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第一話 「それはまるで陰キャラ系ラノベラブコメ主人公VS陽キャラ系少女漫画主人公の如く」その三

五月十九日


 久しぶりに大好物のハンバーグ半額弁当を買えてルンルンしていると、職員室前の中間テスト順位表を前に硬直している委員長。


「お、大分躍進したなぁ。我ながら頑張った」

「ええ? 嘘でしょ……」

「委員長悪いね」


 勝ち誇る俺。

 成績順位が結構上がった。自慢じゃないが、俺は勉強をやらないだけで嫌いじゃない。

 委員長とサシで成績勝負したら逆立ちしても勝てないが、そこら辺の底辺相手なら本気を出せばそれなりの成果は出るのさ。


「くっ! どんなトリック使ったのよ⁉」

「委員長、キスは無しにしてやる。その代わり、これで懲りたら俺に話しかけるな」

「ふざけないでよね。約束は守るわ」

「え?」

「私は一度交わした取り決めを反故にしない。ただし次の期末試験までよ。そこで成績順位が落ちたら今度こそ私に服従してもらう」

「まじか……」

「明日から始める」

「いいや……今日、この場で初めてを貰おうか」


 これでどうだ。やめるのなら今のうちだぞ。


「このケダモノ! こんなとこで接吻させる気⁉」 

「なんとでもいえ。契約は成立しているんだ。なら早いほうがいいだろ? それとも学級委員長様はいたいけな少年がキスしてもらうことを拠り所として戦い抜いたのにお預け食らわすのか?」

「わかったわよ! キスするわよ……ゴニョゴニョ」

「ちなみに体ならどこでもいいぞ。ファーストキスこんなところで散らしたくないからな」

「なーー! 大馬鹿! それを先に言いなさいよ!」


 こんなくだらない余興は即座に撤回するよう心を折りにいくも、プライドが高い委員長は震えながら俺の小指へそそくさとしてダッシュで立ち去った。

 初めて味わう柔らかい唇の感触。このバカっタレ。というか廊下なので見つからないか背徳感まである。


 かくして意地の張り合いから生まれた罰ゲームが始まった。


 それはまるで陰キャラ系ラノベラブコメ主人公VS陽キャラ系少女漫画主人公の如く相容れない話。


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