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ラストリモート〜失われし読書魔法(リーディング・マジック)と金髪幼女で挑む迷宮配信〜  作者: 神崎 ライ
第二十ニ章 想定外の事態が勃発?

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第1話 謎モンスターの正体

「うーん……って、あれ?」


 瑛士が目を覚まして周囲を見渡すと、気を失う前の記憶とは違う景色が目に飛び込んできた。


「ここはどこだ? 俺は二階層で謎のモンスターと交戦していたはずだったのに……」


 完全に覚醒していない意識の中で自分の置かれている状況を理解しようと試みる瑛士。彼の脳裏に蘇ってきたのは、二階層でホーンラビットたちと交戦していた時の記憶だった。何故か入口に集まっていたモンスターを瞬殺した後、異様な圧を放つ個体を討伐しようとしていた。そして、あまりの速さに姿を捉えることができず、苦戦していた時だった。突然、全身が重くなって意識を刈り取られてしまった。そして、最後に聞こえた声の主がいた事を思い出したところで、大声を上げる。


「思い出した……あと一歩のところまで追い詰めたのに、邪魔されたんだった! 音羽、どこにいる!」

「そんなに大声を出さなくても直ぐ側にいるわよ」


 体を起こして声を張り上げる瑛士に対し、後ろから軽く頭を叩く音羽。そして、わざとらしく大きく息を吐くと、呆れたように声をかける。


「そんな大声を出さないでくれるかしら? そんなに私への愛を叫びたいのであれば、もっと大勢の前で堂々と叫んでもらいたいのだけど?」

「襲撃犯が何を言っているんだよ……そもそも、今の発言にそんな要素は一ミリもなかったと思うが」

「もう、恥ずかしがらなくても私はわかっているからね! 瑛士くんなら受け入れてくれるって」

「何を受け入れるんだよ! そもそもなんで俺を襲ったのかちゃんと説明しろ!」


 頬に手を当てて体を左右に揺らす音羽に対し、苛立った様子で声を上げる瑛士。そんな二人の様子に呆れたようにルリが割って入る。


「ご主人も音羽お姉ちゃんも茶番はそのくらいにしたらどうなのじゃ?」

「ルリちゃんに言われちゃったら、仕方ないわね……」

「茶番って……なんで見ていたのなら止めないんだよ、ルリ?」


 今度はルリに対して噛みついた瑛士だったが、彼女は腕を組んで呆れたように答える。


「はぁ~音羽お姉ちゃんの暴走はいつものことじゃろうが。それに、何も理解できていないご主人を冷静にさせるためにやってくれておるのじゃぞ?」

「それはそうかもしれんが……もうちょっとやり方とか言い方ってものがあるだろうが」

「何を言っておるのじゃ。どうせ普通に説明したところで、聞く耳を持たない頑固者のくせに」

「あ? 誰が頑固者だって?」


 返ってきた言葉に引っかかりを覚え、苛立った瑛士が反論しようとした時だった。ルリの背後から影が飛び出して、彼の顎を蹴り上げた。


「ぶへっ」


 不意打ちを食らった瑛士は情けない声を上げ、仰け反るように地面に倒れる。そして、彼を蹴り飛ばした何かは、空中で一回転すると彼の腹部の上へ華麗に着地する。


「ゴフッ……だ、誰だ!」

「キュー、キュキュキュ」

「な、なんでお前がここにいるんだよ、ルナ!」


 顔を上げた瑛士の目に飛び込んできたのは、みぞおちの辺りに堂々と佇むルナの姿だった。


「キュー、キュキュ」

「あ? 『この程度の不意打ちを躱せないとは……まだまだだね』って言いたいのか?」


 反論する瑛士を見たルナは、目を細めてバカにしたような表情で見つめ返す。


「キュー、キュー」

「……『その程度で大騒ぎするな。だから姿()()追いかけられなかったんだよ』って何の話をしているんだ?」

「キュー? キュキュキュ、キューキュキュ」

「何だと? 『まだわからないの? ほんと鈍感なやつだな~そんなんだから不意打ちも避けられないんだな。()()()で叩きのめしておけばよかった』だと……やっぱりあのモンスターはお前だったのか!」

「キューキュキュ」

「『今ごろ気がついたの? ホーンラビットを瞬殺できたのは凄かったですね』って、この野郎……バカにしやがって……」


 挑発する言葉を聞いた瑛士の表情が鬼の形相に変わり始める。


「今日という今日は絶対に許さねえ……大目に見てやっていたが、もう我慢の限界だ! ここで貴様の息の根を止めてやる!」

「キューキュキュ」

「あ? 『やれるもんならやってみろ。あー怖い怖い』って言ってるのか……いい度胸をしているじゃねーか!」


 瑛士の雄叫びが響き渡ると、即座に体から飛び降りてルリの後ろに隠れるルナ。


「あ! 隠れるんじゃねーよ!」


 体が軽くなった瑛士が飛び起きると、ルリの後ろに隠れたルナを睨みつける。


「今日こそお前に引導を渡してやる……隠れてないでさっさと出てこい!」

「キュー? キュキュキュ」

「『はい、わかりましたって素直に出るバカはいねーよ!』って、ふざけんな! この畜生が!」


 勝ち誇ったような顔で鳴き声を上げるルナに対し、瑛士の怒りが沸点を超えそうになった時だった。


「やめんか! ルナもいい加減にするのじゃ!」


 瑛士とルナのやり取りを黙って見ていたルリが、声を張り上げる。


「ご主人もいちいち挑発に乗って、大人げないのじゃ。もう少し冷静になるということを覚えたらどうなのじゃ?」

「ぐっ……」

「ルナもじゃ。遊びたい気持ちは分かるのじゃが、今の状況をわかっておるのか?」

「キュー……」


 ルリに叱られて瑛士とルナは何も言い返せず、その場に項垂れてしまう。その様子を見て、大きなため息を吐くとタブレットを取り出して何かを操作し始める。


「まったく……そんなことよりも重大な問題が起きておるのじゃ。これを見よ!」


 ある画面を表示させるとルリが瑛士たちの前に突きつける。

 はたして、彼女が言う重大な問題とは何のことだろうか?

最後に――【神崎からのお願い】


『面白い!』、『楽しかった』と思って頂けましたら、『評価(下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります)』を是非宜しくお願い致します。

感想やレビューもお待ちしております。

今後も本作を書いていく強力なモチベーションとなります。感想を下さった方、評価を下さった方、本当にありがとうございます!

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