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ファンタジー世界のトラベラー  作者: タケトシ
第一章:旅立ち
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第八話:モンスター討伐後



 三人はクスイに戻ると酒場を目指して歩く。

 日はすっかり高くなっていた。

 目的地に到着すると、また料理のいい匂いがしてくる。


 例によってカウンターの女店主に、メニイが冒険者証を提示しながら声をかける。

 「モンスター討伐依頼を達成しました」

 「ああ、戻ってきたね。順調だったかい?」

 「そうですね」


 そこでゼイルが発言する。

 「いや~、悟りを開きかけたよ」

 「悟り?」

 店主は一瞬困惑した顔をしたが、スルーして依頼達成後の手続きをする。


 「そんなことより昼食まだよね?」

 ミリィーは続ける。

 「いい匂いがするわね」

 「そうですね。ここで昼食にしましょうか?」

 メニイが返答して、報酬を受け取った後に食事をすることになった。



 三人は窓際のテーブルに移動すると、数十分ぶりに腰を下ろす。


 「へぇ~、メニュー色々あるのね?」

 ミリィーが思案しているとゼイルが助言する。

 「ここの特産品はキノコなんだってさ」

 「キノコのグラタン、おいしかったですもんね?」

 メニイがゼイルに話しかけると、ミリィーが発言する。

 「じゃあ私は、五種のキノコパスタにするわ」

 「パスタいいですね? 私もそれにしよう」

 「じゃあ俺もそれにするかな」


 見計らったようなタイミングで、店主が三人に声をかける。

 「注文は決まったかい?」

 「ああ、五種のキノコパスタ三つで」

 店主はゼイルが返答すると「あいよ!」と返事をして、店の奥に姿を消した。


 二十分後

 三人の前に、湯気の上がるキノコのパスタが盛られた皿が並んだ。

 「「「いただきます」」」

 トリスは声を揃えて言うと、各々食べ始める。


 「これは、キノコがたくさん入ってておいしいわね!」

 軽く口元を押さえながらミリィーは言う。

 その所作は彼女の美しさを引き立てているように見える。


 「ベーコンも入っていて、味的にも栄養的にもバランスが取れていますね」

 メニイもミリィーに倣って、口元を押さえながら語った。

 その所作はかわいらしい。


 「うん、グラタンも良かったけど、これもうまいね!」

 ゼイルが料理に舌鼓を打っていると、口元に手が伸びてくるのに気付く。

 「ゼイルったら、口にソースがついてるわよ」

 ミリィーはそう言って、ナプキンでふき取る。

 「ちょっとミリィー、そんなの自分で出来るよ!」

 ゼイルは少し赤面して、慌てたような反応をする。


 するとメニイは少しイラついたような様子で言った。

 「・・・私も気付いてましたよ

  でも、自分で拭いた方が良いんだろうなって思ったんです!」

 そこでミリィーはメニイに尋ねる。

 「ゼイルと付き合ってるの?」

 「ちっ、違います!」

 メニイも赤面してしまった。


 「それにしてもスプーンとフォークの使い方が上手いのね」

 メニイを見ていたミリィーが褒める。

 「確かに。なんというか、使い方が優雅だよね?

  さすがハイフィールド学院卒。お嬢様って感じだ」


 ゼイルが発言すると、ミリィーも興味を持ったようだ。

 「メニイはハイフィールド学院卒なのね。確かにピッタリね

  ちなみに私はアインフォーヌ学院卒よ         」

 「アインフォーヌって言ったらシーフ育成ではトップクラスの学校じゃないか!

  ミリィー凄いね!                          」

 「確かに、罠解除も鮮やかにこなしていましたしね」

 ゼイルとメニイが声を上げる。


 「因みにゼイルさんも凄いんですよ

  コードン学院でアルバルト流剣術の修業をしていたんです」

 メニイは続けて、自分のことのようにミリィーに自慢する。


 「アルバルト流って言うと今最強って言われてる剣術よね?

  アルバルト流剣術者に、ハイフィールド学院卒の術者

  私の目に狂いはなかったわね             」

 ミリィーはそう言うと、満足げにゆっくりとコップの水を飲んだ。


 「ところで、この後はどうするの?」

 ミリィーが尋ねると二人は顔を見合わせる。

 「そうだな~、今日はもう休んでいいんじゃないかな?

  それなりに稼げたしさ              」

 ゼイルが言う。


 「そうですね。あと確か明日、商人の護衛の依頼がありましたよね?」

 「そうだったね」

 メニイの発言にゼイルが頷くと、ミリィーが質問する。

 「じゃあ、その依頼を受けるのかしら?」

 「そうしようか」

 ゼイルが答えるとメニイも頷き、方針が決まった。



 三人は食事を終えると、カウンターへと移動する。


 「パスタはお口に合いましたか?」

 女店主が少しおどけたように尋ねると、メニイは答える。

 「昨日のグラタンも、今回のパスタも凄くおいしかったです」


 「あらそう」と微笑む店主に、ゼイルは冒険者証を提示しながら頼む。

 「昨日見せて貰った台帳に、明日出発する商人の護衛の依頼があったよね?」

 「ああ、そうだったね」


 すると店主は依頼台帳を開く。

 「ここから北西にある ’パンタン ’までの護衛だよ。多分二日位の道のりだと

  思うけどね                             」

 「その依頼を受けたいんだけど」

 「はい、わかったわ

  じゃあまた手続きはしておくから、明日の朝八時半にここで待機して

  おいてね?                          」


 店主との会話を終えると三人は各々の部屋に戻って英気を養うことにした。



 ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


 もしよかったら、次話もご覧ください。

 よろしくお願いします。

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