第20話 お披露目パーティーとジンクス
無事にミスト達が勇者パーティーとの合流を果たした事により、翌日の夜は王城でのお披露目パーティーとなった。広い大広間に教会関係者や貴族、一部の有力者が揃っている。アガンや夏樹達男性陣は、所々に装飾が施されたタキシードの様なものを着せられている。他のパーティーメンバーの女性陣やエレナはというと、
シャロンはその瞳に合わせた深い蒼のマーメイドラインのドレス。
フレイアは黒のシンプルなAラインドレス。腰にリボンが付いている。
エレナは長身を活かした緑色の生地に幅の広い白いラインが胸元から縦にはしったスレンダードレス。
そしてミストはというと・・・・・ゴシックワンピがゴシックドレスになった。黒地のドレスだ。袖口と胸元にたっぷり付けられた白いフリルとレース。足元まで覆い隠すスカートにも、それはあしらわれている。頭には同じく黒地に白のレースが付いたリボン。彼女の薄い金髪と相まって、まるで人形のようである。
・・・現に今も可愛いもの好きの貴族のお姉様方が手をワキワキさせながらハァハァしている。淑女にあるまじき絵面だ。嫁にいけなくなるぞ。
隣のアガンが牽制しているので、揉みくちゃにされる様な事にはなっていない。
「なんであいつの方がモテてんだよおぉぉぉ・・・」
夏樹は、令嬢達の視線がアガンに向けられているものだと勘違いしている。ハーレムまでの道のりは長い。
長いことミスト達の元に来る者はいなかったが、ここで60代くらいの白髪の男性がアガンに近づいてきた。知り合いだったらしく、アガンから挨拶する。
「これは、おひさしぶりです。バールベルト様。」
大商人バールベルト。フレイス王国で最も大きな商会、【バールベルト商会】の会頭である。アガンは、まだ駆け出しだった頃に護衛依頼を受けた際に彼と知り合った。
「いやはや、あの時のひよっこが勇者様のお供とはなあ。世の中わからんものだ。ははははは!」
「はい、俺もまさかこんな事になるなんて思ってもみませんでしたよ。」
「それもそうだな。しかしーーー勇者パーティーに入った男は結婚できなくなると言うが・・・」
「ああ・・・」
数千年の昔から言われている、本人にとって迷惑極まりないジンクスである。しかも高確率で当たるものだからタチが悪い。が、
「問題無い。アガンは私が貰う。」
アガンの隣 (足元とも呼べる) からーーーミストから声があがった。
周囲の人だかりからキャアア!と、黄色い声があがる。
バールベルトは「ほう・・・」とか言いながら面白そうに見ている。
勇者は固まった!内心では『俺のハーレムルートを邪魔しやがってコンチクショオォォォ!!!』と叫んでいるが。
そして言われた当の本人だが・・・
「そうかそうか、ありがとなミスト。嬉しいぞ〜。」
しゃがみこんでミストの目線に合わせながら頭を撫でる。・・・完全に「おっきくなったらパパと結婚する!」と言われた父親にしか見えない。絶対に本気にしていないであろう事は確かであるから。
珍しい事にミストが不憫だ・・・。が、しかし
『油断してる内に外堀を埋めてしまう手もありか・・・?』
とか何とか考えているミストであった。




