アナフィラキシーショックと退院
中間圏が俺たちに向かって咆哮していた。周囲の『針』の崩壊は、銀色の吹雪のように見えた。無菌のプログラミングから解放された何百万トンもの液体金属と不活性なシリコンが、コンタージェンのクレーターに向かって真っ逆さまに落ちていく。
俺は人間の腕でルナを胸に強く抱きしめ、彼女ははためく俺の白衣に顔を埋めていた。数メートル離れた平行な自由落下の中で、ヴァレリアがグリッスルのベストにしがみついている。高高度の凍てつく風が肌を切り裂き、息を奪う。終端速度に達していた。黒いガラスの地面が、時速200キロで迫ってくる。
「アーサー!」乱気流に引き裂かれ、歪んだヴァレリアの声が届いた。彼女は震える手で、小さな金属のディスク——エーテルの緊急パラシュート——を握りしめている。「もっと摩擦が必要だよ! 今このディスクを開いたら、Gフォースでウチらの背骨が折れちまう!」
彼女の言う通りだった。その装置は、ショックアブソーバーと骨のシャーシを持つ10トンのトラックを減速させるために設計されたものだ。俺たちはただの肉塊にすぎない。
サイバネティックな左目が高度を計算した。3000メートル。2000メートル。
「集まれ!」黒水晶の腕を伸ばしながら俺は叫んだ。
グリッスルがその巨大な腕力を使って空気抵抗に逆らって漕ぎ、ヴァレリアを俺たちの方へ引っ張った。俺たちは空中で円陣を組み、絶望的な抱擁の中でお互いにしがみついた。
左腕の最後のマナの蓄えをチャネリングしたが、『バベルのコード』は使わなかった。冷気を使ったのだ。義手を俺たちの陣形の中心に近づけ、俺たちの真下に逆円錐の形をした黒い氷の空気力学的シールドを作り出した。氷が衝突から俺たちを救ってくれるわけではないが、空気抵抗を切り裂くことで、中心に低圧のポケットを作り出した。抗力表面積の増加により、落下速度がわずかに落ち始めた。
「高度:500メートル!」大気摩擦で氷が軋み、溶けていく中で俺は警告した。「ヴァレリア! 除細動器を起動しろ!」
エンジニアが金属ディスクの中央ボタンを押し込み、俺の氷のシールドが粉々に砕け散ったまさにその瞬間、俺たちの真下の空中にそれを放り投げた。
ディスクが爆発したが、炎は出なかった。高密度でゼラチン状の純粋なエーテルの半透明なドームが、巨大な青いクラゲのようなパラシュートとして膨張した。魔法が空気の塊と衝突し、強烈な抵抗を生み出す。
俺たちは反発フィールドの中心へと吸い込まれた。減速は凄まじかった。圧力で肋骨がうめき声を上げ、痛ましい喘鳴とともに肺から空気が押し出されるのを感じた。その衝撃で肩が外れそうになったが、ルナを放しはしなかった。
1秒後、エーテルのフィールドがコンタージェンのガラス化したクレーターの六角形の床に激突した。
衝撃は柔らかいものではなかった。残留運動エネルギーが魔法を押し潰した。エーテルは青い雷のような音とともに弾け、致命的な力の90パーセントを吸収した。残りの10パーセントが、俺たちを空中に投げ出した。
俺はエンパスを抱きしめたまま、自分の体で彼女の頭を守り、黒いガラスの上を激しく転がった。滑りやすい床の無菌状態により、俺たちは何十メートルも滑り続け、やがて銀色の灰の優しい雨の下、息を切らし、打撲傷を負いながらも停止した。
手術室に静寂が降りた。風の咆哮は止み、俺たち自身の嗄れた呼吸音に取って代わられた。
俺は仰向けのまま、上を見上げた。
空は人工的な青色ではなかった。「クリーンルーム」は崩壊したのだ。蒸気と煙の自然な雲に部分的に覆われた、普通でカオス的な夜の星々が、俺たちの上で輝いていた。軌道転移は治療されたのだ。
咳き込むと、口の中の鉄と血の味が、自分がまだ生きていることを確認させてくれた。ゆっくりと身を起こし、自身のダメージを頭の中でトリアージする。多発性の擦過傷、肋骨に3箇所のヒビ、重度のマナ枯渇。生き延びられる(サバイバブル)レベルだ。
「チーム……状況報告を」かすれた声で呟いた。
ルナが俺の腕の中で動いた。彼女は疲れ果てた目を開けた。音波戦のせいで、鼻にはまだ乾いた血がついている。
「音楽が戻ってきたわ、アーサー」彼女は微かに微笑みながら囁いた。「世界がまた調子外れ(ディスチューン)になってる。美しいわ」
15メートルほど離れたところで、緑色の筋肉の山がぼやきながら起き上がった。グリッスルが立ち上がり、肩からシリコンの粉塵を払い落とす。彼女の右腕は明らかに骨折し、整形外科医が泣き出すような角度に曲がっていたが、彼女は左手を使って、湿った破裂音と無造作なうめき声とともに骨を真っ直ぐに直した。
「これより酷い二日酔いを経験したこともあるよ、先生。でも、あのクソったれにもう一度登れって言うなら、アタイは辞めさせてもらうよ」
ヴァレリアがグリッスルの近くに座り、首をマッサージしながら神経質に笑っていた。生き残ったことによるヒステリーが彼女を支配している。エンジニアのアーマーはへこみ、黒髪は崩壊した針の偽の雪に覆われていた。
「エーテル・パラシュートは、プロトタイプとしては公式に成功だね。でも次は、クッションをつけることにするよ」
立ち上がると、肝臓の寄生体が安堵の喉鳴らしをした。軌道隔離の息苦しい気配は消え去っていた。地球は再び汚れた宴となり、奴はその主賓だった。
ガラスの平原を歩く。ドレッドノート・トラックは数百メートル先に停まっていた。無傷のまま、かつては記念碑的な塔を構成していた銀色の粉塵の薄い層に覆われている。基部をうろついていたドローンや超立方体は、ただの不活性なプラスチックの塊と化していた。アルゴリズムを送信するエミッターを失い、天使たちはただの壊れた計算機に戻ったのだ。
今は地面に固まっている液体金属の破片に近づいた。タクティカルブーツでそれを踏みつけ、無機的な完璧さを粉砕する。
軌道の知能は地球を見て、病気を見た。変異、寄生体、カオス的な魔法、死んだ神々を持つ俺たちを見て、唯一の治療法は完全な殺菌だと判断したのだ。絶対的な真空だと。
奴らは進化医学の最も基本的な原則を理解していなかった。免疫システムは、強くなるために「汚れ」を必要とするということを。痛み、エラー、エントロピー……それは病気ではない。適応しようと奮闘する「命」なのだ。そして俺たちは、この惑星で最も頑固な適応だった。
「回収できるものを集めろ」ミナスジェライスの地平線を太陽が引き裂き、コンタージェンのクレーターを照らし始める中、脇腹の包帯を直しながらチームに言った。「患者は安定している。輸血はキャンセルされ、プラスチックの医者どもは病院から追い出された」
ヴァレリアはグリッスルに寄りかかり、夜明けの光に輝く銀色の廃墟を見た。「これからどうするの、アーサー? コンソーシアムも、女男爵も、天使たちもいなくなった……南米大陸はアタイらのものだよ」
俺は東を、海の向こうを見た。俺の黒水晶の腕が生まれた場所だ。魔法には起源があり、俺がウイルスとして使ったバベルのコードには創造主がいる。俺たちの裏庭は閉鎖したが、地球規模のパンデミックには「第零号患者」がいるのだ。
「次は」俺は笑った。疲れた、危険で、深く人間的な笑顔を浮かべて。「救急箱をまとめるぞ。旧世界へ往診に行く時間だ」
軌道手術は完了し、即時退院となった。




