はじめての東風戦《トンプウセン》 前編
ひらくは、部室のドアを開く。
「こんにちは! 部長、ふうろさん、ひめるさん!」
「おお、今日も元気のいいことさ」
「はい! 最近教わるのが楽しくて……今日はどんな役ですか?」
「残念ながら、もう役は全部教えたんさ。だから総まとめとして、東風戦で打ってみようさ」
「一局戦とは違うんです?」
「東風は東四局が終わるまで、ゲームが続くんさ。今まで30000点を目指してたけど、そこがゴールではなくなった、と思えばいいさ」
ふうろとひめるが席を立ち、
「はじめての東風だね! でもボクだって負けないよー!」
「手加減はしない」
ひらくが意気を上げ、
「うん! 私も全力を尽くすよ!」
「それじゃ打とうさ!」
ナオが雀リングを起動する。
「セットアップ! 雀牌!!」
【東風戦】
東一局 ドラ1m
東家 ひらく 25000
南家 ふうろ 25000
西家 ひめる 25000
北家 ナオ 25000
ひらく 配牌
[146679m 34p 457s 東南西]
――――――――――
mが萬子、pが筒子、sが索子。5の上の傍点は赤ドラを意味する。
――――――――――
打、南。
ドラ2。面前手が主体となる。
牌理を切り開く。
――――――――――
[146679m 34p 457s 東西][ツモ牌 6s]
打、西。
[146679m 34p 4567s 東][ツモ牌 8m]
打、東。
――――――――――
[1466789m 34p 4567s][ツモ牌 4s]
打、1m。
一向聴。他の形がいいため、孤立ドラ1mを手放す。
他家に動きはない。おそらく自分が一番速いはずだ。
親番は稼ぎにいく。
ツモ。
[466789m 34p 44567s][ツモ牌 6m]
「リーチ!」
打、4m。
2-5p待ち聴牌。
リーチ、ドラ1の2翻。
先手をとった。好形の両面待ちに、期待を寄せる。
ひらくのツモ。
見牌。
二筒!
「ツモ!」
倒牌。
[666789m 34p 44567s][ツモ牌 2p]
リーチ、ツモ、一発、ドラ1。親の30符4翻は3900オールである。
――――――――――
リーチ・面前で聴牌を宣言し、1000点棒を支払うことで成立する役。
ツモ・面前で自分のアガリ牌を引くと成立する役。
一発・リーチ時、鳴かれずに1巡以内でアガると成立する役。
ドラ・アガったときに持っていると、1枚につき1翻増える。
――――――――――
――――――――――
点棒移動
東家 ひらく 25000 → +11700 → 36700
南家 ふうろ 25000 → -3900 → 21100
西家 ひめる 25000 → -3900 → 21100
北家 ナオ 25000 → -3900 → 21100
――――――――――
東一局 一本場 ドラ5p
東家 ひらく 36700
南家 ふうろ 21100
西家 ひめる 21100
北家 ナオ 21100
ひらく 手牌
[123466m 5568p 445s]
ドラ3。5pはダブルドラである。
ナオのツモ。
打、7p。
「チー!」
ひらくが仕掛ける。
一副露。
[123466m 55p 445s][←768p]
打、1m。
喰いタンへ向かう。鳴いても4翻あるため、打点は充分だ。
ふうろのツモ。
打、6m。
「ポン!」
ひらくが再び仕掛ける。
二副露。
[234m 55p 445s][←768p][666→m]
打、4s。
3-6s待ち聴牌。
断么九、ドラ3の4翻。
再び先手をとった。
東風は短期決戦。二度の親満クラスを決めれば、かなり勝利へ近付く。
……絶対にアガリたい手……!
「ツモ」
ひめるが牌を倒す。
[223344m 567p 3356s][ツモ牌 7s]
「ツモ、断么九、平和、一盃口、ドラ1。20符5翻、満貫2000、4000の一本場は2100、4100点」
――――――――――
断么九・2~8の中張牌のみで手牌を作ると成立する役。鳴いても1翻役。
平和・4つの順子と雀頭1つで、アガリ形が両面の場合に成立する役。
一盃口・同じ順子を面前で二組揃えると成立する役。
――――――――――
――――――――――
点棒移動
東家 ひらく 36700 → -4100 → 32600
南家 ふうろ 21100 → -2100 → 19000
西家 ひめる 21100 → +8300 → 29400
北家 ナオ 21100 → -2100 → 19000
――――――――――
東二局 ドラ7s
北家 ひらく 32600
東家 ふうろ 19000
南家 ひめる 29400
西家 ナオ 19000
ひらく 手牌
[334m 24778p 7889s 白]
ドラ1。面前手が主体となる。
若干、牌勢が落ちた。特にドラ回りが重い。
ひめるのツモ。
打、西。
「ポン!」
ふうろが仕掛けてくる。
一副露。
打、白。
西は客風。役牌にならない場所からの、変則鳴き。
ナオのツモ。
打、1p。
「ポン!」
ふうろが再び仕掛けてくる。
二副露。
打、2p。
二度めの鳴きで、彼女の目的がハッキリしてきたが、
……あとは追いつけるか……。
ツモ。
[334m 24778p 7889s 白][ツモ牌 7s]
打、白。
ドラ2。打点が増え、手牌の価値が高まる。
ふうろのツモ。
麻雀卓に、牌を晒す。
三萬!
「ツモ!」
倒牌。
[12m 789s 南南][西西西→][1↑11p][ツモ牌 3m]
「混全帯么九、ドラ1。親の40符2翻は1300オールだね!」
――――――――――
混全帯么九・メンツと雀頭すべてに19字牌の幺九牌が含まれていると成立する役。面前2翻、喰い下がり1翻。
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――――――――――
点棒移動
北家 ひらく 32600 → -1300 → 31300
東家 ふうろ 19000 →40/2 1300オール→ +3600 → 22600
南家 ひめる 29400 → -1300 → 28100
西家 ナオ 19000 → -1300 → 17700
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東二局 一本場 ドラ北
北家 ひらく 31300
東家 ふうろ 22600
南家 ひめる 28100
西家 ナオ 17700
ひらく 手牌
[4889m 4567p 345s 北北]
ドラ2。自風牌北の仕掛けが、主体となる。
前局と違い、牌姿は優良。ドラ北さえ鳴ければ、アガリ目は強くなる。
ナオのツモ。
打、發。
「ポン!」
ふうろが仕掛けてくる。
一副露。
打、中。
役牌の發で、1翻が確定する。
ツモ。
[4889m 4567p 345s 北北][ツモ牌 1s]
不要牌。ツモ切る。
「チー!」
ふうろが再び[←123s]と仕掛けてくる。
二副露。
打、北。
「ポン!」
ひらくが仕掛け返す。
一副露。
[4889m 4567p 345s][北北北→]
打、9m。
ドラ3の好手となった。
だが、
……ふうろさんは索子染めの気配……。
混一色だと、發と合わせ3翻になる。親番もあり、強力な一手だ。
ツモ。
[488m 4567p 345s][北北北→][ツモ牌 5m]
打、7p。
3-6m待ち聴牌。
北、ドラ3の4翻。索子さえ引かなければ、対抗できる。
ふうろのツモ。
打、4m。
引く気はないようだ。捲り合いに突入する。
ひらくのツモ。
打、7m。
ふうろ、ツモ。
「ツモ!」
倒牌。
[2346679s][發↑發發][←123s][ツモ牌 8s]
「混一色、發。親の30符3翻2000オールの一本場は2100オールだね!」
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役牌・白發中の三元牌と自風牌や場風牌の東南西北で刻子を作ると成立する役。
混一色・一種類の数牌と字牌だけ手牌を作ると成立する役。面前3翻、喰い下がり2翻。
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点棒移動
北家 ひらく 31300→ -2100 → 29200
東家 ふうろ 22600 → +6300 → 28900
南家 ひめる 28100 → -2100 → 26000
西家 ナオ 17700 → -2100 → 15600
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ひらく 29200
ふうろ 28900
ひめる 26000
ナオ 15600
―― 東二局 二本場 ――




