最終幕 立河ナオ
南二局 ドラ9s
北家 ナオ 50200
東家 ひめる 7700
南家 ひらく 35400
西家 ふうろ 6700
ナオ 配牌
[23m 25889p 237s 北白發]
ドラ1。五向聴。
牌姿は悪い。だが消極的になれば、つけこまれる。
面前リーチを目指す。
――――――――――
[23m 25889p 237s 北白發][ツモ牌 6p]
打、白。
[23m 256889p 237s 北發][ツモ牌 9s]
打、發。
[23m 256889p 2379s 北][ツモ牌 6s]
打、北。
[23m 256889p 23679s][ツモ牌 1m]
打、2p。
[123m 56889p 23679s][ツモ牌 9s]
打、9p。
――――――――――
[123m 5688p 236799s]
ドラ3。二向聴。
478p、14589s。8種27枚が有効牌である。
確定メンツ、123m、。雀頭、99s。メンツ候補、56p、88p、23s、67s。
5メンツ1雀頭のフルブロック構成。面前手が主体となる。
ツモが利いた。打点も増え、一気に勝負手にまで格上げする。
……あとは速度で間に合うか……。
ツモ。
[123m 5688p 236799s][ツモ牌 4p]
打、8p。
1458s。4種15枚の受け入れを持つ一向聴となった。
好形の固定。8pを対子落としとする。
「リーチ!」
ひらくからの先制リーチ。
打、2p。
後手に回る。
……8pを処理し切れない内から! イヤなタイミング……!
ひらくとは14800点差。8pを押すのか、迷うところ。
苦しい選択を迫られたが、
……それでこそ麻雀さ……!
ツモ。
[123m 4568p 236799s][ツモ牌 1s]
「リーチ!」
打、8p。
5-8s待ち聴牌。
リーチ、平和、ドラ3。30符5翻は満貫8000点である。
同巡内で追いついた。
リーチに微塵も迷いはない。
好形、高打点。ここでアガれば、大差をつけられる。
……そんなことは、どうでもいいんさ……!
自身の雀風は、面前主体のリーチ麻雀。こんな面白いリーチ合戦に、乗らないわけがない。
温かい麻雀。
ナオの掲げた目標だが、別の理想も存在した。
……リーチ合戦! 熱い麻雀も、あたしが目指す麻雀なんさ……!
捲り合いに突入する。
ひらくのツモ。
打、7s。
ナオのツモ。
打、6s。
ひらく、ツモ。
麻雀卓に、牌を晒す。
八索!
……同聴……!?
「ツモ!」
ひらく、倒牌。
[789m 123p 5556799s][ツモ牌 8s]
「リーチ、ツモ、ドラ2。30符4翻は2000、3900点です!」
――――――――――
点棒移動
北家 ナオ 50200 → -2000-1000 → 47200
東家 ひめる 7700 → -3900 → 3800
南家 ひらく 35400 → +7900+1000→ 44300
西家 ふうろ 6700 → -2000 → 4700
――――――――――
南三局 ドラ7p
西家 ナオ 47200
北家 ひめる 3800
東家 ひらく 44300
南家 ふうろ 4700
ナオ 手牌
[4445m 244556p 345s][ツモ牌 6s]
打、2p。
ドラ0。一向聴。
356m、36p、36s。7種23枚が有効牌である。
確定メンツ、456p、345s。メンツ候補、4445m、56p。
4メンツの4ブロック構成。面前手が主体となる。
中張牌に寄った。ドラはないが、リーチへの期待が高まる。
ツモ。
[4445m 44556p 3456s][ツモ牌 3m]
「リーチ!」
打、6s。
3-6p待ち聴牌。
リーチ、断么九、平和の30符3翻。6pは一盃口がつき4翻は7700点。
高め3pツモなら345三色がつき、20符6翻は跳満12000点の大物手である。
先手をとった。
現状での最大火力で、ひらくの親を蹴りにいく。
「リーチ!」
ひらくからの追っ掛けリーチ。
打、3m。
入り目。同巡内に追いつかれた。
捲り合いに突入する。
ナオのツモ。
打、2m。
ひらくのツモ。
打、7p。
ナオ、ツモ。
見牌。
六筒!
「ツモ!」
ナオ、倒牌。
[34445m 44556p 345s][ツモ牌 6p]
「リーチ、ツモ、断么九、平和、一盃口。20符5翻は満貫2000、4000点さぁ!」
――――――――――
点棒移動
西家 ナオ 47200 → +8000+1000→ 56200
北家 ひめる 3800 → -2000 → 1800
東家 ひらく 44300 → -4000-1000→ 39300
南家 ふうろ 4700 → -2000 → 2700
――――――――――
オーラス――
南四局 ドラ5m
南家 ナオ 56200
西家 ひめる 1800
北家 ひらく 39300
東家 ふうろ 2700
ナオ 配牌
[2458m 1189p 569s 西北]
ドラ2。四向聴。
現在トップ目。アガれば勝利となる。
面前リーチを目指す。
――――――――――
[2458m 1189p 569s 西北][ツモ牌 6m]
打、北。
[24568m 1189p 569s 西][ツモ牌 7p]
打、西。
[24568m 11789p 569s][ツモ牌 8m]
打、2m。
――――――――――
[45688m 11789p 569s]
一向聴。
8m、1p、47s。4種12枚が有効牌である。
確定メンツ、456m、789p。雀頭、11p。メンツ候補、88m、56s。
4メンツ1雀頭の5ブロック構成。面前手が主体となる。
ツモ。
[45688m 11789p 569s][ツモ牌 7m]
打、9s。
3689m、1p、47s。7種23枚待ちの一向聴へと変化した。
万全の牌姿。どんな形になっても、リーチは打つ。
「リーチ!」
ひらくからの先制リーチ。
打、2s。
後手に回る。
……この速さでも、先手を奪われるなんて……!
ツモ。
[456788m 11789p 56s][ツモ牌 1p]
「リーチ!」
打、7m。
4-7s待ち聴牌。
リーチ、ドラ2。40符3翻は5200点である。
ひらくとは16900点差。
倍満ツモか、跳満直撃でないと捲られない。だがリーチ棒を出したことで、跳満ツモ条件も満たしてしまう。
通常リーチはしないほうが得策だが、
「それじゃあ熱い麻雀が、できないんさ! 勝負さぁ、常盤ひらく!」
ひらくは、ナオの気合いを受け止める。
……ナオ部長は、最初からそうだった……!
リーチ合戦のとき、とても熱く楽しそうにしていた。
これがナオの麻雀。温かく、ときに熱い麻雀。
ナオの思いの丈が詰まった、一打である。
……この一局で応えてみせる……!
[23455m 234p 23789s]
1-4s待ち。
リーチ、平和、ドラ3。30符5翻は満貫8000点。高め4sツモなら234三色がつき、倍満16000点の大物手である。
勝利への聴牌。
もしもナオが引いたら、1sツモを見逃し4sでの倍満を目指す算段だった。
ナオがリーチしたことにより、1sツモの跳満でも条件を満たす。
あとは引くだけ。
最後の捲り合いに突入する。
ひらくのツモ。
打、西。
ナオのツモ。
打、東。
ツモは加速する。
ひらく。1m、4p、8s。三連打。
ナオ。9p、6m、3s。三連打。
まだ決着のときは来ない。
ツモは更に加速する。
ナオのツモ。
打、發。
ひらくのツモ。
打、白。
牌を連打していく。
南と北。交互に打牌を刻む。
ナオの2m。ひらくの8m。
ひらくが切り返す。
打、8p。
ナオの反攻。
打、3p。
河に牌が連なる。
打、6s。
打、5s。
両者とも譲らない。
だが決着は近かった。
麻雀卓に、牌を叩きつけた。
麻雀に和了を切り開く。
ツモ。
開牌。
一索!
「ツモ!」
ひらく、倒牌。
[23455m 234p 23789s][ツモ牌 1s]
「リーチ、ツモ、平和、ドラ3。20符6翻は跳満3000、6000点です!」
――――――――――
点棒移動
南家 ナオ 56200 → -3000-1000→ 52200
西家 ひめる 1800 → -3000 → -1200
北家 ひらく 39300 → +12000+1000→ 52300
東家 ふうろ 2700 → -6000 → -3300
――――――――――
1位 ひらく 52300
2位 ナオ 52200
3位 ひめる -1200
4位 ふうろ -3300
―― 終 局 !!
拍手が鳴り響く。
「おめでとうさ、ひらく! これで麻雀初心者は卒業さぁ!」
ふうろが抱きつき、
「雀士の仲間入りしたひらくに、ボクたちからプレゼントがあるんだよー!」
ひめるが服の下から、何かを取り出す。
「はい、これ。ひらく専用の雀リング」
「い、いま素肌から……」
「温めておいた」
「草履……!?」
ひらくは、リングを受けとる。
強く抱き締め、
「ありがとう、みんな! すごく嬉しいよ!」
満面の笑みを見せた。
「これからは雀士として、共に切磋琢磨していこうさ!」
「はい! これからも頑張りながら、みんながしたい麻雀を一緒に打ちたいです!」
楽しい麻雀。自由な麻雀。温かい麻雀。
そうした麻雀を、創っていきたい。
ひらくは、ふと思う。
……麻雀に本当に必要なもの……。
技術でも、戦略でも、ルールですらないのかもしれない。
それはきっと。
麻雀と――
「さあ、ひらく! 早速雀リングを 、使ってみるといいさ!」
「はい! 一度やってみたかったんです!」
ひらくは雀リングを起動する。
「セットアップ! 雀牌!!」
――麻雀の真理を切り開く。
ひらくは、配牌を見つめ、
……不思議! いつ見ても新鮮で、わくわくする……!
何度も見てきた、14枚の牌姿。そこから新たな一手を創造する。
牌理を切り開く。
ひらくは、最初の一打を放つ。
麻雀にとって、掛け替えのない存在を思い浮かべながら。
――麻雀と私たちっ!!




