18.うちはヒロインが添い寝してくる薬屋ではないはず
ここより、書き方を少し変えています。
ミャンまで撫でてやった頃には、辺りは完全に暗くなっていた。
野営と言えば寝ずの番だよな!
「ロイ、寝る時間」
「テントの中に寝具がありますのでお使いください」
「ちゃんと毛布に包まるのよ」
あれ?
「あの…寝るんですか?寝ずの番は…」
「ロイ様戦えるにゃ?」
「…寝てて」
ぐはっ。
「どうせ明日も途中でフェンリルに運んでもらうことになるんだから、少しでも休んでおきなさいよ」
「寝ずの番は私たちで行いますので…」
ぐぬぬ。事実すぎる。
「さ、順番決めるわよ」
「はいにゃー」
「くじは用意しております」
ちょっとうらやましいな。
「ロイ」
あ、はい…。
「私、ロイを寝かしつける」
え?なんで?
「「「は?」」」
三人がこちらを見る。
「ロイ、そわそわして寝れなそう。よくない」
「そんなこと言って、ロイ様と添い寝したいだけじゃないかにゃあ?」
「違う」
ミャンが尻尾をフリフリしながらイレイナの周りをウロウロしている。なんだあれ。
「…リリ、もしかして夜もあんな感じなの?」
「…ええ、よくイレイナ様は『間違えて』ロイ様のベッドに潜り込むので」
「それは…ずいぶんと都合のいい間違いね」
「まぁ…はい」
ミャンの顔が獲物を狙う目になって耳までピコピコしてきた。
「あの、俺一人で寝られるので大丈夫です。確かに俺では寝ずの番出来ないようですし…大人しく休んでますね」
「むぅ」
なんでイレイナは不服そうにしているんだ!
「うーん、ロイ様、減点にゃ」
奴隷に減点される主人がいるらしい。
「あーもう、わかったわ。イレイナは一番最後ね。さ、他を決めるわよ」
「ちっ、仕方ないにゃ」
「では、ロイ様、おやすみなさいませ」
リリは一瞬だけこちらを見て、いつものように微笑んだ。
「あの…?」
「ロイ」
袖をくいっと引かれて。見上げられる。実際にやられるとやばいなそれ。
「あ、はい寝ますか」
「ぅん」
あれ、うつむいてしまった。
「きゅっ?」
「毛玉様はこちらです」
「あんたは温かいんだから抱えられてなさいよ」
「わふ!」
「フェンリルは抱えられないにゃ!」
騒がしい中、テントに入ると確かに毛布と簡易的な枕がある。
俺が横になると、当たり前のように横に入ってくるイレイナ。最近起きた時よく隣にいるので、慣れてきてしまった。
「じゃあ、おやすみ、イレイナさん」
「うん、おやすみ」
さすがに寝る時から隣に可愛い女の子がいるのは、来るものがあるな。
「…ロイ…」
「え?」
「…ん…」
イレイナがすり寄ってきた!?
「…どこにも行っちゃ…いや…」
あ…確かイレイナは召喚術師として…決して幸せな幼少期を過ごしたとは言えない。
常に不安なのかもしれない。
「んぅ…」
思わず頭を撫でてしまった。すると、さらに俺の胸元にすり寄ってくる。…ん?
「あ、気づかれたにゃ」
「いや、わ、私のせいじゃないからね!」
二人がテントの入り口をそっと開けて覗いていた。
「ミャン様、遊んでいても次の時間になれば起こしますからね?」
「わ、分かってるにゃ!」
「私も早く寝よ…はぁ…」
二人も入ってきて少し離れて毛布に包まる。
「ロイ、手が止まってる」
「起きてるじゃないの!」
「さすがにあざといにゃ!」
「み、な、さ、ま?」
リリの顔がすごいことになっている!?
「ロイ様、お休み、くださいませ」
「はい」
ゲームでも見たことない、リリの勢いに目をつぶる。
「むぅ」
不満げな声は無視することにした。
俺はメイドより弱い。
普通の薬屋だから。
主要キャラ
ロイ ー薬屋ー メイドより弱い
イレイナ ー召喚術師ー あざとい
ルミナ ー氷術師ー ツッコミたい
ミャン ー獣人奴隷ー いじりたい
リリ ーメイドー 寝ろ
イレイナの召喚獣
毛玉 リリに抱えられてる
傀儡人形クレイドール 24時間活動可能デス
氷狼フェンリル すでに寝てる




