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叶望神社。
春には桜が出迎え、
夏には風鈴の傘が人々を涼ませる。
秋には銀杏の葉の絨毯が敷かれ、
冬には椿の花が雪を纏って咲き誇る。
そして、四季を問わずに
白い蝶が次々と集まる不思議な場所。
叶望神社の評判は、
ここ一年でぐんと上がった。
ネットの口コミや雑誌の特集を見ると、
【余命宣告されていたのに完治した】
【脱走したペットが帰ってきた】
更には
【悪い縁が切れた途端、良縁に恵まれた】
など、願い事だけではなく
縁切りや縁結びでも以前より人気になった。
今日も白い蝶は飛び交い、
何かを思って祈る人々を見つめる。
美青「叶実ちゃん、あの人…深刻そう…」
叶実「確かに…随分と思い詰めた顔をしてるわね」
叶実は一匹の蝶を呼び寄せる。
叶実「さぁ、あの人の元へ、飛んでいきなさい。
闇吸いをして、心の声を聞きましょう」
今日も美青と叶実は、
悩める人の心の声に耳を傾ける。
ー蝶が吸い上げる、記憶を鏡に映し出してー
_完_




