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なんで三男の俺なんだよ!

お久しぶり、もしくは初めましてとなります、紗砂です!不意にファンタジーものが書きたい!という勢いで書いてみたものとなるのでミスも多いかと思いますが寛容な気持ちで読んでいただければと思います!


「さて、全員集まったな。では、グレイ。今日からお前がエルステイン子爵家の領主だ」


「おー、了解。今日から俺が領主……って、なんでだよ!?俺、三男だし、領主はアル兄さんがやるはずだったろ!」



俺、グレイ・エルステインはエルステイン子爵家の三男であり、転生者である。そして今、父さんの執務室に呼び出されたかと思えば、珍しく家族全員がそろっていて……。何故かいきなり領主を押し付けられた。

いやいやいや!おかしいだろ。普通、家を継ぐのは長男の役目なはずだ。そう、長男であるアルフォード兄さんの。

 そう思いアル兄さんに顔を向けると、やけにたくましくなった金髪の、覚えのある顔をした人がいた。

あれ、おかしいな?アル兄さんはもっと細くて、たくましさなんてなかったんだけど。5年間会ってなかったとはいえこんなに変わるものか?



「ふっ……。弟よ!この私が当主になると思うか?答えは否だ!今の私はルーデンス殿下の近衛なのだからな!それに……。私には領地経営などという難しいことは分からん!」


「……アル兄さんんんんん!?え、殿下付きの近衛って何!?なんで騎士になっちゃってんの!?あれっ?なんか、アル兄さん脳筋になってない?」


「グレイ、私も戸惑っている。だが、さすがに今の状態のアルには継がせられんだろう」



父さんがかなり疲れた様子の声で口にした。確かに、今のアル兄さんと話すのには苦労しそうだし、分からなくもない。だが、正直なところ俺としては継がせる以前にアル兄さんがこうなった原因が気になるんだが。5年間で何があったんだよ!って、それは後に回すとして。まだ、クロード兄さんがいる!



「あぁ、先に言っておくけど、僕は文官として生きていくつもりだから。既に採用試験にも受かったし、やめるつもりはないよ。それに、僕達兄弟の中で領主としての仕事を一番間近で見て、手伝っていたのはグレイだからね。まぁ、多少は手伝うつもりだから安心して」


「グレイ、没落寸前と言われているエルステイン子爵家を建て直せたのはお前だけだ。お前の見つけた塩湖により、内陸部に位置するこの国での安定した商売ができるようになり、領民たちの生活も改善された。既にそれだけの事を成し遂げているのだ。自信を持ちなさい」



それは、俺が転生者だからこそできたことだ。確かにそれにより没落は回避された。とはいえ、それは問題の先延ばしに過ぎない。このままではどうせすぐに没落することになる。まぁ、アル兄さんとレイ兄さんが王宮務めならしばらくは良いだろうけど。



「爵位継ぐのは良いとしてもさ、俺まだ学園卒業してないんだけど……」



学園は、貴族は必ず3年間通うことになる。領地経営から騎士の心得、文官になるための知識、それに礼儀作法といった必須スキルまで幅広く学べるのだが、14歳からなのだ。対して俺は今年で14になる。つまり、もうすぐ入学しなければいけないのだ。そんな俺が領主って、無理があるだろ。



「……まぁ、大丈夫だろう。グレイが学生でいる間は、私が領主代理として仕事をする」


「それなら、まだ父さんが領主でいいんじゃ?」


「年末のパーティーへの参加が嫌だ」


「思ったより自分本位な理由だった!?」



え、まって。俺、そんな理由で子爵家の当主になるの?めっちゃ嫌なんだけど。

 俺が兄さんたちに目を向けると、母さんと一緒に何か食べていた。って、なんで今日作ったばかりのパウンドケーキ食べてんだよ!しかも、あれ見つからないように隠してあったはずなんだが!?



「あら、いいわね、これ。しっとりしているし、程よく甘くておいしいわぁ」


「あ、本当だ。でも、蜂蜜も砂糖も買えるお金なんてなかったと思うけど……」


「そうねぇー。グレイこれは何を使ったのかしら?」



母さんの笑顔が怖かった。え、勝手に食べられてたのに怒られるの?いや、でもそんなに気にならないようだし、成功ってことでいいのか?



「試作の砂糖だよ。サトウキビから絞り出した砂糖で今日作ってみたんだ。俺も聞きたいことがあるんだけど。なんでそれを今、母さんたちが食べてるんだよ!」


「あら、いいじゃない別に」


「そうだぞ、グレイ。こんなものを1人で食べるつもりだったなんて……」


「はぁ……。いいけど、まだ試作段階だし、サトウキビからもちゃんと砂糖がとれたかは分からないんだから勝手に食べないでほしかったんだ」



折角後でレモンのソースを作って、夕食の後に出してもらおうと思ってたのに。まぁ、別にいいが。



「あら、美味しいし、いいじゃない」



母さんたちがのんきに食べている中、父さんが頭を抱えながら溜息を吐いた。まぁ、気持ちは分からなくもないが。真面目に話している中、後ろでお茶が始まってるしな。



「……グレイ、すでに当主となるために必要な手続きは終わっている。あとはお前の好きなようにしなさい」


「父さん……。それ、自分が引退したいだけだろ!?」


こうして俺は、エルステイン子爵となった。


……いや、まだ俺納得してないんだが!


エルステイン子爵家長男のアルフォードの簡単な紹介。


アルフォード・エルステイン


19歳

第一王子の近衛を務める騎士。

苦手なのはリス。

5年間の王都生活の中で脳筋になり果ててしまった。

体格に似合わず、甘いものが好き。

案外おおざっぱな性格をしている、グレイの兄。



これからも一話ごとに気まぐれで、誰かの紹介をしていきます!

次はクロードの予定?(変わるかも)



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