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昔の話

*本作は非常にグロいです。内臓や糞尿に耐性のない方は気を付けて下さい。

*本作はシリアスです。ギャク成分は殆どありません。

 それは小さな泉での誓い、きっと彼女は忘れてしまっただろう誓い。

 まだ、身分なんて考えなくても良かった頃、まだ、世界は広いなんて知らなかった頃。きっと私にとっては、彼女だけが世界だったのだろう。

 小さな泉の前で、私と彼女は遊んでいた。どんな遊びだったのだろう。覚えていない。ただ、その時して貰った膝枕と、彼女の顔だけは覚えている。

「ねぇ、あたしのことすき?」

 好きという言葉すら、言葉でしかなった頃、他愛無い確認。世界に祝福されている、と勘違いしていた。だから、恐怖もなく聞いたのだろう。そして私も、

「うん、だぁいすきだよ」

 彼女がどう感じるかなんて考えない。一方的な言葉。でも、本当に彼女が大好きだった。

「じゃあねぇ、あたしのことまもってくれる?」

 彼女のあどけない言葉。

「うん、ぼくはずっとまもるよ。ずっとわらってほしいもん」

 それは、私のたった一つの誓いとなった。


 ずっと まもるよ わらって ほしい


 何時までも忘れないように、永遠に忘れないように、それだけは胸に刻んで・・・・・

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