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【四世界統合後の戦いと脱出】
※物語の結末に触れています。
■ 天統連盟の成立
四世界の統合直後、第一・第二世界側に巨大勢力「天統連盟」が成立する。
その背景には、両世界の住人の半数近くがNPC化しているという異常があった。
先行する世界で蓄積された戦力が、一つの巨大な組織として北西へ向けられる。
悠たちが対峙した軍勢には、自分の意思を奪われた住人たちも含まれていた。
■ デュアル武将の投入
天統連盟は、関羽・張飛・趙雲・馬超・黄忠など、URのデュアル武将を大量に投入する。
強力な武将を一人倒せば終わる戦いではない。
同等の脅威が複数の場所に現れ、守る側は対応を迫られる。
悠たちは澪の分析や、これまで培った技能と経験を頼りに、圧倒的な戦力差へ向き合う。
■ 北西の潰れ役
北西で敵を受け止めるため、およそ八十人が抗戦する。
前線を支え、仲間を救い、配下化されながらも戦いを続ける。
損耗を避けられる役割ではなく、全員が無傷で持ちこたえられる見通しもなかった。
それでも、ここで生み出した時間が、ほかの同盟が動くための時間となる。
■ 五月雨式の参戦
援軍は、最初から一斉にそろっていたわけではない。
東から、中央から、後方から。
準備のできた同盟が次々と戦いに加わり、天統連盟へ圧力をかけていく。
北西だけで受け止めていた戦いが、複数の勢力による戦いへと変わる。
少しずつ増えた味方の行動が、やがて戦況を逆転させていった。
■ 戦争の先にある目的
王城で知った世界の真相により、悠たちは敵軍を倒すだけでは解決しないことを知っていた。
NPC化された人々の意識は、どこにあるのか。
どうすれば、その人々も現実へ帰せるのか。
戦場で仲間が時間を稼ぐ一方で、世界の中枢と、意識を拘束する仕組みへの働きかけが進められる。
■ 巌の言葉
「愛のためだよ」
戦いの中で巌が口にした言葉が、盟主NPCを一時的に停止させる。
長い停止ではない。
それでも、そのわずかな間が、救出へ向けて動く隙となった。
■ 澪――意識を見つける
澪は、NPC化された人々の意識が保管されている場所を突き止める。
表面上は反応を失っていた人々も、救出の対象としてそこに存在していた。
まず所在を見つけることが、全員を帰すための出発点となる。
■ カイ――拘束を解く
カイは、人々の意識を縛る拘束をこじ開け、解きほぐしていく。
必要なのは、相手を倒すための力だけではなかった。
閉じ込められた人々を、そこから取り出せる状態にすること。
悠のそばにいた相棒は、最後の局面で、そのために力を振るう。
■ レン――外への道を開く
レンは外部への接続を貫き、閉じた世界から意識を移送するための出口を開く。
澪が見つけ、カイが拘束を解き、レンが外へ通す。
三人の働きがつながることで、保管されていた人々の意識は外部の保護領域へ移される。
■ 悠と律の隔離
救出が進む中、悠と律は中核に関与した対象として改めて指定され、隔離される。
ほかの人々を送り出せても、二人自身の帰還はまだ終わっていなかった。
世界の内側から進めてきた脱出は、現実側での救出へと引き継がれる。
■ 犯罪管理局による救出
外部で動いていた犯罪管理局が、実験の管理側を拘束する。
隔離されていた悠と律も救出される。
事件に関わった敵側は全員拿捕され、NPC化されていた人々を含め、全員の意識が戻る。
帰還者たちは、現実の病院へと搬送された。
■ 実験の目的
世界の中で集められていたのは、住人たちの戦闘や戦術、判断に関するデータだった。
それらは戦闘用AIや戦術AIなどの開発・利用につながっていた。
住人たちが苦しみ、迷い、誰かを守ろうとして下した判断まで、実験の成果として扱われていた。
■ 現実への帰還
病院で目を覚ました人々は、家族と再会し、それぞれの生活へ戻り始める。
多くの者は、あの世界へ連れていかれる前の記憶が乏しかった。
身体の回復も含め、帰還した瞬間にすべてが元どおりになるわけではない。
悠もリハビリを続けながら、仲間たちとの連絡を取り合う。
律と改めて名乗り合う時間も、そうした日常の中にあった。
■ 脱出の後に
あの世界で築いた関係は、脱出とともに終わらなかった。
後に世界は正式なゲームとして再設計され、帰還者たちは再び招かれる。
用意されていた大宴会場で、人々は再会を祝い、桃園の祝杯を掲げる。
今度は、自分の意思で訪れ、帰ることのできる場所だった。
*
北西で耐えた人がいた。
遠くから駆けつけた人がいた。
閉じ込められた意識を探し、外へ送り出した人がいた。
現実で、帰還を待っていた人がいた。
そのすべてがつながって、
ようやく全員が帰ることができた。
戦略ゲームで最強とは何か。
悠が最後に思い返すのは、
一人の英雄の姿ではなく、
次々に届いた、仲間たちの返事だった。




