アスファルトの無菌状態とガラスの傷跡
ドレッドノート・トラックは咆哮を上げ、追い詰められた獣のような怒りで朝の霧を引き裂いた。ヴァレリアは徹夜の作業で奇跡を起こしていた。深海用のスラスターは取り外され、沈めた企業の巡洋艦から得たチタンプレートで補強された、昔なじみの加硫ゴムの履帯に付け替えられていた。
金属、リヴァイアサンの骨、そして企業のプラズマでできた俺たちのキメラは、BR-040号線の何キロもの道のりを飲み込み、大陸の奥深くへと戻っていく。
「エアフィルターは100%稼働してるけど、毒素の数値が……おかしいよ」ヴァレリアは油まみれの指関節で計器盤のタッチスクリーンを叩きながらぼやいた。「アーサー、空気中に生物学的な灰がない。変異胞子もない。ボイラーの残留汚染すらゼロだよ」
助手席の背もたれに寄りかかり、サイバネティックな左目で外部カメラのデータを処理する。
「『秩序』の感染はすでに始まっている。エミッターの有効範囲内に入ったんだ」
肝臓の寄生体が身悶えした。恐怖からではなく、吐き気を催すような嫌悪感からだ。変異と血から生まれた頂点捕食者である俺の腸に棲む生き物は、窒息しそうになっていた。
【 無菌環境。肉の不在を確認。飢餓が否定されました。互換性なし 】
「黙ってろ」俺は自分自身の生物学に向かって呟いた。「今日は飯を食いに来たんじゃない。切断手術に来たんだ」
コンタージェンの境界に近づくにつれ、風景は異質なものへと変わっていった。第7巻で、俺たちはこの地域を、溶けたコンクリートと、『錆の女男爵』の炎の犠牲によって黒いガラスと化した昆虫の甲殻が広がる平坦な海として後にした。それは人類の生存を示す、黒く、汚れ、誇り高き傷跡だった。
だが今、その傷跡は研磨されていた。
地面はもはや不規則ではなかった。溶けたガラスの床は、分子レベルで完璧な銀色の六角形のパターンへと彫り込まれていた。死んで石化した木々は消え去り、手術室の照明のように道路の両脇に並ぶ数学的なオベリスクへと分解・再構築されていた。頭上の空には雲一つなく、不自然で無菌的な青色を誇示していた。
「大地の音が死んでるわ」ルナが後部座席で丸くなり、音波の杖を強く握りしめながら囁いた。「岩が砕ける音も、風が吹く音の反響もない。周波数が囚われているのよ。ここのすべてが、たった一つの完璧な音符で共鳴している。頭が痛くなるわ」
骨の斧の刃先を調べていたグリッスルが鼻を鳴らし、オークの鼻孔から熱い蒸気の雲を吹き出した。「奴らの音楽が退屈だって言うなら、アタイらのビートを教えてやらなきゃならないね」
トラックが最後の丘を越えた。
ガラス化したコンタージェンのクレーターが目の前に広がったが、その空っぽの広大な空間はすでに占拠されていた。
六角形の平原の中央に、『針』がそびえ立っていた。
鋼鉄の天使たちの軌道知能が建設しているエミッターは、鉄骨やセメントでできているわけではない。それは銀色の液体金属と光の固体でできた目が眩むような塔であり、毎秒ごとに身をよじりながら成層圏に向かって成長していた。
その基部の周囲では、何百もの幾何学的なドローン――浮遊し、音を立てない八面体――がクレーターのガラスの床からシリコンを抽出し、混沌の原材料を無菌状態の記念碑へと変換していた。
「奴ら、俺たちの傷跡を注射針の建築資材として使ってやがる」タクティカル白衣を整えながら俺は確認した。黒水晶の腕がチクチクと痛み出す。内部の『バベルのコード』が、目の前の巨大なデジタル・インフラを検知して目を覚ましつつあった。
「レーダーに反応!」ヴァレリアが警告した。「見つかったよ。奴らの免疫システムは、アタイらみたいな病原菌がお気に召さないらしいね」
浮遊する八面体が採掘作業を停止した。完璧なユニゾンで、何十機ものドローンが空中で回転し、その光り輝く頂点を俺たちに向けた。
鬨の声はなかった。エネルギーが集中する、甲高くクリーンな羽音だけだ。
「目視確認!」グリッスルが銃座のハッチに飛び込み、屋根に設置したプラズマ砲のコントロールを握った。「あの鏡どもを粉々に砕いてやるよ!」
光の固体の最初の斉射が、数ミリ秒で平原を横切った。ビームは弧を描くことなく、外科的な精度で直進してくる。そのうちの2発がドレッドノートの前面装甲に命中した。キチン質とブラッドスチールがシューッと音を立てて熱を放散したが、衝撃力によって俺たちの慣性の一部が相殺され、トラックがむせ返った。
ヴァレリアは、標的のロックを避けるために完璧な六角形のグリッドの上をジグザグに走らせて応戦した。グリッスルが砲門を開く。分厚い企業のプラズマ弾が、ドローンの前衛に向かって飛んでいく。
何機かは無害な合成ガラスの雨となって砕け散ったが、他のドローンは、湾で鋼鉄の天使が見せたのと同じ磁気屈折フィールドを起動し、俺たちの射撃を空へと逸らした。
「奴らの封じ込められた光には、プラズマじゃ不十分だ!」俺は耳をつんざくような戦闘の騒音とエーテル・エンジンの咆哮を越えて叫んだ。「ルナ、ガラスの結合を解け!」
エンパスが後部ハッチから立ち上がった。彼女は奴らの音を無効化しようとはしなかった。代わりに、ドローンの体を形成している精製シリカの固有振動数に特化して調整された共鳴周波数を送信した。
音波が前線を一掃する。ルナの音響魔法が触れた場所で、ドローンのハードライトのシールドが揺らいだ。船体の合成ガラスが振動し、蜘蛛の巣状の微小な亀裂が入り始めた。
奴らの完璧さこそが弱点だった。硬直した構造は曲がらない。それは砕け散るのだ。
「奴らの防御が損なわれた!」パネルの画面でテレメトリを分析し、シートベルトを外す。「ヴァレリア、減速するな。針の基部へ真っ直ぐ加速しろ! 患者に混沌を直接接種してやる!」
助手席側のドアを開け、滑らかなガラスの床の上を時速100キロ以上で疾走するトラックの金属製ステップへと身を乗り出した。無菌の風が顔を打ちつける。
ルナの音波を逃れた一機の八面体ドローンが低空飛行で降下し、俺の頭に切断レーザーを向けてきた。
俺は黒水晶の腕を突き出した。
力任せに防ごうとはしなかった。光の固体のビームを水晶に衝突させるままにした。衝撃の瞬間、義手のチャンネルを開き、『バベルのコード』を逆流させ、光を伝って光源へと送り込んだのだ。
論理的な「病気」、魔法のエントロピー・ウイルスがドローンのシステムに侵入した。八面体は空中でフリーズした。そのコアの白い光が、突如として病的で腐敗した紫色に染まる。ドローンはショートし、パネルが無秩序に展開し、ガラス化したアスファルトに激突して百万の破片となって爆発した。
「汚れたメスの方がよく切れるんだよ!」キャビンの中に向かって俺は叫んだ。
ドレッドノートは、ガラス細工の店に飛び込んだ機械仕掛けの雄牛のように、ドローンの防衛線を引き裂いた。完璧さの壁は貫かれた。
トラックは制御されたドリフトを行い、軌道の針の記念碑的な基部からわずか100メートルのところで停止した。無菌の造船所の扉は開かれていた。
俺たちは絶対的な立ち入り禁止区域にいた。軌道転移の根源だ。
タクティカル白衣の肩についたガラスの破片を払い落とし、コンタージェンの非の打ち所がない六角形の床に足を下ろした。アスファルトの無菌状態も、俺たちの血まみれの足跡を浄化するには不十分だろう。手術室への侵入は成功した。




