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MoonLit  作者:
Black Moon
100/105

第23話「Cage」

読んでくださる方に、合う作品であることを祈りつつ。



2018/03/11 9:23 次回予告を追記。

「今度こそ、逃がさん!」


 なに!?

 こ、今度こそ……だと?


 予想外の言葉に、クロノスは動揺した。

 それは、真横に振られた剣を避ける為だけに、瞬間移動テレポートを使ってしまう程に。


 ――逃がすか!


 あの時の、あの一言で、わしに付いて来ようとはな。

 追いかけて来るのだから、最早、リープは無意味。

 先が見えんと、こうも想定から外れるか。

 仕方ない……


「喰らうとするかーッ!」


 クロノスは、鷹也の居る方向へ、右手をかざす。

 すると、瞬時に鷹也はクロノスの目前へと移動させられ、剣を持つ右手首を掴まれた。


「これでは、斬る事は出来まい?」


 そう言って、厭らしくクロノスが笑う。

 左手刀で、掴んだ左腕を斬り落とそうとしたが、左腕までも掴まれてしまう。

 それならばと、蹴り上げようとしたが、両腕を内側に捻られ、足を上げる事が出来ない。

 神気じんが奪われ始め、次第に力が抜けて行き、ついに、鷹也は手にしていた剣を落としてしまう。


神気じんの割には、フェリオスよりも呆気なかったな」


 だが、鷹也が剣を落としたのは、わざとだった。


 来い!

 コイツを股から、斬り裂け!


 下から近づく妖気に気付いたクロノスは、鷹也の両手を離し後ろへ下がる。


 メイヲール、ヤツを貫け!


 再び、鷹也は剣へ命じると、剣はまるで意志を持った鳥のように、クロノスを追い回す。

 また、鷹也もクロノスの死角へ死角へと移動し、攻撃を試みる。

 だが、クロノスはテレポートを繰り返し、鷹也にチャンスさえ与えない。

 クロノスは、ある程度距離を取ると「くだらん技をいつまでもいつまでも」と言って、左手を剣に翳し、右手を鷹也に翳した。

 すると、剣にも、鷹也にも、見えない空気の壁がし掛かる。

 風圧に押され、剣は停止し、鷹也は地面近くまで押し付けられた。


 来い!


 再び、剣を手にすると、その空気の壁を切り裂き、難を逃れたのだが、息吐く暇も無く、今度は右後方から右腕を掴まれる。


 もう一度だ!


 再び、剣を離し、操ろうと試みるが、その前に剣を足で押さえられた。


 しまった!

 どうする? どうすればいい?

 そうだ!

 俺にも、出来るんだったな!


 鷹也は、クロノス諸共もろとも海中へテレポートした。

 息が出来なくなり、たまらずクロノスは海上へテレポートし、鷹也もそれを追うように海上へテレポートし、剣を呼ぶ。


 クロノスは、ずぶ濡れになった身を一瞬にして乾かし「考えたな」と言って厭らしく笑ったのも、束の間。


「これなら、どうだ?」


 そう言って手を広げると、一瞬にして世界は、闇に飲まれた。


 不味い! 神界か!


 再び、光を取り戻した時、瞳に映った光景は、地平線まで広がる大草原だった。


「これで、貴様の逃げ場は無くなったな」


「元の世界へ!」


 鷹也は、強く念じたのだが、戻る事が出来ない。


「無駄だ、わしを殺さぬ限り、お前はこの檻から抜け出せん」


 鷹也は覚悟を決め、白き翼を広げると、クロノスへ近づくに連れ、その身は分裂を増やして行く。

 神気の有る者、無い者が入り乱れ、32体にまで増えた。

 それを見て、クロノスは笑う。


「フェリオスにも通じなかった技が、儂に通じると思うなよ!」


 クロノスは、鷹也の本体を見切り、その右腕を触った、その瞬間。


 今だ!


 鷹也は、その背後へとテレポートし、間髪を容れず、剣を心臓目掛け突いた。

 だが、手応えを感じた筈の身は其処に無く、逆に背後から右胸を貫かれた。


「な、何故だ……」


「愚かな、お前程度に出来る技が、儂に出来んと思ったか?」


 胸を貫いた右腕を抜かないまま、その右手首を左手で掴み、鷹也を締め上げる。


「終わりだ」


読んでくださって、ありがとう。




君の名前は?

え? アルベルトだけど……

質問の意図が読めず、AIは首を傾げた。


次回「Exceed」


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