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第23話 手料理と耐性

オーク討伐が完了し、ミスト達はこれから昼食を取るところである。食材はもちろんオーク肉だ。



昼食と聞いた途端に夏樹の目は光った。・・・料理である。美女2人と美幼女の手料理。これを食べずしてハーレム男・・・否、ハーレム希望男子は語れない。

何気に料理ができるアガンが参加しようとしたので、必死に止めた。

その代償がスパルタ訓練再来となったのであるが。



「それじゃあ頼んだよ、3人とも!」



そう言って移動し始める2人。と、その直後、アガンが夏樹に囁いた。



「なあ、勇者様。毒耐性って持ってるか?」

「毒耐性?ああ、それなら【状態異常耐性Lv1】があるけど、それがどうかしたか?」

「レベル1か・・・『まあ、死にはしねぇだろ』。」

「何か言ったか?」

「いや、何でもない。変なこと訊いて悪かったな。」

「?変な奴だな〜。ほら早く行こうぜ!コテンパンにしてやるからな!」



この時夏樹は失念していたのだ。所謂お約束というやつを・・・。





_______________





「ナマ言ってスンマセンでしたもう許してください。」

「やっぱり致命的に経験が足りねえな。レベル上げよりもアルカディアで戦闘経験積む方がいいだろうな、これは。」



当然だが、コテンパンにされたのはやはり夏樹の方であった。と、切りの良いところでシャロンが2人を呼びに来る。



「お二人とも、昼食ができましたよ。」

「待ってましたあ!!!」

「・・・ああ、そうか・・・できたのか。」



少しーーいや、かなりアガンの様子がおかしい。が、浮かれた夏樹が気づくことはなかった。



「あ、アガン!」

「来たね2人とも。」



丁度ミストとフレイアが昼食をよそっている最中だった。つい今しがたいれたらしいスープを一皿抱えたミストがアガンの下へ駆け寄る。



「ん?スープはミストがつくったのか?」

「そうだよ!」



そう言って皿を手渡すミスト。気持ち的には恋する乙女なのだろうが、絵面が手作り料理を父親に食べてもらおうとしている娘に見える。



「そうか。」



毎度のごとくミストの頭を撫でるアガン。そのまま一気にスープを飲み干した!



「・・・うん、美味かったぞ。ありがとなミスト。」

「ふふふ。」



微笑み合う様が大変微笑ましい。

後ろで夏樹が歯ぎしりしている。



「じ、じゃあ、俺も貰おうかな!」



出遅れた!とか何とか考えながら、シャロンにスープをいれて貰う夏樹。そのまま一気に飲み干した!



「・・・ドサッ」



「え!?」

「キャアア!勇者様!?」

「あー、うん、まあ、そうなるよな。」



・・・夏樹が倒れた。そう、言わずもがなアガンが「毒耐性はあるか」と訊いた理由がこれである。


ミストの料理ははっきり言ってマズイを通り越して毒にしかならない。

原材料に問題があるのならそれはそれで解決のしようがあるだろうが・・・実はミストの料理、変なものは一切入っていない。なのに毎回とんでもない物が出来上がってしまうのだ。

ちなみにアガンは、初めて食べた手料理を気合いで耐えた。



「ねえ、なんで勇者倒れてんの?」

「あー、それはな、さっきの討伐と修練の疲れがでただけだ。気にすることじゃねぇよ。」

「え、やっぱ勇者柔い。」









後日談


「あの、アガン様は状態異常耐性を持っていらしたのですか?」

「ん?ああ、持ってたってよりはな、ミストの飯食ってたら獲得したんだよ。ちなみに【猛毒耐性】と【麻痺耐性】、【気絶耐性】、【精神崩壊耐性】な。」

「ーーーーえ?」



よく食ったなおい。

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