第五話 演習3~再会~
宇宙もののアニメを見ていたら書きたくなったので久しぶりに投稿
第34人口大陸にある航宙軍基地に接岸したマグサ率いる重巡洋艦”浅間”は演習に向けて弾薬とエネルギーの補給を行っていた。それらが終わるまで、船員たちは少しの休息をとる事が許され、基地に併設するように建っている繁華街に繰り出していた。
マグサも本来は繁華街で演習に向けて英気を養うはずだったが彼の姿は基地内の大型ドックにあった。300mを超える艦艇専用のこのドッグには第6航空艦隊が入っていた。
「……」
「鳳凰型航宙母艦”鳳凰”、”雷龍”、”海鷹”、”舞鶴”。全長330m、戦闘機約100機を収容出来る地球連合最新鋭空母だ」
「……ミラルド」
マグサは後方から聞こえてきた女性の声に振り返るとそこには一人の女性が立っていた。マグサより年上らしい女性はキリッとした目つきのまま彼の横に並ぶ。
「ウエスギ中佐、久しぶりだな。何時以来か……」
「丁度2年ぶりになります。義母さん」
「軍務中はヤナトヴァ-大佐だと言っておろう。が、今は問題ないか。久しぶりだな」
そう言って女性、ミラルド・ヤナトヴァ-航宙大佐は柔らかな笑みを浮かべた。
「浅間の艦長として立派に行えているようだな。推薦した甲斐があったというものだ」
「その分やっかみも多いですけどね。軍人の家系の娘をめとり、そのコネで出世したなんて言われていますしね」
「ならばそんなやっかみなど気にしないで済むくらい功績を上げて見せろ」
「安心してください。この演習で見せるつもりですよ」
「それは楽しみだ」
ミラルドはそう言うと真剣な表情でマグサに向き直った。
「今回の演習はウエスギ中佐が所属する高速艦隊を含む複数の艦隊と我が艦隊を含む機動艦隊による広域航宙戦闘演習となる。空母を撃沈判定に出来れば功績としては立派であろう。精々励め」
「はっ! ヤナトヴァ-大佐を感嘆させる功績を取ってまいります!」
その言葉を聞いたミラルドは笑みを浮かべ機動艦隊旗艦である鳳凰のもとに向かっていく。その後ろ姿をマグサは敬礼を行い見送るのだった。