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17の4

男達に連れられて、大きな屋敷に来ている。

僕の手は後ろで縛られていて、

抵抗できないようにされている。


屋敷の中を男達に連れられて歩き。

大きな部屋の中に通された。

中にはお婆さんが真ん中に座っている。


「連れてきました」

「ご苦労」

「おらっ!座れっ!」


後ろから突き飛ばされ、畳に転がった。

何とか体勢を整えて、座る。

隣には柚葉さんも座っていた。


「娘よ。よくぞ戻った」

「戻ったわけじゃないわ。無理矢理連れてこられたの」

「よいよい。戻りたくて仕方なかったろう」


どうやら話が通じない人のようだ…


「…申し訳ありません。これは誘拐になると思うのですが、どうお考えですか?」

「お前は黙れっ!」


そう言って、後ろにいた大きな男が僕を殴る。


「よいよい。これは誘拐じゃないぞ。家に帰らない娘を連れて帰っただけじゃ」

「私はババアの娘じゃないわ」

「貴様!オババ様に向かってっ!口を慎めっ!」


大きな男が柚葉さんにそう言った。


「よいよい。彼女も私の娘のようなものよ。聡太もそう怒るでない」

「しかしっ!」

「聡太…」

「はっ!」

「それで、娘よ。よくぞ戻った。主様もお勤めを果たすことを喜んでおられるぞ」

「私は戻ったわけじゃないの。ババアは耳も悪いのかしら?」

「…柚葉さん。ババアは失礼ではないですか?オババ・サマーさんと言うお名前があるのですから…」

「あら?そうかしら?じゃあ、言い直すわ。私は戻ったわけじゃないの。オババ・サマーは耳も悪いのかしら?」

「き、貴様らっ!オババ様を愚弄するかっ!」

「聡太っ!」


オババ・サマーが聡太を叱り、ぐぬぬと言いながらも静かになった。オババ・サマーは笑いながら話しかけてきた。


「坊主もなかなか面白いのぉ。素質もあるようだ…どうじゃ?榊原家に入らぬか?」

「…お断りします」

「そうかえ…。残念じゃのぉ」

「…先程の質問ですが、柚葉さんはもう榊原家の人間ではありませんので、誘拐になると思うのですが…。僕も榊原家とは無縁の人間です。二人を誘拐したことについて、どうお考えですか?」

「そうかそうか。困ったのぉ…。娘は家の人間じゃが、坊主は違うからのぉ。バレないように殺してしまおうか?」

「オババ様がそうおっしゃるなら私が…」


聡太がそう言うと待てとオババ・サマーは言った。


「娘はどう思うかのぉ?」

「鈴を…殺さないで…」

「そうじゃな…娘がお勤めを果たすなら考えようかのぉ…」

「…僕を殺すのですか?」

「娘がお勤めを果たさぬならそうなるのぉ」

「…そうですか。でしたら、僕を殺して柚葉さんから手を引いてください」

「鈴っ!何言ってるのっ?」

「…柚葉さんの願いは榊原家に戻らないことですよね?僕が殺されてその願いが叶うのなら構いませんが?」

「ホッホッホ!坊主は本当に面白いのぉ!肝が据わっておる」

「人はいつしか死ぬものです。それが今日に早まっただけの話ですよね?それで、どうされますか?僕を殺して、柚葉さんから手を引いてくれますか?」

「坊主を殺して、娘にお勤めを果たさせるかもしれぬぞ?」

「それは困りましたね。僕の殺され損じゃないですか?」


オババ・サマーはホッホッホと大きな声で笑っている。


「私は…お勤めを果たすわ…」

「柚葉さん…」

「だから、鈴は解放して…」

「娘がそう言うならそうしようかのぉ」

「それで…いいんですか?」

「鈴…ごめんね。巻き込んじゃって…最初からこうしておけばよかったのよね…ごめん…」


柚葉さんは悲しそうな顔で謝った。


「どうじゃ?坊主も家の人間にならんか?」

「…お断りします」

「そうか…。残念じゃ…。聡太っ!」

「はっ!」


僕は聡太に引きづられながら部屋を出た。


「お前はオババ様に失礼な言葉をっ!」


周りに男達もいたようだ。

聡太率いる男達にボコボコに殴られ、車に入れられた。

痛みで意識が朦朧としながらも柚葉さんの事を考えていた。大丈夫だろうか?僕のせいでこうなったのだろうか?


「降りろっ!」


そう言って、僕はゴミ捨て場に投げ捨てられた。

車が走り去っていく音が聞こえた。

このままどうすることもできないんだろうか…

意識を失う寸前に、キシシ…と笑う声が聞こえた。


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