すぎ!




