2-2 兄との関係修復計画
読んでいただきありがとうございます。
頑張ります。
『エドワードお兄様。
長い間ご無沙汰いたしております。
お元気でいらっしゃいますか。
お父様もお母様もお兄様のお体を心配されています。
お時間の都合の付く時で結構です。
お顔を見せにお帰りいただけないでしょうか。
お待ちしております。
シャルロットより』
2か月前に出した手紙にも反応はない。
学生でもないのに学園に出向くことはできない。
どうしたらいいのだろう。
こうなったら、お兄様に確実に信用されるように動くしかない。
まずは、下準備をする。
今までは大きいものほど価値があるといわれたダイヤモンド。
それを根本から覆し、小さくても輝きの素晴らしいダイヤモンドに価値を見出す。
お母様世代の方に人気な大きめのジュエリーより、若い世代に受け入れられるようなさりげなさ、清楚な感じに仕上げたジュエリーを目指す。
小さめだがしっかりとした輝きの見られる『ローゼンベルクカット』のダイヤモンドの付いたネックレス。
揺れるたびにきらきらと輝くイヤリング。
小さいながらもいくつか組み合わせて美しく輝くブローチ。
そんな商品をお母様と考え出し、細工師の人たちに作ってもらった。
そんな若者向けのジュエリーの広告塔はやはり私しかいないのだろう。
お母様にお願いして、お茶会に連れて行ってもらった。
最初は、お母様同士の話に花が咲いていると思っていた。
「ところで、そのイヤリング。素敵ね。きらきらと輝いて。もしかしてその宝石も『ローゼンベルクカット』なの?」
「さりげなさがいいわね。私の娘にも似合いそうだわ。」
次第に私のジュエリーに話題が移り、どこで手に入るのかという話に移行していった。
まだ、商品化をしていないということで近日中に販売できるようにしていかなければならなくなった。
でも、ここで障害が。
いくつか当たったジュエリーショップでは、大きい宝石が主流の今、当然受け入れられるものではなかった。
途方に暮れた私たちは、『ローゼンベルクカット』でお世話になった商会の方に口利きをお願いしてようやくお店においてもらえることになったのだ。
お茶会でご一緒した夫人からの問い合わせも功を奏し、そこからじわじわと浸透していった。
そこで、お兄様の学園に近い場所にある王都のジュエリーショップと契約する運びとなった。
話題になればお兄様の耳にも噂が入る日が来るかもしれない。
次に、お兄様にあてて手紙を書く。
『エドワードお兄様。
お元気でいらっしゃいますか。
実は今回はローゼンベルク家のことについて具体的にお話ししようと思います。
ローゼンベルク領の状況はお兄様もご存じのとおりです。
原因はお父様の領地経営への関心のなさやお母様や私の散財、そして傲慢な私の行動です。
全てのことを反省し、一つ一つ直し、立て直しを始めました。
詳しい立て直しについてはお時間をいただけるときにお話しします。
今では、領地の収支もプラスになり、領地にも目を向けられるところまで参りました。
しかし、まだまだ領地経営に関しては課題も山積みです。
お兄様にもご参加いただき、家族みんなで領地を立て直しできたらと思います。
ぜひ、お兄様にも貴重なご意見をいただきたいのです。
近いうちに領地にお帰りいただけないでしょうか。
ご連絡をいただければ王都の屋敷のほうに出向いてもかまいません。
色よいお返事お待ちしています。
ちなみに、領地立て直しのために今王都でも販売を始めた『ローゼンベルクカット』のダイヤモンドを一粒入れます。
若いお嬢様方に人気なんですよ。
それでは。
あなたの妹 シャルロットより 』
お兄様を家に呼ぶために考えたことが、まさかこの先、ジュエリー界に革命をもたらすとは思いもつかなかった。
果たして、お兄様は帰ってきてくださるのだろうか。
もし、それでも返事が来なければ、最後の手段。
私が直接話に行く。




