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ソリタ  作者: Albert
エンレット
11/20

彼らが来る前に

「命が惜しければ、持っている金を大人しく出しな!」

一人の男が、もう一人の男の首筋にナイフを突きつけ、脅しをかけていた。

「も、もう金なんて持ってない! あんたが来る前に別の奴に奪われたんだ!」

「……そうかよ。」

「な、なあ……見逃してくれないか?」

「金がねえ奴は生きていられないのさ。だから、あんたは今ここで……」

男が言いかけたその時、彼の左胸から血が噴き出した。心臓を貫かれたらしい。二秒と経たずに、彼は地面に崩れ落ちた。

「……もう大丈夫だ。」

強盗を刺し殺した男の声が響く。

「助けてくれて、ありがとう……!」

「こいつ、結構な額を持ってるぜ! 大儲けだ!」

そう言ったのは、男の相棒だった。

ここの治安は最悪だ。街には強盗が溢れ、絶えず誰かが金を奪われている。だが、この村には特殊な職業が存在する。村の強盗を殺して住民の安全を守り、その見返りに強盗が持っていた金を「保護費」として頂戴する者たちだ。

俺の仕事はそれだ。危険な仕事のため、通常は二人以上で動く。相棒はアンドリュー(強盗の金を見て『大儲けだ』と言った男)だ。彼は黒い短髪で、小柄だが深みのある瞳をしていた。

俺:「こいつの金なら、二三日は食いつなげそうだな。」

アンドリュー:「じゃあ今日はここまでだ。続きはまた明日。」

俺:「ああ、帰ろうぜ。」

俺たちは家に向かって歩き出した。道中、笑い合いながら話をしていた。……奴が現れるまでは。

「何をするか、分かってるな?」

体格のいい男がナイフを手に立ちはだかった。一目でまともな人間ではないと分かる。

アンドリュー:「厄介なのが来たな。」

俺:「仕事の方からやってくるとはな。運がいい。」

俺たちもナイフを構え、決闘の準備を整えた。俺が正面から攻撃を仕掛け、奴の注意を完全に引きつける。その隙に、アンドリューが瞬時に背後へ回り込み、奴の心臓を刺し貫いた。

アンドリューはとにかく速い。基本的には俺が正面で戦い、アンドリューが背後から仕留めるのが俺たちの戦術だった。

アンドリュー:「こいつもいい金持ってるぜ!」

俺:「一週間は遊んで暮らせそうだな。」

俺の毎日は、そんな風に過ぎていった。この村には同じような同業者がたくさんいるが、たいていは二年以内に強盗に殺されるか、自分が強盗に成り下がる。強盗の方が効率よく稼げるからだ。俺やアンドリューのように五年以上続けているのは極めて稀だった。

俺たちが熟練のプロであることは知れ渡っており、まともな強盗は俺たちを見ると逃げ出す。突っかかってくるのは、たいてい何も知らない新人ばかりだった。

あの日、俺とアンドリューはいつものように強盗を狩りに出た。

「金を出しな!」

俺:「アンドリュー、いつもの作戦だ。」

アンドリュー:「言われなくても分かってるさ。」

俺が強盗の注意を引きつけ、アンドリューが音もなく背後へ回る。

シュッ――。強盗の首が地面に落ちた。

襲われていた男:「あ、ありがとう……助かった!」

俺:「気にするな、これが俺たちの仕事だ。」

アンドリュー:「こいつ、金が少ねえな。次を探そうぜ。」

俺とアンドリューが背を向けて歩き出した、その時。

グサッ。

刃物が肉を貫く音。俺が最も聞き慣れたその音がした。振り返ると、アンドリューの胸元が鮮血に染まっていた。

さっきの男:「ヒヒッ……! ありがとよ! 殺す隙をくれて感謝するぜ! 二人のうち、こっちの方が強かったんだろ? これであとはお前だけだ。三人の金は全部俺のもんだ!」

そう言うと、男は俺に向かって突進してきた。

この五年間、どんな敵の足音も聞き逃したことはなかった。だが今回は、アンドリューが倒れるまで、何の音も聞こえなかった。

奴は、これまで出会ったどの相手よりも強かった。

五分後。

俺は三人の金を抱えて、家に戻った。

アンドリューの方が強かったからこそ、俺は生き残ることができたのだ。

この仕事をしている以上、死の覚悟はできていた。俺もアンドリューも。だから約束していたんだ。もしどちらかが死んだら、全財産を生き残った方に託すと。そうすれば、もう一人はこんな危険な仕事を辞めて生きていけるから。

アンドリューの金を確認した。俺の分と合わせれば、老後まで暮らしていける額だった。足りなければ別の仕事をすればいい。

俺は彼の金を手に、この村を離れる決心をした。故郷へ帰ろう。アンドリューだって、逆の立場ならそうしたはずだ。俺たちはそう約束したんだから。

だが、心は少しも晴れなかった。

翌日、俺は村を去った。かつての故郷を目指して。

その帰り道、森を通りかかったとき、一人の少年が地面に横たわっているのを見つけた。眠っているようだった。彼はアンドリューと同じように小柄で、黒い短髪で、そして深みのある瞳をしていた。

俺は自分の目を疑った。すぐさま彼を揺り起こした。

俺:「おい! 大丈夫か?」

彼:「ふあぁ……あんた、誰だよ?」

あくびをしながら、彼は言った。

彼が、目を覚ました。

俺:「俺はアシュだ。あんたは?……それに、なんでこんなところで寝てるんだ?」

彼:「俺は、ソリタ。」

彼は自分の身に起きたことを、包み隠さず話してくれた。

俺は彼を保護することにした。彼に怪しまれないよう、当然、いくつもの嘘を並べて。

俺は……彼のことを、アンドリューだと思い込むことにしたんだ。

つづく。

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