第三十二話【水川 章悟】
その少女はこちらに向かって殴りかかってきた、漫画でよくある飛び掛かって殴る体制でこちらに向かって殴ってきたがしかし木崎が尾上にも負けないスピードで少女の拳を掴んだ。
「早いっ!?」
少女は自分の拳を掴まれて驚いているようだった。
「でもでも~掴んじゃってよかったのかなぁ~?『荒』!」
少女がそう言うと木崎の手が地面に叩きつけられさらに手が地面に亀裂を入れるまで叩きつけた、明らかに普通の少女では考えられない、人間でもありえない力で木崎は地面に叩きつけられ、少女の拳を掴んだ木崎の左手は再起不能になっていた。
だが再起不能な状態になってもなお少女は木崎の左手を地面にめり込ませんぐらいの力で地面に押し付けていた。
「ぐ…がぁ!?」
木崎はその威力に驚き声を上げた
木崎の左手を地面に押し付けていた少女に紅は手を空中で合わせ能力を発動した、すると炎が紐状になり少女に襲いかかる。
「静希の邪魔をするな!『透明の透明』!」
紅の炎は跡形もなく掻き消された
「そっちこそ邪魔をするな。」
差鐘はパーカーを着ている男に向けて電撃を放ったがそれも男の能力で跡形もなく掻き消された。
「ほんの一、二時間前会ったばっかりだがまた俺を倒せると思うなよ兄貴。」
男は差鐘をギロリとした目で睨み見た。
「それにしても妙ですね…さっきまで幸浦という男がいたはずでしょう?彼はそこに行ったんですか?どうにも潰しておきたくて…。」
もう一人の男は周りの仲間が戦闘をしている最中に落ち着いた口調で俺たちに問いかけた
そして男の言う通り幸浦はその場から姿を消していた
逃げたか、助けを求めたか、助けを求めるのはまず幸浦の能力が人を復活させることも可能な能力なので無いとなると逃げた可能性が高い。
「仕方ありません…弱そうな女性から先に殺すとしましょう『最善最悪』。」
男は血瑠璃と狐火の目の前にわずか一瞬で移動していた
そして男は二人の頭めがけていつの間にか手に握っていたナイフを突き刺そうとしていた。
「くそ!『発火』!」
それに気が付いた紅が男に向けて火の玉を発射した。
「邪魔をしないでください、紅 蒼介、『最善最悪』。」
男がそう言うと女性陣に紅の発射した火の玉が直撃させようとしたが雨崎の能力で炎を凍らせ三人とも無事だった。
「あぁ…そうでした氷使いが――
俺は男に向かって走り出し手に出現させたブルーサイズでその男の首を刈り取ろうと動いた
『らああああああああ!!!』
俺は鎌を男の首めがけて振った――
その攻撃は尾上によって止められた。
『な…尾上!何してんだよ!』
と俺は尾上に向かって言ったが反応しない、それどころか獣の様な目つきでこちらを見ている、鎌を掴んでいた力は押しのける力に変わり俺は押された。
「駄目だよー人を殺そうとしちゃあーーーー…っさ!?」
声のした方を見ると赤と白の服を着た異様な雰囲気を纏った男がそこにいた
「しかも僕の親友を!?幼馴染の尾上を!?酷い酷い酷過ぎる!………よぉーし決めたぞぉー僕は君に死刑判決を言い渡そう!それでわぁーっ!
男は吐き気を催しそうになるぐらい冷たくおぞましい声色で
「死ね。」
と言った。
すると濫真の体が急に膝から崩れ落ち、床に体を打った
男の言葉が現実になった、死ねと言ったから死んだそんなありえない出来事がこの場で起こった
血瑠璃はその光景を見てすぐに濫真に近寄り泣きながら体に縋り付いた、普段見せていないのだろう愛がここででたからに違いない
自分はそれを見て自分の決意を再確認し男を殺す準備にかかった――
「やった!やったぞ!僕は親友の危機を救った英雄だ!こんな人の命をも軽く奪おうとする雑巾の様に汚いゴミは死んで当然だ!どうだ!やったぞ!三人とも!」
「これで一人だね!あとは雑魚しかいないみたいだしさっさとやっちゃおう?」
敵の女と濫真を殺した男が喚く、なれない英雄を体験し喚くその目障りな声を潰すために二人の喉に普通の矢を射た。
女は手で掴み矢を折ったが男には命中した
「あ?が?」
出ない声で疑問を浮かべた声を出した、俺は男に近寄り弓に矢をセットして矢を男の額に当てない程度まで近くに照準を合わせ矢を打った
男の頭は綺麗に真っ二つに分かれ怪物でもない限り生きれない状態になった
敵を一人殺した、好きな人の好きな人を殺した憎たらしい人間を、でもコイツらを殺すのに罪悪感も何もなかった好きな人を悲しませたのだならこの組織の人間全てを潰そうと今ここで決めた。
「相間がッ!仕方ありません!『最善最悪』!」
眼鏡をかけた男が俺の目の前に剣を持って上から刺し殺して来ようとしてきただが無意味だった男は俺が自分でも知らない間に放っていた矢が天井から数十本落ちてきて体に突き刺さり床にあっけなく落ちた。
「これが逝見の忘れ形見…?」
と言い男は矢が刺さったまま死んだ
二人殺した
すぐに敵の女に矢を放ちながら駆け寄った
それらは全て避けられたが距離を縮めることはできた、それだけで十分だった、これだけ近ければ技を使うより先に矢を刺して砂にして殺すことができる。
俺は能力が付属した矢を打った見事に女の腹に命中した女は苦しみでよろけた、そこに無数にも近い矢を叩きこんだ砂になる前に一つ一つの細胞が塵になって砂になるぐらいに潰さなければならない、殺さなければならない、この手を汚さなければならない
三人殺した、あと一人、一人殺せばこの場での怒りは静まる、消え去る、次にコイツらの仲間と会うときまで静まる、なくなる、正義感に浸れる。
もう一人の男には近寄らずその男が立っている所に矢を放った、予想が正しければ、合っていればコイツの能力は物を一つ一つ消していく能力、なら砂を消すのには何時間かかる、無数の蟻地獄の砂を消すのには何年かかる、消せはしないはずだ。
矢が刺さった床は徐々に砂になっていき男の脚を飲み込み始めた
男はすぐに砂を消そうとしたそこに差鐘は近づき男の頭に手を添え頭から煙がでるほどに男の頭を電気で熱した。
男の死体は頭からがくんと砂の中に突っ込み体は砂に飲み込まれ消えた
殺した、ここにいた敵を全員殺した一人は完璧に殺したのは自分ではないものの敵を見事に全員殺した次に殺すのは今死んでいった人間達の仲間と会った時だ、その時、一人残らず潰す。
俺は血瑠璃に近づき
「すまなかった、青鈴を守れなかった…。」
そこに差鐘は水を差してきた
「そうだ、血瑠璃ちゃん俺が前君にあげた能力を覚えているか?」
その発言を聞いて青鈴の身体にしがみ付いていた血瑠璃は顔を上げた
「能力…あの回復の…?」
泣きながら血瑠璃は差鐘の質問に答えた
「あぁそうだ!その能力を使えば…!」
血瑠璃はすぐに自分にはよくわからないが能力を使ったようだったすると数分して青鈴は何事もなかったかのように起き上がった、その光景を見て血瑠璃は青鈴に抱き着いた
正直憎たらしいが仕方の無いことだ愛する人が生き返ったのだ、それで抱き着きもせず会話もせず何もしなければそれはもう人と呼ぶのに躊躇してしまう存在だ。
青鈴は抱き着いた血瑠璃の頭を撫でながら、受け入れていた。




