短編書くつもりが連載書いてしまって申し訳ない。
初めての作品「らのべのてんかい」という短編を書き終えて、しばらくは短編を書いていこうと考えていました。
当時はラブコメにありがちなシチュエーション……いわゆる「あるある」を元ネタにしたものを単純にコメディーとして書いていくつもりでした。
処女作の「らのべのてんかい」は、遅刻しそうになって食パンを咥えて走る少女が見知らぬ男子とぶつかり、そのあと「転校生で~す」「あ~っ!!」というお決まりのパターンを使った話でした。
次に考えたのが、授業中に女子の消しゴムを拾った「陰キャ男子」が、どうやって渡すか困惑する様子を描いた話です。
私自身が学生時代陰キャだったので、この状況はマジで困ります。自分みたいなキモヲタが渡したら絶対迷惑するだろうなぁ~とか、そもそも触った時点で絶対エンガチョされるよなぁ~とか……色々とネガティブ思考が巡りました。そんな、ただ消しゴムを拾って渡すだけの話を書こうと考えたのです。でも……
この程度の話なら誰でも思いつきそうな気がしてきました。きっと誰かがすでに投稿しているか、投稿するほど面白い話ではないのかもしれません。ネガティブな私が諦めかけていたとき、ある考えが頭の中をよぎりました。
――もし、消しゴムを落とした女子が、実はその男子のことを好きだったら?
思いを寄せる男子が自分の消しゴムを拾ってしまったら? おそらくパニックになるでしょう。でもその男子は気があるどころかとんでもない陰キャで、好きとか嫌いという以前の問題……。
男主人公は少年マンガっぽい展開、同じシチュエーションで女主人公は少女マンガっぽい展開で2作品書けるかも? と考えました。
すると、次から次へとアイデアが浮かんできました。前の席の巨乳女子をチラ見している所を見つかり、脅されると恐怖を感じた男主人公と実は嫉妬していた女主人公。弁当を忘れたのに脅されてパシリをされ、素直に従う男主人公と実は助けてあげたいけど素直に表現できない女主人公……。
1つの物語を2つの視点で描いた作品ならイケるかな? そして、このどうしようもない陰キャ男主人公が成長して2人が付き合えるようになったら……
――あれ? 何かラブコメ書けそうな気がしてきた!
こうして、短編書くつもりが連載になってしまった作品が現在絶賛遅筆中の
『席が隣同士の赤坂君と御勅使さんは今日も平和に戦争中』
です……なかなか次話に進まなくて本当に申し訳ない。
ここまで読んでいただき本当に申し訳ない。
次回は「御勅使」「大垈」←これは何て読む? という話です。