僕のいる意味
*C日
“僕のいる意味”
今日の勤務はそれなりの時間で集合が駅前。
内勤より、業者さんなどは相方に伝えてあるとのことで僕は知らされていない。…
…ところで携帯だが;
あれから母親がキンキン轟々チクチク始まって……こうなるともう手がつけられな
いので、従う羽目になる。尤も、云っていることは正しい。眠さでどこで堕とした
のか見当もつかず仕舞いだったので一時停止させることに納得した。
夜の11時をまわっていたので自動音声の案内にしたがって……みたものの暗証番
号は判らないわ、登録してある現住所の電話番号が判らないなどでやり直し挌闘す
ること約1時間;更に、止まるまでに1時間;
自動音声って、結構不便。
そんな矢先の昨日。
同じ相方と同じ現場。眠いまま出勤したのだが、集合場所まで相乗りさせていただ
いた相方の車の後部座席に転がっていたのをこっそり見つける;……まったく気づ
いていないようだったので……僕はそのまま何も云わず…、そう、回線も一時停止
させたまま今日の勤務に至る。
なんで、って。
ちょっと仕事の電話の束縛から解放されたのが癖になった……のだと思う。
たぶん;
“あ、すみません、今回のような業者、自分初めてなんですが…”
相方に訊ねてみた。
“難しくは無いと思うよ。俺もまだ数えるくらいしかないけどさ”
僕は空を見上げながら話し続けた。
“あの状態でって…僕は必要あったんでしょうか?意味有ります?”
これといって……下から、つまりはここからどうこうできるのか、その必要は……
“ステルスでレーダーには引っ掛からないけど、この道の上空識別圏みたいなのに
抵触するらしい?俺はB級持ってないからってことじゃね?”
B級というのは、通行場所などによって必要な資格証を有する者の略とでも云おう
か…けど……ま、まぁいいか。
“今日はどちらかといえば楽かもな”
相方はそんなことをつぶやき、無線を切った。
いやいやいや、警笛吹いて届くの?
ぁ。監督着たっぽぃ。
ヘルメットにラインが3本入っていれば監督などの資格者ということらしい。
不安しか残さないまま、勤務開始になる今日……。