第四話:冒険初日の終わり(後編)
宿代を支払うと、二人は二階のそれぞれの部屋に荷物を置き、一階の酒場に戻る。
「お待たせしました」
「いやっ、俺も今来たところだから」
軽く挨拶を交わすと丸いテーブルの席に着く。
品書きを見ると、三十種程のメニューが記されていた。
二人が何を頼むか迷っていると、店主が声を掛けてきた。
「クスイの特産品はキノコでね ’山の幸たっぷりキノコのマカロニグラタン ’がうちのおすすめだよ」
すると二人は反応する。
「グラタンか!」
「おいしそうですね」
すると店主に確認された。
「じゃあ ’山の幸たっぷりキノコのマカロニグラタン ’二つでいいかい?」
「「お願いします」」
そして数十分後、テーブルの上にホワイトソースのいい匂いがする耐熱皿が二つ置かれた。
「熱いから気を付けてね」
店主はそう告げるとカウンターに戻ってゆく。
「結構ボリュームがありますね?」
「ああ、食べ甲斐がありそうだ。じゃあ・・・」
二人は手を合わせると
「「いただきます」」
そう言って各々スプーンを手に取る。
「あっちぃ!」
いきなりグラタンを口にしたゼイルは、熱さで舌を火傷しそうになる。
それを見てメニイは微笑む。
「ふふっ。ゼイルさん、少し冷ました方がいいですよ」
そう言うと唇を少し尖らせて ’フーッ フーッ ’とグラタンの乗ったスプーンに息を吹きかける。
ゼイルもそれに倣ってグラタンを冷ます。
ゼイルは恥ずかしさと、メニイの仕草のかわいらしさで、少し鼓動が大きくなったように感じた。
そうしてスプーンを口に運ぶと
「おお、うまい!」
「あっ、おいしいですね。・・・キノコの香りが、ホワイトソースとマッチしてます」
メニイが食リポをしていると女店主が声を掛ける。
「どうやら気に入って貰えたみたいだね。ごゆっくり召し上がれ」
更に数十分後。
「「ごちそうさまでした」」
二人は食事を終えると、そう挨拶して席を立つ。
メニイは眠そうに目をショボショボさせて言った。
「今日は疲れましたね? なんだか眠くなってきました」
「そうだね。今日は部屋に戻って休もうか? 今後のことは明日考える?」
ゼイルは余裕がある様子で答える。
「はい、そうしましょう」
彼女はそう返事するとフラフラと階段を登って行った。
彼はその様子を見て”明日の朝はゆっくりしようかな”と思いながら、部屋へ戻る。
こうして二人の冒険一日目は終了した。
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