↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラストリモート〜失われし読書魔法(リーディング・マジック)と金髪幼女で挑む迷宮配信〜  作者: 神崎 ライ
幕間⑳

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
264/417

閑話⑳-8 謎の爆発と広がる余波

 モニタールームを飛び出した紀元は脇目も振らず、まっすぐ従業員出入口へ向かって歩き始める。すると最終準備を終えたスタッフから次々と声をかけられる。


「本部長、お疲れ様です。先程はお忙しい中ありがとうございました」

「お疲れ様です、本部長。またお時間ある時に相談乗ってください!」

「おお、お疲れ。みんな頑張ってくれよ」


 片手を上げて笑顔で答えながら歩みを進めていると、彼の姿を見た女性がお菓子の箱を持って駆け寄ってきた。


「本部長お疲れ様です。新商品のお菓子が届いたのですが、試食してみませんか?」

「ああ、お疲れ様。今ちょっと立て込んでいるから、後でいただこう」

「えーそんな事言わずにお願いしますよ。皆で人気投票もした一品なんですから」


 粘り強く話しかける女性に負け、足を止めた紀元は小さく息を吐きながら答える。


「あのな~気持ちだけは受け取っておくが、俺が食べるわけにいかないだろ。皆で選んだんだろ?」

「そうですね。何種類も試してこれだっていう一品を選びました」

「それなら自信を持っていいと思うぞ。そうだ、ちょっと少ないが……皆でコーヒーでも飲んでくれ」


 女性の話を聞いていた紀元が胸ポケットから財布を出し、数枚のお札を渡す。すると受け取った女性は目を丸くして声をあげる。


「え? いいんですか? でもちょっと多くないですか?」


 受け取った女性が確認すると、千円札の他に一万円札も混ざっていた。


「いいんだよ。お前たちが頑張ってくれたから、最高の準備ができて今日を迎えられた。俺からのほんの気持ちだ」

「あ、ありがとうございます!」

「渡した額であれば、このフロアで働く全員……うちの社員だけじゃなく、他店舗の方にも差し入れをしてやってくれ。博士の無茶振りで……相当迷惑をかけてしまったからな……」


 苦笑いを浮かべた紀元があたりを見渡すと、忙しそうに品出しや仕込みを進める人々の姿が目に入る。


「うちの会社が管理をさせてもらっているが、今回の事業は彼らのような外部業者がいなければ成り立たない。直営店だけではいろいろ偏ってしまうからな」

「そうですね。一階層のフロアがめちゃくちゃ広くて、どんなお店が入っているのか全部チェックできていないんですよね……」


 笑顔で辺りを見渡していた女性は、大きなため息を吐くと残念そうな顔で呟く。そんな彼女の様子を見て、苦笑いを浮かべた紀元が話しかける。


「そうだな……今回は大改装を実施したから、以前とは比べ物にならないくらい広くなった。というよりも、前の管理団体が何もしていなかっただけだがな」

「そうなんですね。私は改装が終わってからしか見ていないので、前のことはわからないですが……」

「今度時間ができたら、改装前の写真をみんなに見せてやるよ。多分びっくりすると思うぞ」


 紀元が呆れたように話すと、目を輝かせている女性。


「絶対見せてくださいよ! あ、そういえば本部長、用事の途中でした? さっきすごく急いでいるように見えましたが……」

「……あー! そうだった!」


 女性の言葉を聞いて、外の様子を見るために急いでいたことを思い出した紀元。


「中途半端ですまないが、後のことは頼んだぞ! 時間ができたら俺も様子を見に行くから」

「はーい、お待ちしてます! ごちそうさまです!」


 笑顔で手を振る女性に対し、軽く右手を上げると従業員出入口へ向かって歩き始める。


(こんなところを雫とか博士に見られたら、面倒くさいことになりそうだな……あとで監視カメラの記録をいじっておかないと)


 脳裏に下品な笑みを浮かべた二人の姿が浮かび、振り払うように左右に顔を振る紀元。すると、何かにぶつかったような音が周囲に響き渡る。


「イテッ!」


 思わず声を上げて額を押さえながらその場にうずくまる紀元。前をよく見ていなかったせいで、鉄でできた扉に思いっきり頭をぶつけてしまった。


「……そう言えば迷宮は自動ドアじゃないことを忘れてた……」


 涙目で額を擦りながら扉を開けると、少し離れた位置に見覚えのある子猫とウサギが現れる。


「いたぞ……何か鳴き声が聞こえるが、あの()()ってどこかで見たような気がするんだよな」


 少し奥まった位置にある出入口のお陰で、迷宮の壁に隠れながら二匹の様子を伺う。しばらくすると、子猫が公園の方へ向かって駆け出し、その後をウサギが追いかけるように走り去っていった。


「猫とウサギって仲良くできるのか? まあいい……ちょっと気になることがあるし、詳しく調べる必要がありそうだな」


 誰もいなくなった空間を眺めていた紀元が、迷宮の中へ戻ろうとした時だった。突然、地震のような揺れと爆発音が響き、思わず片膝をついてしまう。


「な……何だ今の爆発音は? 観光エリアとは反対方向だから、関係者エリアか? 初日から問題を起こしてくれるなよ……」


 大きくため息を吐いて立ち上がると、爆発音のした方へ向かって駆け出す紀元。


「ちっ……人が集まる前に情報統制と人払いをしておかねば」


 スマホを取り出し、どこかへ連絡を取り始める。しかし、彼は手遅れであることに気がついていなかった――すでに某SNSに書き込まれてしまっていたとも知らず……


『本日オープンの迷宮で大爆発あり! 何やらトラブル発生の予感? 詳細はリプで追って報告します!』

最後に――【神崎からのお願い】


『面白い!』、『楽しかった』と思って頂けましたら、『評価(下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります)』を是非宜しくお願い致します。

感想やレビューもお待ちしております。

今後も本作を書いていく強力なモチベーションとなります。感想を下さった方、評価を下さった方、本当にありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。