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情緒不安
「はぁ、じゃあ、それはそれでいいんですけど、自分はそこを知らないんで信憑性があるかというと……」
「ええっ……これでも駄目……なのかい?」
(この人、情緒とキャラクターが連動してるのか?)
「うーん……」
「だ、駄目ですか?」
(まぁ、理由づけだしなぁ、真偽は後から確かめればいいか)
「……いいですよ、わかりました。
でも、さっきの話だと妹さんの情報のことを貴方が勝手に決めていいんですか?」
「それは説得します。
自分の命に関わることだから、納得してくれると思います」
(それは……信用するしかない、か)
「……わかりました。じゃあ、どうしましょうか。
とりあえず、はぐれたポイントに行ってみますか?」
「そうですね。そう……だね!行ってみよう、兄さん」
「あ、はい」
変な人だ、と一は感じたが、悪人のようにも見えなかった。
蘭堂に先導してもらい、森の奥へと進む。
そして、森の中の大きな広間で、蘭堂は立ち止まった。
「ここ……でした」