1/25
プロローグ
彼女が死んだ。
あと数分後には俺の奥さんになっていたはずだった人だ。
どうしてこうなってしまったんだろうか。
おびただしい量の血が寒空の中、膝をつく俺の足元に広がっている。
止めどなく広がり続ける血溜まりに、白く美しい雪がはらはらと落ち、溶けていく。
震える両手に目線を落とすと、ベットリとついている真っ赤なそれが俺の意識を混乱させた。
夢だ、夢だ、夢だ、これは夢だ!
騒つく周りの声、遠くから聞こえてくる救急車のサイレン。
そして真っ赤な血溜まりの中心にいる彼女。
目の前の光景全てが嘘だと思いたかった。




