1-7 父母との関係修繕計画
「最近、仕立て屋や宝石商が来てないようだけど、そろそろ呼んだらどうだ。」
隙あらば娘に贅沢をさせようとするお父様。お母様も買い物ばかりしているようだし。うちの領地の資金大丈夫なのかな?
やっと、メイドたちとの関係もよくなり始めた。
次に考えなくちゃいけないのは、お父様とお母様。
まずはお父様のことをどうにか考えよう。
いくら公爵家といえども収入には限度がある。支出の方が多ければ、行く行くは領地経営が成り立たなくなるだろう。
うちの領地の収入源は何だろう?
領地は栄えているのだろうか?
領民に大きな不満はないのだろうか?
私はまだ7歳。知らないのは当然だけど、何も知らないままでいいの。
いいえいけないわ。
前世では働いていた私。
それなら何かしらよくするヒントを考えることはできないかな。
ただ闇雲に考えていてもわからない。
それなら、お父様に聞きに行くしかない。
私は、その日のうちにお父様の書斎を訪ねてみた。
トントン
「お父様。シャルロットです。入ってもよろしいでしょうか。」
「どうしたんだい?シャルロット。」
「お父様にお聞きしたいことがあるのですが、よろしいでしょうか。」
「なんだい。新しいドレスが欲しいのかな。言ってごらん。」
「そんなことではありません。お聞きしたいのは領地のことです。ローゼンベルク公爵家の主な収入源は何でしょう?収支のバランスはどうなっていますか?領地は栄えているのでしょうか?」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。いきなりどうしたんだい。」
「いきなりではありません。私、このローゼンベルク家のことが心配なのです。この領地が少しでもよくなるように一緒に考えたいのです。ローゼンベルク家の一人として。だから、どうか教えていただけないでしょうか。」
「う~ん。そうか。かわいいお前も随分大人になったものだなあ。しかし、いつの間にそんな難しいことを考えるようになったのかな?まあ、いい。領地経営については、執事のトーマスに任せていることも多いから一緒に話をしよう。」
お父様!
今、執事に任せていることが多いとおっしゃった?
この領地の主なんだから自分主導でいかなくちゃならないでしょう。
もしかして、領地の状態も把握してない?
だから、贅沢しても平気だったのかしら。
なんか、頭が痛くなってきた。
トーマスも入り、領地について話を聞いた。
「うちの領地の収入源は鉱山から出るダイヤモンドです。」
驚くことに収入と支出はなんとギリギリ同じくらい。
このまま散財していったらまずいでしょう。
しかも、領地のためには最低限のお金しか使っていない。
このままでは、いずれ領民の不満も爆発し、最悪領地経営の資格が無いとして領地没収。
爵位はく奪の可能性もあるのでは?
・・・考えろ、私。
あれ、これもしかしたら。ダイヤモンドを・・・
ひらめいた作戦の第1歩として次は、お母様のところに行くことにした。
侍女のアリサに頼み、お母様に時間を取ってもらうことにした。
「お母様、シャルロットです。今よろしいでしょうか。」
「 どうぞ。」
今までほとんど話すこともなかったからか、お母様の顔もこわばっている。
それでも、お母様との家族関係の修復のためには頑張らなくちゃ。
「お母様。お元気でいらっしゃいますか。私少しずつ淑女教育を進めるためにも教えていただきたいことがあるのですが。お母様はたくさん綺麗な宝石を持っていらっしゃいますよね。どのようなものをお持ちですか。その中に領地で出るダイヤモンドもありますでしょうか。」
最初はぎこちなかった会話でも、得意な宝石の話になったことで、実物を見せながらお話しすることができた。
お母様は、宝石のことだけでなくドレスなどの服飾のことや流行も含めて、とても詳しいことが分かった。
やった。
もしかしたら、お母様のこの知識を活かすことができるかもしれない。
「また、いつでも聞きに来ていいわよ。」
久しぶりの娘との会話がうれしかったのか、笑顔も見られるようになった。
私ももちろんこの機会を逃すことなく、何度もコンタクトを取りながら、一緒にお茶までできるようになった。
どうにか関係改善の糸口が見えてきた。
次の段階に進むぞ。




