一番弟子
大塚と村野の戦いに並行して、加藤と橋本の戦いも行われていた。
「レオ・ウィザードで加藤へダイレクトアタック!!」
加藤 LP0
当時は限定カードだった死のデッキ破壊ウイルス、アクア・マドール等をふんだんに投入した加藤のデッキでも敵わない。
「加藤くんは良いカードをたくさん持ってるのにもったいないなぁ」
加藤は現環境では最上位クラスのカードを揃えているが、彼自身のカード扱うセンスが伴っていなかった。
いくら強いカードを持っていても効果的に利用できなければ宝の持ち腐れというものである。
加藤が自らのセンスを磨けば、恐ろしいデュエリストになるであろう。
「・・・・ぼく負けましたんで、どうぞ参加証受け取ってください・・・」
「あ、いや、別に俺大会参加者じゃないからさ、参加証はそのまま持ってていいよ」
「えっ」
参加していないデュエリストとは珍しい。
そこへに影丸を探す高杉が現れた。
「加藤?お前負けたのか?」
あわてて高杉説明する加藤。
「大丈夫。この人は大会に参加してないそうだから参加証いらないってさ」
「そうなのか」
「高杉は何やってんの?」
「3年の香月影丸って人を探してるんだ。昼休み中に会おうかと思ったけれど時間なくなったら放課後にするかなぁ」
高杉と加藤の会話を聞いていた橋本が話に入ってきた。彼はまだいたのだ。
「君は香月影丸を探してるの?」
橋本の口調からして影丸を知っていそうだった。
「香月先輩を知っているんですか?」
「知ってるもなにもなぁ。俺が香月影丸だよ」
えっ
「香月影丸って名前だと目立つからさぁ、いつも適当な偽名を名乗ってるのよ」
「あなたが・・・・」
「で、なんの用だい?えぇっと・・・」
「高杉です。高杉信也です」
「高杉くんか。んで用とは?」
「俺にデュエルの指導をして欲しいんです」
「ふぅむ」
顎に拳を当てて考える素振りをする橋本もとい影丸。
「勝ちたい奴がいるんです、どうしても。いや、絶対に勝たねばならない相手がいるんです!」
「誰から俺の事を聞いてお願いに来たのかは知らないが、俺はもう3年だ、受験を控えている。そんなに暇じゃあないんだ」
「そう・・・ですよね・・・・」
「でも、そんなに勝ちたい相手がいるとは興味深い。少しアドバイスするくらいならいいぞ」
「!。ありがとうございます!!」
「その前に言っておく。あまりにも弱すぎる人にアドバイスする気はないんだ俺は」
「はぁ」
「だから、俺が今からあげる人物をデュエルで倒して来て、最低限の実力がある事を示して欲しい」
「わかりました。それで構いません」
「そうか。その相手とは君らと同じ1年の生徒だ。名前は木内一彦。俺の一番弟子だから彼に俺から話は通しておく」
影丸の一番弟子・・・!おそらくそれなりの実力を持ったデュエリストであろう。
果たして俺が勝てるのか・・・。
と思う高杉。
「木内一彦を今日から3日以内に倒せ。期間内なら何回彼に負けても構わん。とにかく1勝したら合格だ」
こうして影の実力者、香月影丸に認められるべく、高杉と彼の一番弟子による戦いが始まろうとしていた。




