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覇業の大地~未来転移から始まる無双戦記~  作者: 陽山純樹


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大量の魔物

 俺とティナが城門へ接近すると、門番である魔物が反応。スケルトン系の魔物であり、こちらへ体を向けると突撃してきた。

 同時に城門の裏側から魔物の遠吠えが聞こえた。どうやら侵入しようとする存在に対し迎撃する態勢に入った。けれど俺達の動きは変わらない。城門へ近づき、魔物と交戦し……俺は剣を一閃した。


 それで魔物はあっさりと両断されて消え失せる……そこで城門を越えて狼のような姿をした魔物が着地した。俺はすぐさまそちらへ足を向けさらに一閃。魔物が攻撃を開始するより先に消滅する。

 けれど後続からどんどんと魔物がやってくる……気配を探った感じだと――


「ティナ、城壁の向こう側にはどんな気配がある?」

「魔物が大量。具体的な数までは……」


 ふむ、さすがに一度に多数の敵と戦うのは面倒だな……こういう場合はティナの魔法が有効なのだが彼女は使い魔を展開している以上は俺がやるしかない。

 とはいえ、正直障害と言うには……魔物はなおも出現し続ける。城壁を飛び越えて突き進んでくる敵だが、その全てを俺は一刀の下に切り伏せる。


 最初、未来に来て交戦した魔物の大軍と状況は同じだった。けれど大きな違いとして前回は守ることが主体であったが今回は攻めることが目的。背後にティナはいるが、使い魔を生みだし維持していても自衛できる手段は持っている。気にする必要性はない。

 こちらが交戦している以上、魔王ザロウドは何かしら手を打つとは思うのだが……けれど十五分ほど経過しても延々と魔物が出続けるばかり。それらを全て倒し続け、次第に襲い掛かってくる数が減ってくる。


 これで終わりというわけではなさそうだが、まさか体力を削るとかそういう目的なのだろうか? まあその目論見は意味を成さないけど。魔物を倒し続けたが、まだまだ余裕……どころか、体力的には減っていない。精々準備運動くらいのレベルである。

 少しして魔物の出現が止まった。周囲には荒涼とした風が吹き、俺は一度周囲を見回した。


「ティナ、城の周囲から敵が出現しているとかはないのか?」

「まったくないね。周囲を固めている使い魔にも反応はなし」

「わかった。ならこのまま突き進むぞ」


 城門へ足を向ける。巨大な扉だが、俺なら容易く斬ることができる――そう思っていたら、扉が勝手に開き始めた。誘い込んでいる……というよりは、俺達に破壊されると面倒とか思ったが故の処置かもしれない。

 扉の奥には場内へ通じる扉がもう一つ。その間には真っ直ぐ石畳の道が敷かれているのだが……そこに魔物が大量にいた。


「まだまだ残っているな」


 そう呟いた矢先、魔物が一斉に襲い掛かってきた。先鋒は狼。けれど俺はそれを狼以上の瞬足で接近すると、向こうが攻撃を仕掛けてくるよりも先に剣を振った。結果、魔物はあっさりと消滅する。

 そこへ全身鎧で身を固めた魔物が近づいてくる。中身はない、リビングアーマー系の魔物だろう。それは四、五体ほど一度に俺へ向け剣を振り――こちらはそれでも容赦なく剣を振った。


 瞬間的に俺は剣に魔力をまとわせ、光によって剣のリーチを伸ばした。結果……魔物達の刃が届くよりも先に俺の剣が魔物の体を切り飛ばす。予想通り中身はなく……あっという間に消滅した。

 そこから、俺はさらに足を前に出して剣を振る。それで十体ほどまとめて魔物を斬ることに成功。面倒ではあるが、まずは魔物を片付けよう……そういう考えに至り、俺は剣を振り続ける。


 大量の魔物ではあるが、それほど強くはない……いや、魔王レゼッドが作成し暴れ回っていた魔物と比べれば強いだろうか? これが大量に襲い掛かればさすがに国もひとたまりではないだろう。ただし俺は違う……敵は威力偵察という意味合いだってあるかもしれないが、俺の戦いぶりを見ればその役目すら果たしていないだろう。さて、敵は次にどう出るか。


 やがて周辺に魔物がいなくなる。極めて短時間に城門周辺の魔物は消滅し、後は俺とティナだけが残った。


「いけそうだな。このまま中へ突入しよう。ティナ、気配は?」

「城の入口の向こうに魔物と魔族の気配がある」

「確認だが、肝心の魔王ザロウドは?」

「それらしい魔力が城の奥に」

「まあこの状況では逃げ出すことはないだろうな……進もう」


 俺は足を前に出す。すると、城門と同様勝手に城内へ繋がる扉が開いた。

 明らかに誘い込んでいる……罠かと普通なら警戒するところだが……俺達の戦いぶりを見て招き入れようという判断なのだから、何かしら考えがあるのか。


「ティナ、進むが問題はないか?」

「うん、こっちは平気」

「なら……相手がどんな行動をしてきても、即座に対応し叩き潰す」


 宣告と共に城内へ。直後、膨大な魔力を感じ取る。


「終わりだ!」


 それは魔族による魔法の一斉掃射。なるほど、魔物達はこの準備をするための時間稼ぎ……そう認識した直後、俺達へ魔法が降り注いだ。


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