第22話 勇者パーティーとレベリング2
前回に引き続き、依頼ボードの前。皆でレベリング用の依頼を選んでいる。ちなみに、勇者と魔王は
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勇者は若干青ざめた顔をしている!
魔王は不満そうだ!
オカンがお菓子で魔王の機嫌をとっている!
魔王はちょっとご機嫌になった。MPが回復した!
勇者はホッとした。MPが下がった気がする・・・。
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まあ、それはどうでも良いとして。
シャロンが適当な物を見繕った結果、普通にオーク5体の討伐に行く事となった。ワイバーンの巣は当然だが却下された。
此処は王都の郊外にある、街道沿いの森である。最近オークが出るようになったので、商人や旅人の安全のためにも討伐してほしい、というのが依頼の内容であった。
「そんじゃあ行くぞ?【探索】」
アガンが探索魔法を発動する。魔法剣士なだけに補助系魔法はお手の物だ。【探索】の効果範囲は勇者パーティーの中で最も広い。
「どうです?オークは見つかりましたか?」
「そうだな・・・此処から北に300メートルくらいって所だ。」
「ねえ、オーク肉って美味しいの?」
「ああ。アルカディアに出るやつほどじゃあないが、結構高級な肉だ。」
「よし、今日のお昼は決まり。」
「食うのか・・・。」
ミストはご機嫌だ。売れば儲かるが、そのつもりは欠片も無い。
オークがいる方向がわかったので、勇者パーティーは歩を進める。と、300メートルと少し歩いた所で、アガンの言う通りにオーク5体を発見した。
「勇者様、私達が魔法で牽制しますので、その隙にとどめを刺してください。」
「よし、わかった。任せてくれ。」
こうして戦闘が開始されようとしたが、フレイアが
「それでも良いけどさ、そこのミストの戦闘が僕は見たいよ。ほら、手紙にあった戦闘方法も気になるし。」
「・・・そういえば色々とおかしな内容でしたね。」
そう、彼女はミストの戦闘スタイルを見ておきたいと考えていたのである。ミストとしても少々退屈していたので、断るような事でも無い。
「いいよ。じゃ、右の2体を頂戴、私が殺る。」
「よし、行ってこいミスト。」
そう言ってミストを送り出すアガン。邪魔にならないように、簡単な攻撃魔法で左のオーク3体を夏樹の方へとおびき寄せる。
「え!?なんでこっち!?」
「勇者様だろ?こんぐらい俺の支援だけでどうにかしてみろ!なに、危なくなったら俺も戦闘に混ざるさ。」
「えええええええ!?」
何気にスパルタだ。ちなみに娘同様に素でやっている。
「ゆ、勇者様!頑張ってください!」
「ああもう!やってやるよこんチクショォォ!!!」
美女からの応援で決意を固めた夏樹。そうこうしているうちに、ミストがオーク2体へと突っ込んでいった。
「フゴ!?」
「ブゴォォォ!」
「五月蝿い。」
メキャッ!!
「プギィッ」
・・・ドサッ
ミストの振りかぶった杖がオークの脳天を打つ。打
たれたオークはそのまま地面に倒れ伏した。
「「え!?」」
「なんで魔法じゃないのさ!?」
「そもそも何故攻撃が通るのです!?」
そう、魔法じゃない。何故かといえば、フォレストウルフの時と同様、ミストが魔法を使えばオーク2体どころか5体とも瞬殺可能だからである。それでは今回の目的は達成できない。
こうして1体が戦闘不能になった。が、
「後ろぉ!!」
隙だらけの背後からもう1体が襲いかかる!目の前の小さな頭に自慢の棍棒を振り下ろした。
バキィ!!
響いた破壊音に一瞬の笑みを浮かべるオーク。
だがしかし、すぐにその顔を恐怖に引きつらせることとなった。・・・真っ二つに折れた自身の棍棒と、無傷でこちらを見据える少女の赤い瞳を見た事によって。
「この程度?」
ドズッ
「ブゴォォ・・・」
そのまま杖の先端でオークの心臓を突く。こうして2体のオークは倒された。
「豚肉よ。安らかに眠れ。」
ついでに、夏樹は一応生きてオーク3体を討伐した。シャロンが慌てて回復魔法をかけに行ったが・・・。
勇者のレベルが上がった!




