後日談
訂正について
忍の能力の「黒葬」について
前回は「闇の中に収納する。収納スペースには限界がある」みたいに書きましたが、違います。
正確には「直接闇に引きずり込む技。入れば脱出不可能。外界からの情報すら全て拒絶する。地獄と直結しているため、引きずり込まれたらまず助からない」
「忍さん!安司さん!遼さん!」
姫様の声が城下に響く。ここから見る限り、こちらに走ってきているようだ。俺たちは苦笑いしながら姫様のほうにゆっくりと足を運ぶ。
だが、姫様の走り方がおかしい。姫様が着ているのはここに来る直前まで事務的な仕事をしていたのか、出会った時に着ていたドレスよりは質素な服だった。
しかしこの国の姫の名に恥じないような、フリルのたくさん付いた足首までのあるドレスにゴージャスな飾りのついた豪華絢爛な服装だった。気分は舞踏会の中のよう。
だと言うのに、だ。背後に土煙が上がるほどのスピードで走ってくるではないか。シンデレラが十二時の鐘がなる直前の少し焦燥感の残るような、スカートのはしをつまんで走る走り方ではなく、陸上の短距離選手のような素晴らしいフォームで走ってきている。髪留めがほどけ、髪を振り乱しながら走ってくる姿はまるで山姥だ。
近くにいた近衛兵が姫様に気づいて慌てて挨拶しようとしていたが、姫様のその走りにポカンとして目を丸くしている。
髪のせいでこちらから姫様の顔は見えない。だがこの時三人の考えは一致していた。
姫様………怒ってる?
やがて俺たちの目の前までたどり着くと、ゼイゼイ息をしながら膝に手を置き、下を向いている。表情は全く見えなかった。
「………ひ、姫様?」
「あなたたちはッ!」
「ヒイッ?!」
とりあえずなだめようとした安司は、突然の姫様の大声で飛び上がってしまった。
姫様は顔だけを上げ、上目遣いで思いっきり睨みつけてきた。肩で息をしていることからも思いっきり怒っていることが分かる。
「あなたたちはッ!ダンジョンに行ってからどれだけ時間がたったのか分かっているのですかッ!」
「………いや、知らない」
遼が答える。実際、俺達はずっとダンジョン内にいたせいで昼夜の感覚が曖昧になっていた。体内時計に頼るしかなかったし、ダンジョン内で強力な敵から逃げていたり、戦っていた時には一分一分が一時間にも一日にも感じたし、ふとうとうとしていると実際には何時間もたっていたことなんかもあった。オーガと戦っていた時間も、三時間以上戦っていたようにも感じたが、実際は一時間も立っていないだろう。自分たちは一年位と思っていたが、本当はどうなのかわからない。
「一年と六か月!一年と六か月ですよ!?私たちがどんだけ心配したか………知らないで………」
睨みつけていた瞳は段々と潤んでいき、ついには決壊する。
俯いて泣く彼女に三人が近寄ると、彼女は突如ガバッと飛びかかってきた。俺たち三人が顔を近づけた瞬間を完璧なタイミングでとらえた一撃だった。俺たちは首に回された腕のせいで姫様に顔を近づけざるを得ない。
「本当にあなたたちなんですね?」
姫様が俺達にささやく。俺たちを捕まえる手は震えていた。
その震える肩から、どれだけのことを俺たちがしたか理解した。
「よかった。生きていたのならそれでいいのです。生きていたのなら………」
もう二度と離さないというようにきつく抱きしめるその手が、俺たちがどれだけ姫様に心配をかけたかを理解させた。
安司は姫様の肩を優しくたたき、慰めるように言った。
「………まあまあ。ちゃんとしっかり説明しますから。主に忍が」
「ゲッ。なんで俺なんだよ」
突然の飛び火にいやな顔をしたが、
「罰ゲーム」
「うっ………」
その言葉に黙らざるを得なかった。
かくして、他の二人に比べ、俺だけは少し肩を落としながらも、姫様の背中を優しく叩き、慰めながらゆっくりと城に戻っていった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
俺たちはあの戦いの後、ダンジョンを抜け出し、地上に帰ってきていた。
それは俺たちにとっては約一年ぶりの地上だった。
「「「うおぉぉぉぉおおおおおおお!!!!!!!太陽だぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!!!!!!!」」」
俺たちが叫んでしまったのも無理はなかった。
「まぶしいっっっっっ………!!風が気持ちいい………!!こんなに地上がいいものだったとは………」
俺たちの目からは自然と涙があふれてきた。世界ってすばらしい。生きているってすばらしい!
ただ、この流れに乗ってこられない人物が一人。
「………なぁ、そんなに感動するものか?」
それは少年だった。
それでも地上に戻るとほっとしたのか、近くの丘の上に横になった。
少年がほっとしたのはどちらかというとダンジョンから出られたことが大きいのだろう。俺たちは一年間ダンジョン内に閉じ込められていたせいでその感覚が鈍っていたのかもしれない。異世界に来てからは、城などのところにいるよりダンジョンにいた時間のほうが多いからだ。
とりあえず俺達もその丘に横になり、ゆっくりと空を眺めた。
時刻はだいたい昼過ぎあたりだろう。暖かな日差しとそよ風が眠気を誘う。
このまま寝てしまおうか………と四人ともウトウトし始めた。極限の緊張や疲労が甘く溶けていくような感覚に身を委ねたが、隣でガバリと起き上がる気配があった。少年だ。
「そうだ、こうしちゃいられない。これを早く持って帰らなきゃ」
そう言って手に握っていたのは少年が探していた花であるリコの花だ。オーガとの対戦後、少年に懇願されて取ってやったのだ。少年はその花を手に入れたのが嬉しいのか、いくら貧しい身なりである少年でも持っているであろうスキル『アイテムボックス』を使わず、ここまで手で持ってきていた。
その時、俺は初めて少年をまじまじと見た。
ボサボサの頭、すす汚れた頬、ボロ雑巾のような服はずっと見ていたが、ボサボサの髪は金髪で目は碧色をしていた。世にいう金髪碧眼というやつだ。だが目つきは悪く、取りに行った花を渡した腕はガリガリに痩せている。貧困生活をしているのは目に見えていた。
少年は俺にジロジロ見られて居心地悪そうだったが、リコの花を手にした時には心底嬉しそうだった。
「なぁ、俺たちが送っていこうか?」
安司の問いかけに、少年は首を横に振る。
「いや、いい。こんな得体も知れない男三人に俺の居場所教えられるか」
「ふん、言ってくれるじゃねぇか」
憎まれ口を叩く少年に少年は恨みを込めた目でいう。
「あんたらと一緒にいたら一日持たずに死んでしまうわ!」
俺達はオーガを倒した後、ろくな治療もせずにすぐに外に出てきた。
オーガから逃げるために体力を使い切り、さらに崖から落ちた少年は、遼が飲ませた回復薬があるものの未だ体の調子が戻らない状態だった。時間がたつのを待てばばいいのだろうが、どうせ待つのなら外での方がいいだろうと俺の背中に乗せてさっさとダンジョンを抜け出したのだった。というか、俺たちが日の光を浴びたくてどうしようもなくなっていたという方が正しいのかもしれない。
その時のことを思い出してか、少年はブルッと震えた。
「あのスピード………景色が伸びて見えるなんて初めてだったよ………」
そんなに怯えるほどのスピードだっただろうか?いくらダンジョンから抜け出せるという高揚感からテンションが跳ね上がっていたとはいえ、少年のことを考慮してそこまで早くはなかったはずだ。せいぜい特急列車くらいだったはずだ。そこまで速くはなかっただろう?
俺達はぶつくさ言っていたが、そのあいだにも出発する準備を済ませていた(と言っても荷物なんぞリコの花以外ないのだが)。
痩せた膝をたたき、う〜んと背伸びをしてから少年は立ち上がる。
「それじゃあ僕はこれで。いちおう助けてくれたお礼は言っとくよ。ありがとう」
ちゃんと改まっていう少年に俺達も答えた。
「じゃあな。今度はモンスターに追いかけられるんじゃねぇぞ?次は助けてやんねぇからな」
「またな。元気で暮らしなよ」
「元気でな」
忍、安司、遼の三者三様の言葉を投げかけ、別れをつげた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「そうだったのですか………」
姫様は俺の長い話のあとで一言つぶやいた。
ここは応接間。俺たちが召喚された王の儀式の部屋のような広く荘厳で冷たいイメージとは違い、その部屋は暖炉があり、温かでゆったりとした雰囲気の部屋だった。俺たちは暖炉の前のソファーで姫様に今までの出来事を話していた。
俺は二時間ほど喋りっぱなしだったため、若干のどが痛くなっていた。部屋の入り口あたりに立っていたメイドに飲み物を頼むと、なぜかワインが出てきて驚く。
俺、未成年なんだけど………と述べると、不思議そうな顔をされた。
「のどを潤すのでは?」そう言われたが、俺は戸惑ってしまった。
その様子に、姫様が答える。
「この世界では飲み物といえばお酒ですからね。のどを潤し、舌を滑らかに動かすのにはと、ワインをご所望の人が多いのです」
姫様の言葉に納得する。そうか、この世界は倫理感覚が薄いのか。姫様と長く話す人なんぞ高官しかいないだろうし、中世ヨーロッパではワインは神の血と呼ばれていた。アルコールに対する敷居が低いのだろう。
そう思い直し、俺も一口飲んでみる。
カーッとのどが熱くなり、ワインの香りが口の中を満たす。
しかし………俺にはまだ早すぎたようだ。しかめっ面してメイドに返す。そんな姿を見て姫様はくすくす笑うが、メイドはすました顔をして引き下がっていく。さすがこの国に仕えるメイド。瀟洒だ。
俺が飲んだのにつられてか、安司と遼も一口含んでみた。
安司は飲めなくもない、という雰囲気。だが遼は無理そうだ。少し飲んだだけで顔を赤らめ始めた。
その様子に姫様はクスクス笑いながら見ていた。
ひとしきり団欒を楽しんだ後、姫様は話を戻した。
「では、忍さまたちは強盗にさらわれ、強制労働を強いられていたと。そしてその強盗の隠れ家を壊滅させて帰ってきたという訳ですか。なんと無茶なことを………」
俺達は姫様の言葉に頷いた。
俺達は少年が帰ったあと、姫様にどう説明するかを話し合った。その結果、姫様には話さないことに決まった。
どうせ信じてくれないということもあるし、話を説明する時に出てきたダンジョン内の地図を見て確信した。
「姫様、またあのダンジョンの地図を見せてもらえますか?」
俺がそう言うと、姫様は地図を差し出してくる。
やっぱりだ。
姫様が持ってきた王国公認の地図は、俺達が冒険した内容の半分も写していなかった。
姫様曰く、何度もあのダンジョンを探索したが、これ以上の道は見つからなかったという。しかも、何人かの力ある騎士団隊員がそこで行方不明になっている過去もあるらしく、探検隊も行くのに渋っていたという。
ではなぜ俺らはこの地図に載っていないところまで行けたのか?
答えは簡単だった。あそこには多分、一定の力のあるものか、何かしらの適合者しか通れないような魔法がかかっていたのだろう。本当ならば、俺らもそこにはたどり着けなかったのかもしれない。
そこで遼の出番だ。
遼のスキル、世界検索は、今まで生きてきた人間の全ての知識を引き出せる。その能力を使って取り出した今回のダンジョンの地図は、魔法を通り抜けた人の知識まで入っていたのだ。最深部まで入っていった人がいたのか、ボス部屋までは書き記されていた。しかし、ボスであるオーガの外見や知識が入っていなかったり、俺たちが閉じ込められていた地下世界の地図が一切なかったことから、多分そのボス部屋までたどり着いた隊員はオーガの顔を見る前に殺されたのだろう。あのオーガは不意打ちが好きだったし、そう見て間違いないだろう。
このことを話せば、多分王国を挙げての大捜索となるだろう。そしてそのボスを倒した俺たちは一躍英雄となるだろうが………
(((面倒クセェ………)))
俺たちの意見は一致していた。
「さぞや大変だったでしょう。ここら一体の盗賊達は大半ダンジョンに住まう野蛮で浅はかなモンスターで構成されています。ひどい扱いを受けたでしょう?」
「えっとあのそのえっと、ウンソウデスネー」
急に姫様に話を振られた安司はかなりどもりながらも答えた。
見も知らぬモンスターの盗賊達に色々とこちらの事情を擦り付けてしまったことに罪悪感を覚えたのだろう。そしてその罪を作ったのは俺なわけで………すまぬ、安司、盗賊の諸君よ………
「あなた達が無事だったとはいえ、こんな状態になってしまったのは私達の監督不行き届きです。なんとお詫びしたらいいか」
そういって姫様は改まって深々と頭を下げた。それと同時にその場にいた進化全員までもが頭を下げていった。
「い、いやいや姫様、そんなに頭を下げないで、な?」
「そうそう!俺たちは好きでいったんだし、そんなに自分を責めないで」
一国の姫の謝罪に泡を食った俺たちは慌てて頭を上げるように促す。
「いやあ、ね、俺たちも姫様たちに迷惑をかけたなあって思っていたんだ。いろいろ心配をかけさせたろう?俺たちは反省していてだな………」
俺の言葉に二人は立ち上がり、俺も続く。
「「「ごめんなさい」」」
三人そろって頭を下げた。
「そんな………頭を上げてください」
今度は姫様が慌てている。
俺たちは姿勢をそのまま、顔だけ上げて続けた。
「これ以上、姫様に迷惑はかけられない」と俺。
「ダンジョンにももう懲りた」と安司。
「ということで、俺たちを旅に出させてくれないか?」と遼。
途中まで慈愛に満ちた顔でうん、うんとうなずいていた姫様は最後の遼の言葉でへ?という顔をした。
「いや、そこはもう懲りたので城でお世話になりますというべきところなのでは………?」
姫様はそういって否定しようとした。
「姫様、俺達がダンジョンから脱出したときに、なんて思ったと思う?」
遼がポツリとしゃべりだす。普段は俺達に合わせてしゃべる以外はほとんど無口な(というか俺かうるさすぎなきらいがあるが)遼が他人に自分からしゃべることに感慨を覚えながら聞いていると、姫様からわからないという返事が返ってくる。
「美しい、だよ」
遼が答える。
「この世界はこんなに美しかったのか。ここ以外の場所にはどんな光景が広がっているのだろう。谷は?山は?海は?
そのすべてを見てみたい。その全てをこの目に焼き付けたいんだ」
遼の言葉に、姫様は黙る。
「いいんじゃないか?」
背後から声が聞こえた。
振り返ると、そこにはボンすボンとその手下、そして生徒会組が勢ぞろいしていた。
「帰ってきたのか!」
そういいながら飛び出してきたのは光希のやつだ。
光希はまっすぐ俺らの元へ駆けつけると三人まとめて思いっきり抱きついてきた。よく見ると、涙なんかも流している。あまりにも強い衝撃だったために少しよろめいていると、まあまあ、と姫様がいさめてくれた。
いや、あんたもさっきやったからね?
そう思ったが、何か言われそうなので黙っていた。
光希のやつが俺らから離れると、生徒会のやつが次々に賛辞を述べてきた。
「良かったなぁ、生きていて。俺らも必死に探したんだぜ?」
そう言って頭をグリグリしてくるやつは確か剣道部だったはずだ。背中に大剣を持っているところからすると、剣士の役職なんだろうか。
奴のことは前々から少し注目していた。これは俺達三人の共通の意見なのだが、やつは少し………俺たちと同じ、オタクの匂いがするのだ。
奴が剣道部に入っていたのも、中二病だった頃に剣を持つことに憧れを持っていたのではないかと俺は睨んでいる。
「………本当に………良かったです………」
そう涙ながらに話していたのは多分サッカー部のマネージャーだったと思う。黒髪ロングで少しおっとりした性格、女性らしい曲線美を描いたスタイルから、元々俺らのいた世界ではかなりの人気があったらしい。
そういやぁ男共が『彼女に手当してもらったぁぁぁあああ!!!』『うるせぇ!あのお方はお前の彼女じゃねぇしそんなのみんなしてもらったわ!』『ふっふっふ。それがだな………』『なんだ?!抜け駆けか?!者ども!であえであえ!』『『極刑ぃぃぃぃぃ!!!』』『いやぁぁぁあああ!!!』などど騒いでいたような気がする(そのあとどうなったかは知らん)。
「アハハ、生きていたのならいいじゃん。カオルは泣きすぎ」
そう言いながらも目元を拭っているのは体術部だった。スラッと細めのスポーティな体つき、男子にも積極的に話しかける元気な性格、リーダーとしてみんなを引っ張っていく指導者としての気質は、男女問わず(というかその多くが女子)の好感度は高い。
しかし俺は彼女にはあまりお近づきになりたくない。
何故なら俺達が元の世界にいた頃、五人ばかりの男どもが彼女の周りでぶっ倒れているのを見かけたからだ。
しかもその男どもは全員体術部のエース。あとから聞いた話によると、その男どもが彼女の身体的特徴………えっとその………貧ny「なんか言った?」NO!マイマム!………き、胸部装甲が薄いことを馬鹿にしていたらしい。
その日から俺はこの女には逆らわないことにしているのだ。
俺が不審なことを考えていたことを察したのか、彼女は訝しげな顔をしていたが、俺は顔をそらし続けた。
生徒会の奴らは全員で四人。彼らは俺らに対して今までと変わらないような態度で接していながら、帰ってきたことへの喜びの言葉を語ってくれた。
そんな生徒会メンバーに謝辞の言葉として一言。
「で、あんたらの名前ってなんだっけ?」
「「「ハァッ?!」」」
俺の言葉に生徒会三人は絶句する。
「え、マジで知らないの?」
「生徒会のメンバーも知らないとかあんたバカ?」
「じ、冗談ですよ………ね?」
俺が頭を横に降ると、三人は呆然としていた。
「まぁまぁ。今まで一年以上の長旅で疲れているのさ。混乱していても無理はないさ」
そこを光希が取り持ってくれる。
「俺は光希。天野光希だ。そこにいる剣を持っているのは勝間将市。剣士だ。力もすごいぞ。そしてその隣にいるのは柊鈴。近接格闘が接近戦が得意で、主に武闘家としての役職をもらっていたな。踊りのセンスもあって、時々踊り子としても活躍してるんだ。
そして最後は優谷薫だ。弓兵としてのセンスはピカイチだとたくさんの先生方に褒められていたな」
「いや、カオルは分かる」
さっき鈴とか言うやつが話してたもんな。
「え〜〜〜まさかあんたカオルに気があるの〜〜〜?高望みしすぎじゃない?」
だが何を曲解したか鈴は俺をニヤニヤ顔で茶化してきた。
「こ、こらっ!人の感情にとやかく言わないの!」
そう言って顔を真っ赤にしているのは薫だ。急にそんなことを言われて恥ずかしいのか目を合うとツツ〜っと目をそらしてしまう。
うむ。変な勘違いをさせてしまったようだ。
「ま、ひとまずそのことは置いといて………さて、これが生徒会フルメンバーだ。改めてよろしく頼む」
「ああ。よろしく」
俺が一人一人の顔を見ながら(薫には目をそらされた)そう声をかけると、後ろからガチャリと音がして一人のメイドが入ってきた。
「コウキ様。準備が整いました」
「ああ、そうか。すぐ行く。
忍、安司、遼。すまないがついてきてくれないか?」
メイドの伝言に光希は答えると、俺たちにそう問いかけ、部屋を出た。
そのまま宴会場にたどり着き、大きなテーブルにそれぞれ座った。
光希は立ち上がり、
「とりあえず、忍、安司、遼。帰ってきてくれて良かった。俺達も長らく探したが、1年と六か月経った今では生存は絶望的だと思っていたの事実だ。正直、俺ももう生きてはいないだろうと思っていた。どうやって帰ってきたのか、どこにいたのかは分からないが、とりあえずはどうでもいい。後でたっぷりと聞かせてもらうからな」
ニッと笑う光希は俺達が帰ってきたことが本当に嬉しいようだ。
「それよりもまずやる事があるだろう?嬉しいこと、楽しいことがあった時には………宴会だ!」
そう言って思い切り手を振りあげると、メイドによって後ろから豪華な食べ物がジャンジャン運ばれてきた。
肉汁あふれるステーキに、ほわっと酒蒸しにされた鯛。パリッと新鮮なサラダに、温かい湯気を上げるオニオンスープ。色々な種類のあるパンに、搾りたてジュース、カラフルに彩られたケーキの数々。見るからにおいしそうな料理が次々と運ばれてくる。
「これを作っていたから遅れたんだ」
光希はギザな顔でニッと笑う。
「さあ、宴を始めよう!」
途端に俺達の腹が爆音を奏で始めた。一年以上もろくな料理もできなかった俺達には、あの食べ物は神々しくさえ見えた。
その後のことはあまり覚えていない。
ただ、ひたすらに美味しかった。光希達が苦笑していたのは見えていたが気にもせず、料理に目を走らせていた。俺達は飽きれるほど飲み、飽きれるほど食った。
やがて料理の大半が片付き、腹がパンパンになって一段落ついた頃に、ようやく俺らの手は動きを止めた。
激戦のような食事が終わり、ゆったりした時間がすぎる中、ゆっくりとした声でボンボンが話し始めた。
と言うか居たんだボンボン。さっきの部屋で一番最初に喋っていたはずなのに(確かいいんじゃないか?みたいな感じのこと)、空気読んで喋っていなかったのか、正直空気になっていたため、ほとんど忘れかけてたよ。
「お前ら、城を出るんだって?」
その話に、ピクッと反応したのは光希達だ。
「本当なのか?今まであんな苦労をしていたのにどうして?」
「そうよ、私たちにさんざん迷惑かけたのにまた出ていくの?ずいぶん身勝手ね」
「もしかして、そのことでこれ以上迷惑をかけたくない………ということですか?そんな心配はしなくていいんですよ?」
ショウイチ、リン、カオルは口々にそう言って引き止めてくれたが、俺たちは一言も喋りはしなかった。
「ハッハッハ、イイじゃねぇか、こんなお荷物がいなくなるのは」
そこへコップの中身を飲み干したボンボンが顔を上げしゃべり出す。
ボンボンはさっきから全く食事に手を付けていなかったようだ。まるで忌み嫌うように、水しか飲まない。
「これ以上迷惑はかからない。自分から出ていくというのだからあとは自業自得だろ?」
カオルが何か言いたそうな顔をしていたが、ボンボンは目線で黙らせる。
「今まで多大なる時間を浪費させたのはどいつだ?そんな奴らがまた自分勝手に外に出る?ふざけんじゃねェ。またお荷物になるつもりか?残念ながら俺達はお前らみたいに暇じゃないんでね。
第一、俺らにはやるべき使命があるんだろう?
俺らがこうやってパーティーをしている間に人々は苦しんでいるんだぞ?そんな中でそんなに美味しそうにご馳走を食べるなんて、とんだ性悪共だな。俺はとても心苦しくて、何の料理にも手をつけられない」
生徒会メンバーはグッと黙り込む。ボンボンの言葉は的確で、容赦がない。
「俺としては」
ボンボンは俺達を順に睨みつけて言った。
「これ以上好き勝手して俺達の行動に支障をきたすことがあるのなら、こいつらを地下に監禁するか、俺達の手の届かない場所に追放するべきだとおもう」
生徒会メンバーも何か言いたそうにしていたが、声に出さない。突然突きつけられた問題に戸惑っているようだ。
「自分から居なくなるのだろう?ならばさっさと出て行け。二度と顔を見せるな」
そう言ってくるりと背を向けると、ボンボンは部屋から出ていった。その後を完全に空気となっていたボンボンの手下たちが追いかけていく。
残された者達は異様な静寂に包まれた。
「ま、まあ、気にすんな!あいつも悪気があっていったわけじゃないんだ!」
将市が取りなす声に、生徒会メンバーも賛同する。
そんな中、光希が来てからとんと喋らなかった姫様がポツリと問いかけてきた。
「忍様たちはどうするおつもりですか?」
「………答えは決まっている」
遼が答える。
「俺達は特別な力がない。最弱と言われたダンジョンに入ってさえ一年以上も行方不明になっていた程だ。そしてそれと同時に使命もない。力のあるお前達は魔王を倒すという他に代わりのいない役目があるが、俺らは違う。
だが俺らにも夢がある。この世界を旅するという夢だ。この夢を叶えるために外に出たいが、なにせしょっぱなから行方不明になったものでな。信用もないだろう。だからこそ、もう周りに迷惑をかけないために俺達はこの城を出ようと決めたんだ」
遼は一つ息を吐き、改めて決意するように言い放った。
「俺達は、この城を出ていく」
遼のはっきりとした言葉にグウの音も出なかったのか、生徒会のメンバーは黙ったままだ。
その時俺らは感動していた。
素晴らしい口上にもそうだが、それよりも俺らが感動していたのは………
遼が………遼がこんなに長く喋っている………!
普段から無口というわけではないが、無愛想という感じだった。俺らが3人の時だけしかしゃべらないのに、ここまで喋るのは見たことがない。
口上にも色々と姫様たちが断りにくいような配慮がされていて、素晴らしい限りだ。
たとえ、『全く心にも思ってもいないこと』だとしても………な。
生徒会のメンバーは俺たちの意志の固さを察したのか、協力する旨を伝えてきた。
いつでも帰ってきていいんだからね、無茶するなよ、いつでも待ってるからねと三者三様の優しい言葉を投げかけてくれた。
その間も姫様はずっと無言のまま、下を向いて何かを考えていた。
やがてふう、とため息をついて俺達の方を向くと、とつとつと喋り出した。
「………本当は………ずっと城の中にいて欲しいのですけどね。城外は危険です。ならず者達がいるし、何よりあのおぞましいまでの凶悪なモンスター共が我が物顔で闊歩している。その危険性はあなた達が一番分かっているでしょう?
城外はこの国の権威が効きづらくなります。あなた達が危険な目にあった時に私達は何もすることができません。
ここは確実に安全だし、仕事もあります。娯楽だって沢山あるでしょう。でも、それは嫌なんですね?」
俺達は頷く。
「………分かりました。場外に出ることを認めましょう」
俺達はグッとガッツポーズをとる。
「しかし、条件があります」
姫様が俺達を真っ直ぐ見つめる。
今まで真摯な表情だった金髪碧眼で整った容姿の姫様が、少し拗ねたような、――――見方によっては泣きだしそうな表情で――――
「たまには帰ってきてくれないと、嫌ですよ?」
なんて言われたら、惚れてしまわずにはいられないだろう。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
そこから数日、日にちはあっという間に過ぎて行った。俺達は様々な場所で帰ってきた報告と一年以上探してくれたお礼と謝罪を繰り返した。俺達の捜索隊は本当にいろんな方が出ていたようで、恐縮の限りだった。
特にカール団長とサンソン副団長は涙を滲ませながら俺達の帰還を歓迎してくれた。
「ぶぉばぶぇばびぶぉぶばぶぇっぶぇぼべばばぁ〜〜!」
うん、何言ってるのかわからない。多分、『お前達よく帰ってこれたな』かな?
サンソン副団長は感極まって俺に抱きついてくる。
「いやいや、とりあえず良かった」
カール団長はあくまでもクールに遼たちと握手を交わしている。
その瞬間世界がぐるりと反転する
「あん?」
「ぶぉばべばごのやろ〜(お前らコノヤロー)」
「ウボァ!?」
突然の衝撃に目を白黒させる。
サンソン副団長は抱きついたままジャーマン・スープレックスを仕掛けきたのだ。
いくら油断していたとはいえ、全く気づかないうちに大技仕掛けてくるとは………この人、俺の想像以上に強い?!
「それはそうとして………」
視界の外ではカール団長が握手している遼の腕を万力のような力で占めあげていた。
「城から出て行くそうですね?」
遼は冷や汗をダラダラと流していた。
「長い間行方不明になっていたのにもう居なくなるのですか。城の外は危険だと一番わかっているのはあなた達だと思うのですが。あ、あなた達私が一年前に渡した装備持っていますか?ん?今ここにある?それは良かった。そうそう、あなた達のせいで私や副団長まで怒られたのですよ本当にあの実力でダンジョンに行っても良かったのだろうかといろいろ言われました姫様なんて日に日に憔悴していったんですからねあの方には感謝しなさい他にも………」
カール団長の口からはとめどなくお説教が飛び出してくる。そして段々と熱が入っているのか握手している手に徐々に力が込められていくようだ。遼の手からは最早メキメキと音がしだし、額からは脂汗が吹き出している。
そして横で握手しなくてよかったとほっとしている安司に向かってカール団長はニッコリと告げた。
「出立まで時間が無いのでしょう?さあ、装備を固めて」
カール団長の額に青筋が立っていた。
「さっさと殺りますよ?私が考案した地獄の特訓を受けないと城外には出しませんからね?」
やりますよが殺りますよにしか聞こえないような笑顔で言い切った。今のカール団長はいつもの物腰の柔らかい優しさは微塵もなく、歴戦の戦士ですらちびって逃げ出してしまいそうな修羅の顔だった。
ジャーマン・スープレックスを受けたままの間抜けな状態で俺達はがくがく震えていた。何故か特訓を受けさせる側であるはずのサンソン副団長までガタガタ膝を震わせながらヤベェ………ヤベェよ団長マジギレしてんじゃんと怯えている状況で、カール団長はゆっくりと遼の手を離し、ニッゴォ!と顔を歪ませながら言った。
「さあ、かかって来ないとこっちから行きますよ?」
そこからの数時間は凄惨の一言に尽きた。
姫様に事情を隠したため、俺達のスキルを使えないという十全の状態ではなかったが、それでも団長達は凄まじく強かった。繰り出す攻撃はことごとく打ち払われ、返される拳(そう、武器ではなく拳)は回避不可能の即死級だった。
もちろんサンソン副団長もハンパじゃない強さで、踊っているようにしか見えないのに、俺達は一度も有効打を打ち出すことが出来なかった。
血反吐を吐きながら立ち上がり、何度も地面に叩きつけられながらも、なんとか特訓を終わらせることが出来た。
「さあ皆さん、お疲れ様でした。この後は食事ですが………どうします?」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
「ひぃぃ………!ゆ、許してぇ!」
「………………ごフッ」
「もう悪ふざけはやめるからぁ………これ以上は死んじゃう………!」
カール団長が問いかけるが、俺達は答えることは出来ない。
小さい頃に同じような状況に陥ったのか、何故かサンソン副団長まで地面で平謝りしている中、団長はさっさと部屋へと帰っていった。
こうして俺達に盛大なトラウマを作り上げたカール団長に、城外へ出る許可をもらえた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
カール団長のシゴキの後、準備はスムーズに執り行われた。外に出るための道具の準備や城にあった行方不明になる前の俺達の居住スペースの引き払いなど、すべきことをしていった。
そして出立当日。この日がやってきた。
城の門の前に集まっているのは、俺、安司、遼、姫様、生徒会メンバーとカール団長、サンソン副団長だ。なんやかんや言いながらボンボンとその手下達もちゃっかりといたりする。
「寂しくなりますね」
優しく微笑みながらカール団長が俺達と握手する。
「いつでも戻ってこい!」
サンソン副団長はバンバンと俺達の方を叩きながら豪快に笑っていった。
生徒会のメンバーも口々に別れの言葉を告げ、いよいよ最後に姫様の言葉を聞くだけとなった。
「私はもうここに残ってとは言いません。心残りではありますがね」
そう言うと、顔を引き締め、国の長としての役目を果たすように言った。
「最後に、貴方達のステータスを見せて下さいませんか?この世界を生きていくためには最低限必要なレベルに達しているかを見てみたいのです」
ふむ、と俺達は頷き、右手を掲げてステータスを見る。
姫様の言葉は続く。
「旅人としての平均レベルは5レベルあれば十分でしょう。スキルは多いに越したことはないですが、ダンジョンに潜らないのならばあまり関係はありません」
「ちなみに、姫様や光希達のレベルはどのくらいなんだ?」
自分のを確認しながら安司が聞くと、
「俺らは大体20レベルかなぁ。一応光希が一番高くて23レベル。姫様は………そういや聞いたことないな」
「光希が一番じゃない。俺も23レベルだ」
将市の言葉に、ボンボンが反論する。
へぇ、みんな高いんだなと俺がぼんやりというとボンボンあたりが増長してきたのでけむに撒きながら話を打ち切った。
「「「ステータスオープン」」」
俺達3人の手に現れたのは、輝きながら顕現する3枚のカードそれを俺が3枚集め、姫様に渡す。
坂本 忍 《さかもと しのぶ》
種族:人間
性別:男
職業:肉屋
年齢:18
〈レベル〉5
魔力10
攻撃25
防御8
俊敏38
【固有スキル】
言語理解
アイテムボックス
【スキル】
解体作業 Lv.3
レアドロップアイテムが手に入りやすくなる。
最も効率よく解体できる線が感覚でわかるようになる。
外部伝達 Lv.3
赤の他人との会話なら話が止まることはなくなる。
関係が近くなれば近くなるほど相手に不快感を与える。
それを見た姫様は、
「5レベルですか………分かりました。安全を考えるともっとあって欲しかったのですが、しょうがありません」
そう言ってカードをしまった。
「では、私から出来ることは以上です。あなた達の幸運を祈ります」
そう言って姫様はニッコリと笑った。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
城を出発してから数時間。俺達は草原地帯を歩いていた。
「………そろそろいいか?」
「………いいんじゃね?」
ぶはぁ、と息を吐く。
「よし………城脱出成功!」
おお〜!と歓声が上がる。
「ああ、狭っ苦しかった、能力隠すの大変だった、嘘つくの嫌だった………!」
「貴族のヤツらまじうざかった!俺達を探し続けていたとかほざいて恩を売りつけて来やがって!お前らに興味も感謝の気持ちも無いっつーの!」
「それにしても………ぷぷ、遼の演説は面白かったなぁ」
安司、遼、俺はそれぞれ一斉に口を開いた。
俺の言葉にああ、あれなぁ………とほかの2人もニヤニヤしている。
姫様に迷惑がかかるから、と言うのが城を出たと言うのは本心ではない(感じていないわけではないが)。
本心は………
「働きたくないでござる!働きたくないでござる!」
「この城の外に獣耳っ娘モンスター娘女エルフなんかがいるであろうに城の中で閉じこもってられるか!」
「1年間人付き合い皆無だったのに今更貴族のような面倒臭い人間関係の中に入ってられるか!」
俺らはそれぞれの意見を怒鳴り散らす。つまり
「「「異世界に来てまで面倒臭い人間社会の中にヒキコモっていられるかぁぁぁ!!!」」」
笹食ってる場合じゃねぇ!!と言わんばかりの気概に、だよなー!と俺らはハイタッチをする。うむ、やはり俺達の考えは一緒のようだ。
「それにしても大したもんだったなぁ」
「何のこと?」
「ステータスのヤツ」
「ああこれ?」
そう言ってシュッと取り出したのはステータスの書かれたカードだった。
そこには姫様に渡したカードとは違うものがあった。
「まさかステータスカードを大量にストックしてるとは思わないよなぁ………」
俺はカードをピラピラさせながらいう。
ステータスカードは『現状における対象者のステータスを文字に置き換え、表示する』と言うものだった。簡単に言うとケータイのスクショに近い。顕現された時より後にレベルアップしたとしても、そのカードが更新されるわけではないのだ。つまり、ステータスカードを事前に大量に顕現させ、ストックしておけばレベルやスキルの偽装も可能になる。
俺の手にあるのは姫様の目の前で顕現させたカード。
姫様に渡したのはまだ初めてのダンジョンに入る前に顕現させたカードだった。
あの頃は修行中でスキルもついていなく、能力としても平凡だった。そのカードを渡してまんまと姫様を騙したのだ。
「あんな簡単な引っ掛けに気づかないなんて思わなかったけど、まぁ結果オーライってところかな?」
「でもさあ、最近ステータスバグってね?」
「知らんなぁ。俺たちが異世界人だからじゃない?」
「ほー。そんなもんか」
そう言って急に話題を変えた。
「ところでこれからどうすんの?」
「とりあえず近くの街に行って宿探すか。幸い安司の能力でアイテム大量に持てるし、ダンジョンで手に入れたアイテムちまちま売りながら気軽に旅しようや」
「つまり、予定は未定ということか」
遼の皮肉にも気にかけず、ゆっくりと並んで歩く。
「ま、のんびりと行きましょうや」
「それにしても驚いたよなぁ。あいつらのレベル」
しばらく歩いた後、安司が唐突に話をし始めた。
「ああ、あんなレベルなのか、生徒会の連中」
自分のステータスを見ながら、その違いに驚く。
スキルの量、質ともに比べるまでもないほどの違いが出ており、もし対決すれば十秒と持たないだろう。そう確信できるものが、数字として現れていた。
「予想外だよねー」
俺、遼、安司は口を揃えていう。
「俺達よりも四十レベル以上低いって、どういうことなの?」
坂本 忍 《さかもと しのぶ》
種族:人間
性別:男
職業:肉屋
年齢:19
〈レベル〉68
魔力???
攻撃???
防御???
俊敏???
【固有スキル】
言語理解
アイテムボックス
異常無効
………その他
【スキル】
??? Lv.?
??? Lv.?
??? Lv.?
??? Lv.?
………その他
………お久しぶりにございます。タバサにございます。
いやね?「またかよ」とか「どんどん遅くなってんな」などと言われるのは分っています。
ですが柑珠伝が難しすぎtどうもすいませんでしたっっっ!
と、いつものかましてました。どうも。タバサです。
今日は東方二十周年ですね!大好きなのでかなりうれしいです!(東方嫌いの人はごめんなさい)
今回は(も)書いている期間が長すぎてなんかグダグダとしていますがどうかご容赦を。
さて、今回で第一部完です!
第一部はみんなの紹介というわけで、紹介も終わりましたので締めないといけないなあという意味も込めてこの回です。
一応締めていはいますが、別に休止というわけではありませんので。
実はこの話、主要キャラが半分も出てないんです。
果たして誰?という人は次回からの第二部を楽しみにしていてくださいね。
ということで今回は終わらせていただきます。
次回は心機一転!色々試してみながらやるので早いと思います。
今後ともよろしくお願いします。