1-8 父母と領地改革を始めます
いつもありがとうございます。
少し誤字訂正と改稿をしました。
よろしくお願いします。
「お母様。それでは一緒に参りましょう。」
今日は、お父様にも先に話をし、トーマスも含めた領地経営の話となった。お母様と一緒にお父様の執務室に向かう。
トントン。
「失礼します。シャルロットです。」
「えっ。」
私だけだと思っていたお父様は、私の後に入ってきたお母様の顔を見て驚いている。今まで、領地経営の話についてお母様は蚊帳の外だったらしい。
「今日は、ローゼンベルク家の未来についての大切な話し合いですもの。お母様にもご意見いただかなければ。よろしいでしょう?お父様。」
「あ、ああ。」
「それでは、現在の領地の収支についてトーマス教えてくれる?」
「はい。前にお話した通り現在の収支はプラスマイナスほぼゼロといったところです。収入については、ここ5年ほど変わっておりません。それに対して支出は年々増加傾向にあります。しかも公爵邸での支出が大半を占めています。」
「そ、そんな。公爵家の収入はかなりのものなのだろう。そのくらいで無くなるものでもないだろう。」
「そうよ。公爵夫人として常に最高のものを身につけなければ社交界でも笑われてしまうわ。」
「では、お父様。もし、このままの支出額でいったとしたら領地の経営に回すお金はどうなりますか。領主が立派なお屋敷に立派な身なりでいたとして、領民は貧しくてもよいのでしょうか?」
「お母様。流行の先端を行くことも必要ですわね。でも、領地の収支がマイナスになったらどこからお金を出すのでしょうか?社交界での評判もどうなるのでしょうか?」
お二人には耳が痛い話だろう。でも、自分を棚に上げてはいけない。
「私も今まで何着もの豪華なドレスや宝石など何も考えずに必要無いほど買ってきてしまいました。それに、公爵家の一員として現状を見ようともせず、傲慢にふるまってきてしまいました。」
「それは・・・。まだ子供だから仕方ないだろう。」
「領民は子供だろうと家族のために働いたり、手伝いをしたりしています。領民の先頭に立って動かなければならない責任ある領主家族の一人として仕方ないでは済ませることはできません。私も自分なりに課題を見つけ、解決に努めなければなりません。」
「では、どうしたらいいのだろうか。」
「トーマス。解決のカギは何だと思う?」
「はい。当たり前のことですが収入を増やすことと支出を減らすことです。はっきり申し上げると、今までのままではいけないということです。」
「そこで、私から提案です。収入を増やすために領地のダイヤモンドの価値をあげましょう。それには、お母様の協力が必要不可欠です。今までのダイヤモンドは産出されたものを形を整え、きれいに磨いただけのものです。それをさらに輝かせて価値をあげるのです。それを我が領地の名をつけた『ローゼンベルク・カット』として社交界で広げていくのです。また、小さすぎで使えなかったダイヤモンドについても価値を見出していきましょう。お母様ご協力いただけるでしょうか。」
「私にそんなことができるのでしょうか。」
「いえ、むしろお母様でなければできません。今まで培ってきたお母様の宝石やドレスの知識は一朝一夕に身につくものではありません。ぜひ、領地のために生かしていただきたいのです。」
「わかりました。これからは、この領地のために私なりに力を尽くします。もちろん、ドレスも宝石も無駄遣いしないように心がけます。」
「お母様。流石です。」
「シャ、シャルロット。何か私にできることはないのかい?」
今度はお父様まで前のめりになって割り込んできた。
この機を逃す手はない。
「お父様は、領主です。この事業は領主主導のものでなくてはなりません。お父様は、トーマスに任せきりにするのではなく、助言をもらいながら領地経営を行ってください。まずは、ローゼンベルク家のことをきちんと把握すること、そして領地の状態を知ることです。領地の収支報告を定期的に確認してください。それに、実際に領地の様子を視察にも行きましょう。私もぜひご一緒させてください。」
「私は今まで領主として何をしていたんだろう。トーマス今まで任せきりですまなかったね。これからいろいろ教えてほしい。よし、分かった。これからみんなで頑張っていこう。」
「旦那さま。分かりました。精一杯務めさせていただきます。」
こうして、領地の再生計画がスタートすることになった。
希望に満ちて部屋に帰った私は、大事なことを忘れていることに気づいていなかった。
毎日届く綺麗な花とカード。
なんで忘れられたの?
私ったら。




