そのご
どうやら。
全てのものには、こめられる魔力に限界が存在するらしい。石にも木にも、当然、人間の身体にも。
その限界を超えて魔力を込めると、込められた物体は壊れてしまう。なので、頑丈な鉄の塊などを砕くときは、攻撃呪文などを使うより単純に魔力を突っ込んだ方が早いことがあるそうな。
火の玉を投げつける、などの場合は何もない場所に魔力を込めて火の玉を作るため、こういった限界に左右されないのだが、肉体に魔法をかける場合はリスクが付きまとう。
さらに、人間の限界まで魔力を込めたとしても、実はそこまで劇的な効果は得られないらしい。身体強化は個人差はあるが、せいぜい2割。それ以上の効果を求めて魔力をつぎ込めば、命の保証は全くできない。というか、2割でも割と命がけらしい。
魔力の保有量はかなり多くなるらしいので、魔力切れになることは少なそうだが……前述の理由であまり多用されない身体強化や、自分にしか使えず、自分の治癒能力を高めるだけなので小さな怪我はともかく大怪我には効果のない治癒魔法にどれほどの価値があるのだろうか……?
敵のかけた魔法に抵抗するレジストは、厳密には魔法ではなく体内に残存する魔力量が肝となるため、この手の魔法には強いらしいが、直接魔力を体内につぎ込むタイプの魔法でないと効果はなく、火の玉や雷を作ってぶつけられれば、ただの物理防御力の世界となるらしく、やはり微妙な才能といえた。
俺のようなタイプはいないわけではない。大抵魔法はあきらめるらしいが。そりゃそうだ。
魔法の才能は遺伝らしいので、こういうタイプの奴は、子供を作ってそいつが大成することの願うらしい。
まあ、そんなことをネザールから説明されたけど、当然、さっぱりわからない、という顔をしておいた。つうか3歳児が理解できたら怖い。
それでも魔法が使いたい、と主張したところ、一番基本の魔道書をくれた。どうやら、こうやって才能のある魔法使いを引き込んでいるようだ。
「ただし、お母さんが見ていないところで魔法を使うのは絶対に禁止だよ。いいね?」
「はーい」
釘は刺されたが。
さて、たいしたことはできない程度の才能らしいけど、魔法が使えるかもって思うとわくわくするね!




