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第四章



私は全部思い出した。

自分はおそらく転生というものを実際に体験してしまったのだろう。しかも前世で好んで読んでいた小説の中の所謂悪役令嬢ポジションに。

なんということか。このゲームのことを知っているだけに本当にいたたまれない。そしてそこから考えると、自分が今まで感じた違和感も導き出されてしまう。

ゲームの中の私は筆舌に尽くしがたいほどテンプレートな悪辣令嬢だった。王族に限りなく近い自分の家柄を利用して好き勝手に振る舞い、ヒロインの…(名前は思い出せない。)まあ彼女にいじめを行い、そして自分の婚約者や弟、果てにはそこまで親しくもない他の攻略キャラたちに無残にも殺害されてしまう。本当にしみじみと思う。何て救いようがないんだ。このゲームの難儀なところは、その性質にある。内容は普通なのに何の前触れもなくいきなり攻略キャラがヒロインにヤンデレになったり、ヒロインのライバル(私)を殺してみたり…つまり、本当に予測がつきにくいゲームなのだ。

ゲームのタイトルは確か…何だっけ?なんだか物凄くふざけたサブタイトルがあった気がする。まあ、それはおいおい思い出していこう。

私が花を見て記憶を取り戻したのは、このゲームの登場人物が皆花になぞらえた名前になっているからであろう。クローブはクローバー、アルは確かアネモネの花をもじってあるはずだ。私の名前は…そうだ、ラナンキュラスだ。あとは残念ながら今は思い出せないが、今わかっている情報だけでも十分に傾向と対策を知ることができる。それだけでも幸いだろう。

私が違和感を感じた理由は、ゲームの設定にそぐわない出来事が起こったからだろう。

ゲームの私はクローブとの間に大きな確執を抱えており、親愛の言葉はおろか、最低限の会話さえままならない状態だった。婚約者のアルは私を大層毛嫌いして…あら?

そんな風につらつら考えていると、私は大切なことに思い当たった。

もしかして私、いつの間にか知らないうちにゲーム通りにいくフラグ折ってるんじゃないの!?

だってだって、私達兄弟に確執なんかないし、アルとは相思相愛。

ゲームの舞台になる高等学校に行くまでにはまだまだ時間がある。

あれ…もしかしてどうにかなるんじゃないの⁉

私は人目を気にせずガッツポーズをした。

べ、別に考えに没頭しててクローブがいるの忘れてないんだからね‼

クローブが心配そうにこちらを見ているのはこの際見なかったことにしよう。


これからどうしましょうか…

何とかひねり出していきたいと思います‼婚約者との出会いの回想とかって需要ありますかね(-_-;)

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