5/6
【3】王子の日記
王都歴 2181年9月
おお……おおおお、神よ! 有り得ないことが起こった! このぼくの「僻地修行及び身柄預かり」の打診が、王と周辺に領地をもつ貴族たちに対して行われているらしい。
なぜだ! なぜだ、なぜなのだ!!
王子たるぼくが、何をしたというのだ! いや、堅物すぎる兄上に、王太子たるもの側室の5人ほど持つべきだと進言して王太子妃になりたいレディたちをあっせんしたり、王族と昵懇になりたい商人たちを兄弟たちに引き合わせたりはした。
しかし、すべてちゃんと金銭と引き換えで、れっきとした商売だし、喋ったら命はないと脅すのも忘れなかった。これらが何か、問題だったのだろうか? いや、どう考えても悪いことをしたとは思えないんだが……。いったいこのぼくが……王都からどこへ行かされるのだろう? 王都の社交界にとってぼくという逸材がいなくなるのは損害だ。そうだな、三日くらいなら行ってやってもいいかもしれないが……いや、それでも退屈なところはいやだ!




