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相手がいない

「千年竜で加藤くんにダイレクトアタック!」

加藤 LP 900→0

加藤に勝てたものの、店長の接待デッキではギリギリだった。

これからの成長に期待しようか。加藤くん。

「おおーー、負けちまったなぁ加藤。でも接戦だったぜ!」

と高杉。

「あぁ、店長を残り800まで追い詰めてたんだ」

と村野。

高杉と村野というバックボーンがついている限り、加藤はますます成長するだろう。

そしても高杉と村野も加藤がいる限り、ますます強くなるだろう。

カードゲームは資金力がものを言う。加藤から強カードをトレードなりで継続的に入手し続ける事が可能になる。

互いに足りないものを補いあっているということか。

そして高杉はアタッカーのためにシーザリオンを3枚購入。

シーザリオンはこの時期珍しくレベル4で攻撃力1800を持つモンスターだ。

アックス・レイダークラスまでなら一方的に戦闘破壊できる。

ヂェミナイ・エルフやメカ・ハンターにはあと一歩及ばないものの、十分に場を制圧できるモンスターである。

高杉のデッキは大幅な戦力強化できたが、それと同時に彼は財力を多く失った。

高杉の小遣い、月2000円の内、ほとんどをシーザリオンにつぎ込んでしまったのだ。

村野、加藤らとテストデュエルを繰り返し、デッキ調整にかかる高杉。

大会参加者はもう多くない。

相手がいなくなって、加藤と対戦することになるかもしれない。

その場合は参加証が足りなくなって高杉と加藤の両名が本戦へ進めず、共倒れになってしまう。

そのような事態は回避せねばならない。

「なぁ、お前らはまだ大会参加者なのか?」

休み時間に教室でデュエルしてる連中に高杉は声をかけてみるも、二人共すでにリタイヤしていたプレイヤーだった。

ここ一週間声をかけ続けるも、一人として生き残りは見つからなかった。

焦る高杉。

そんな中、相手を探して奔走していた高杉の前にある生徒が現れた。

その生徒はおかっぱヘアーにひょろりとした長身の持ち主であった。

何故かひげの処理が甘く、好き放題に生えていた。

「君ら・・・相手探してんだろ・・・・?」

井戸の奥底から聞こえてくるようなかすれた声。

「相手いるとこ・・・案内してやるよ・・・・大会をスムーズに終わらせよう・・・」

その男の後を高杉は追った。

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