友よ
友よ
これは僕の友達から聞いた話。友達がまだ小学校3年生の時、隣の家に高校生のお兄さんがいた。その家は一人っ子でそのお兄さんは親に可愛がられていたらしくゲームやその当時珍しいパソコンも持っていたそうだ。
友達の家も一人っ子でよく隣のお兄さんの家に遊びに行ってゲームやおもちゃで遊ばせてもらっていたらしい。
そんな時あの事件がおきた。
友達がいつものように家に帰ると隣の家に人が大勢集まっていて何やら叫んでいた。
やめろ‼とか、はやまるなとかいろいろ
皆、二階のベランダに叫んでいるらしくそこに目をやると隣のお兄さんがまさに首を吊る瞬間だったらしく言葉では言い表せない凄い形相と悲鳴で地獄だったらしい。
体当たりで玄関を破ろうとする男の人や物でガラスを割る人もいてとにかく凄い騒ぎだったそうだ。
原因は受験失敗とよくある理由だった。
結局そのお兄さんは亡くなってしまったんだけどそれから一週間後に突然隣の家のお母さんが訪ねて来て友達のお母さんに挨拶をしに来た。
大きな箱を持って!
何でもお兄さんの遺書が見つかって部屋にあるおもちゃなどを友達にあげて欲しいと書いてあったらしく遺品を渡すのは失礼で不謹慎だと思いながらも息子の最期の頼みと渡しに来たらしい。
勿論友達のお母さんは断ったがその場に居合わせた友達は幼い子供なので気味悪がる事無くお母さんに頼み込んで受け取ったらしい。
友達いわく、その時はおもちゃやゲームが欲しくてたまらなかったかららしい。
それから友達はそのおもちゃやゲームで遊ぶようになり学校から帰ると自分の部屋に直行するぐらい気に入っていたそう。
そんなおり、友達のお母さんが急に真っ青な顔をして部屋に駆け込んできた。
友○!それを早く返すのよ‼
↑
友達の名前
そう言うとお母さんは友達からおもちゃを取り上げた。当然お気に入りのおもちゃを返したくない友達は抵抗して泣いたらしい。
するとお母さんはこれは呪われているのよ‼
そう言うとおもちゃを解体し始めた。すると中から髪の毛やおみくじのような紙が出てきたらしい。その紙には死ねとか地獄に落ちろとかゾッとするようなことが書かれていたそうだ。
それを見た友達も納得して返すことを承諾した。
後日、友達がお母さんにどうして髪の毛や紙の事を知っているのかと訪ねるとお母さんは深呼吸して話始めた。
あの日の夕方隣のお母さんがひきつった顔で駆け込んできてもうひとつ遺書が見つかったといってきた。それは偶然亡くなったお兄さんの部屋を掃除したあと、ふとパソコンを見てみるとその遺書があったらしい。そのパソコンには憎き友よと言う題で始まり自殺の理由、そして受験に失敗した理由が書かれていた。
その受験に失敗した理由と言うのがいつも友達が遊びに来ていて勉強が手につかなくなったかららしい。そしてあげるおもちゃやゲームに呪うための言葉や自分の髪の毛などを入れていると言うことが書かれていた。
それを聞いた友達のお母さんはあわてて友達の部屋に駆け込んだそう。
それを聞いた友達は人から物を貰わなくなったそうだ。




