第九話【中二病】
『主人公?』
青鈴は問いかけ返した
「うん、そう言ってたその尾上って人」
『尾上…一体何者なんだ…』
「はい。お嬢様、濫真君お茶」
ソファに座り話していた青鈴と血瑠璃の二人にメイドの冥野 堂花がお茶を渡す
『あ、堂花ありがと』
「いやいや単純にメイドの仕事してるだけだし」
「そうだ堂花」
「はい?何ですかお嬢様」
「主人公について何か知らない?」
「何かって言われましても…主人公って物語の主人公のことじゃ…?」
「やっぱりそれしか思い浮かばないよね」
血瑠璃がため息をつきながら言う
『もしかして…』
「え?何?」
『もしかしてその尾上ってやつはこの世界を物語と思っていて自分が主人公だと思ってるんじゃないか?』
「それはないでしょ。どこの中二病よ」
『それもそうだよなぁ…』
「でも―――」
『ん?』
「ソイツは何か変な能力使ってた『神獣変化』だとかなんだだとかそれで久保は殺されてた喰い散らかされて」
『…水川に聞けば何かわかるかな?』
「章悟?何で?」
『アイツ前に尾上からなんだとか言ってたろ?』
「そういえば言ってたかもね」
『水川の所いくぞどこかわかんねーけど』
「う、うん」
逝見サイド
「あ、尾上君帰ってきてたのかい?」
『あぁ』
「健ちゃん…?」
逝見の横には狐火がいた
『誰だ貴様?』
「ッ――――」
「狐火ちゃん」
逝見は狐火の耳の近くまで顔近づけコソコソ話というもので説明した
「彼は記憶を失ってるんだよ。だから君のことなんて覚えてない一ミリたりともね」
コソコソ話をする逝見に鈍い衝撃が走る
「あーいったい…話してるんだから急に暴力振るわないでよ倉田君」
逝見がそう言った人物は鉄パイプを持ち笑った表情のまま立っていた
「ウルセーよ糞中二病まっさかり野郎が」
「やだなぁ中二病だなんて…そんなこと言っちゃったら世界中の漫画や小説のキャラクター全員が中二病じゃないか」
「とくにテメーはひでーだろ『負加速』とかなんだありゃ?ただのマジックじゃねぇの?」
「おいおい僕に逆らうなよ倉田君。痛い目をみちゃうぜ」
「テメーの痛い目はつまんねぇからいーよ」
『おい貴様等くだらない話は辞めろ』
「主人公風情も黙っててくれませんかぁ?俺は主人公主人公ウルセーんだよ」
「主人公にもがっつくのかよ…」
「うるさいからやめてくださいょぉぉぉぉ倉田さんも尾上さんも逝見さんもぉぉぉぉぉ」
「あれ?いたのかい?中里ちゃん」
「すいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいません
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影が薄いんですぅ」
「そんなに謝ってくれる必要はないぜ?君の影の薄さは個性なんだからさ」
「あぁ…………………………………………
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ありがとうございますありがとうございますありがとうございますありがとうございます」
「……」
さすがの逝見も苦笑いする
『心負』
「ん?なんだい尾上君」
『沢木はどこだ?』
「さぁ?どこだろ?」
血瑠璃の家
「お嬢様もずいぶんと明るい表情するようになったよな青鈴様がきてから」
「そうですねぇ朧さん」
堂花と朧がそんな会話をしながら仕事をしていると後ろからとてつもない爆音が響く
「「!!!???」」
「あ、すいませーん宅配便でーす破滅のね」
「誰だキサマ!」
朧が言う
「沢木っていうものでーすってことで以後よろしくっていうかねんていうかねwwww」
「貴様ってどこの尾上さんですかってねwwwww」
「で、その沢木さんは何しにきたんですか?」
「だから宅配便ですってとことん絶望してorzってくださーい( ̄∀ ̄)」
「?」
堂花の頭にハテナマークが浮かぶ
「下がってなさい堂花」
「朧さん」
「何か危ない気がしますってえ…」
朧は心臓をナイフで一刺しされていた
「あれあれーもしかして今の死亡フラグだったかなぁ~見事にドヤってやるからさぁ堂花ちゃんだとかも死亡フラグ踏んでみる?それとも俺にとことん体滅茶苦茶にされて絶望して俺の快楽器具になってみる?」
「――――――」
「あぁ~無言の了解ってヤツかなぁ?それじゃあとことん快楽に溺れさせてくれよ?」
「邪魔だ」
その場にいなかった人物が現れる
「あれあれ~君はもしかして水川君だとかかなぁ~?wwww女の子のピンチに駆けつけるとかどこのヒーローサマですか?まったく きmなぁ」
「黙れ殺すぞ」
「wwwwwあぁ~そういうタイプの中二病かぁんじゃささっと君も一刺しにしてあげようか」
「ならこっちも一刺しにしてやろう」
水川VS沢木の戦いが始まった
作者が一番中二病です