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TS転生のじゃロリじじい聖女の引きこもり計画  作者: こんぐま
第一章 TS転生聖女はのじゃロリじじい
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それぞれの印象

 家族会議室に集まった王族は、国王と王妃と子息二人に息女三人で計七人。

 国王の名はウルイ=テール=キャロット。桜色の髪にワインレッドの瞳で、ほりのある顔をしている。

 王妃の名はアグレッティ=テール=キャロット。つやのある紫色の髪を頭の後ろでお団子にまとめていて、コバルトブルーの瞳をしている。若干つり目よりだが、どことなく優し気な顔をしている。

 第一王子の名はアンスリウム=テール=キャロット。十三歳でミアの八つ上。紫色の髪にワインレッドの瞳をしている。顔が整ったイケメンではあるが、十三歳と言うだけあって、まだ幼さが残る顔だ。

 第二王子の名はランタナ=テール=キャロット。ミアの二つ上の七歳で、知っての通りの美少年。父であるウルイと同じ桜色の髪とワインレッドの瞳だ。

 第一王女の名はサンビタリア=テール=キャロット。十八歳でミアの十三も上。髪は紫色で腰まで届くストレート。瞳はコバルトブルー。母親に似て美しく優しい顔立ちだが、それはあくまで黙っていればの事。最初にミアを見た時に嫌みを言っていたように、口を開くとそれが表れる。

 第二王女の名はアネモネ=テール=キャロット。十五歳でミアの十こ上。桜色の髪で前髪が長いミディアムボブの髪型で、前髪が長いせいで綺麗なコバルトブルーの瞳が隠れている。そんな髪型から想像できるかもしれないが、もの静かな雰囲気の美少女。

 第三王女の名はネモフィラ=テール=キャロット。ミアと同じ五歳。桜色の髪は他の者とは違い、まるで綺麗に咲く桜の花のように美しく、頭の左右で二本の尻尾を作っている所謂いわゆるツインテール。優し気な目のワインレッドの瞳も、他の者の誰よりもんでいて、まるで宝石のように美しい。ミアに負けず劣らずな可愛らしく整った小顔。あの日、ダンデ村の雑木林で助けた日は夜だったので暗闇と言うのもありよく分からなかったが、驚く程の美少女だ。

 と、言うわけで、自己紹介を終えた王族たちの名前などをミアが心の中で纏めたのが上記のものである。ミアはそれぞれの印象などを纏めると、ふと疑問を浮かばせた。


「サンビタリア殿下は十八歳なのに、何故未だに学園に通っておるのじゃ? 学園は十一歳から入れる四年制で、留年などと言う制度は無いのじゃ。だから、十五になる年には卒業じゃったと思うのじゃが?」


 ミアの疑問は確かなもの。日本で例えるなら、天翼学園は小学六年生から中学三年生までの期間に通う学園で、ミアの言った通りに留年が無い。なので、普通であれば十八歳のサンビタリアは学園をとっくに卒業している筈なのだ。


「当然の疑問ね。お父様、お話しても?」

「そうだな。まだおおやけには出来ぬことゆえ、聖女様には他言せぬようにお願いする事になりますが、それで良ければ」

「ほう。そう言う事なら何も聞かぬ。万が一の時に疑われるのも嫌じゃし、気にせぬ事にするのじゃ」

「へえ。聖女様って意外と保守的なのですね」

「触らぬ神に祟りなしなのじゃ」

「……触らぬ神に祟りなし? ダンデ村の言い伝えか何かですか?」

「う、うむ。そんな所じゃ」


 ミアは冷や汗をかいて頷いたが、内心は少しドキドキしていた。触らぬ神に祟りなしなんてことわざは、この世界には無いからだ。ミアは出来るだけTS転生者だと知られたくないのである。と言っても、転生者と言って信じてもらえるかは別の話で、ミアはそこまでは考えていない。

 ミアの質問が終わると、その後は今後のミアの扱いについての話になった。扱いと言うのは、こう言う家族会議などの場でも無いかぎりは、成人するまで聖女として接しない事。特に人前では内緒にしなければならないので、気を付けようと言う話。因みに既に天翼会には報告していて、天翼会でも一部の上層部しか知らない事になっている。チェラズスフロウレスも王族とダンデ村のお披露目会の会場にいた者しか知らないので、それを必ず維持。聖女であるミアの希望なので、決して破ってはならない決まり事となった。


「それじゃ、私は先に戻るわね」


 話が終わると、サンビタリアがそう言って席を立つ。


「もう戻るのか? 久しぶりに家族で食事をと思っていたのだが」

「あら。お父様ったら相変わらずね。せっかくのお誘いで申し訳ないけど、ここに戻って来たのは突然の事だったのよ。向こうでやる事があるの。ゆっくりなんてしていられないわ」

「そうだな。そう言う事なら俺も学園に戻る。もう直ぐ卒業式だろう? 今年はアネモネ姉さんが卒業する年だからね。卒業生への送辞の代表に選ばれていて、俺も準備で忙しいんだ」

「それなら私も戻るわ」


 サンビタリアに続いてアンスリウムとアネモネも席を立つ。国王はそれを止めようとしたのか、手を伸ばそうとしてそれをやめた。そして、少しだけうつむき顔を曇らせて「そうか」とだけ答えた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 王冠は、それを身に着けている頭に重くのしかかっています。 些細なことですが、国王の立場や家族の生活のせいで、一緒に食事をするなどの簡単なことを楽しめないという悲しみが感じられます。
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