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あの夜会から2年。今日はモーリーの家でのお茶会に来ている。


「クリス様、そろそろリード様とアリーさんも我が家に到着するころですよ。」


あれからモーリーは私の両親に事情を説明し、これまでのことを詫びた。

父は「私にも恥ずかしさからつい心無い言葉を吐いてしまうこともあった。クリスが良いというのなら私から言えることはないよ。」と諭され、母からは「恥ずかしいのはわかりますけど、嫉妬してほしいからって浮気を偽造するのはやりすぎよ?」と絞られていた。

サンナ男爵夫人からもかなり絞られたらしく「もう私、自分に素直に生きるわ。」そう言いながら遠い目をしていた。


そして驚くことに、リード卿とアリー君が婚約した。

リード卿は聡明な女性にあこがれていたようだ。これにはモーリーも「確かに貴族の女性はおつむが弱いほうが良いという風潮がありますし実際そういう方も多いですもの、他の女性の手をとらないのもうなずけますよね。」と笑っていた。

アリー君も「最初はモーリーさんのこともありますし、あまりいい印象ではありませんでしたけどお話したらとても素直で素敵ですよね。」と頬を染めていた。

来年には結婚式をあげるそうだ。


私とモーリーとの奇妙な友人関係はまだ続いている。


「モーリー、そろそろ私のことをクリスと呼んでくれないかい?」


「な…!いくら友人とは言えお互い婚約者がいないのにだめですよ!」


「…もう私のことは嫌いになった?」


「そんなはずないじゃないですか!むしろ婚約者だったころよりお慕いしております!」


「私はね、今度婚約を結ぶのはお互いに想いを寄せ合える女性ひとがいいと思っているんだ。だからモーリー、私と結婚してくれませんか?」


「…な!…なんで今それを言うんですか…!」


言葉はどうであれ、9年も私を思い続けてくれたモーリー。

きっと彼女以上に私を想ってくれる人はいないと思ってしまう私は存外彼女に惚れているようだ。


「愛しているよ、モーリー。」


「わ、私のほうがずーっと前から愛しておりますわ!9年の恋を甘く見ないでくださいませ!私の勝ちですわ!」


今日も私の婚約者はおかしなことを言っている。


これにて本編完結です。

番外編を1話同時に投稿しております。

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