13.コンティニュー下水道?
誤字報告いただきありがとうございました。
反映させていただきました。
そして御礼を申し上げるために一話急造しました。(内容の見直しが発生する可能性大)
本日もいつもと変わり映えも無い出席だけ通した講義を頭の外へ追いやると長らく使っていなかった空き部屋の整理を開始する。
最もこのままでは埃だけで死にかねないので…いやゲームではないのでそんな死ぬようなことは無いけど、とてもじゃないけど整理なんか開始できないので掃除から始める。
旧世代のクリーナーを取り出すとちゃっちゃと床と棚と箱の上から埃を吸い込んでいく。
「やっぱりうちも三次元清掃マシンを買っておくべきだったかしらね?」
母がぼそりとこぼす。
一昔前に床だけを清掃する二次元清掃マシン…なんだっけ…ルンルンルー?が流行って企業はさらに壁や天井や棚の隙間とあらゆる所を自動で清掃してくれる清掃マシンを開発した。
しかしこの清掃マシン床に張り付いて向きを変えるだけで非常にうるさいのだ。
落ち着かないので全会一致で反対が採決されうちでは採用されていない。
「もう少し待てばもっといいのが出るんじゃないかな?あれは流石にうるさすぎて落ち着かないよ?」
「それはわかってるんだけど…やはり高い棚の上とか隙間に入って隅々までやってくれると便利だからねぇ…。」
気持ちはわかるけど今は無いので仕方ない。
それはわかってるけどやはり高い所は椅子にのってクリーナーをかけるのは肩がこるし、背は張らなければいけないからやはりしんどい。
そんなこんなで愚痴をこぼしながらも空き部屋の掃除は何とか昼を過ぎたくらいには完了したのだった。
…さて夕餉も終わり、もう一個片付けなければいけないのがこのゲームだ。
いつも通りログインしてマイルームで私は少し考えこむ。
今の進行具合が中途半端なのもわかるけど流石にこれで固定三日目である。
そろそろアンズの心持ちが心配である。
…正確にはそろそろアンズをのびのびと開放させないと、どこへ向かって暴発するかわからない。
あれの外面はお嬢様だけどその本質は小悪魔かつ暴走特急そのものなのである。
なるべく早くけりをつけてまた別の指針を立てさせないと最悪…サカキさんの胃が荒れるような事態が起こるかもしれない。
まあそれはそれで問題ないかもね?
私には関係無い事だし。
そんな風に先の事をぼんやりと考えながらコミュニティールームに入ると…中は荒れていた。
「今日は俺が先を行かせてもらうぞ!」
「ちょっと待ったっす!やはりここは…」
「いいやこの機会は逃すわけには行かない!譲らんぞ!」
なんですかねこれは?
小学校の教室が学級崩壊を起こしたとかですかね?
部屋の真ん中は相変わらずのTシャツ短パンの男どもが罵りあっているので間違ってはいなさそうである。
そして視線を端に移すと…アンズが少し困った笑顔でこちらに手を振っている。
サカキさん、お茶の介さんもこちらに寄っているようである。
私は近づくとアンズに話しかける。
「ねえアンズ、何あれ?」
「何でも…今日は誰が最初に下水道に入るのかもめているらしいのです。ここの決まりって戦利品は早い者勝ちになっておりますから…。」
あぁ…なるほど。
それでサカキさんは疲れた顔を既にしているわけですね。
「まったく、吸い殻まで一緒になりやがって…。お茶の介は参加しなくていいのか?」
苦笑しているお茶の介さんにサカキさんは話しかけるが、首を横に振って否定する。
「昨日いい物いただいちゃいましたからね。流石に今日は譲りますよ。後はお嬢さん方に冷めた目で見られるのもあれなのでみっともないのに突っ込むのはちょっとご遠慮したいね。」
「まあゲームだからある程度馬鹿やるのは仕方ないとしても…話が進まないと時間の無駄だぞこれは。待たせてる人もいる事を考えて欲しいな。…さてどうするか?」
サカキさんは深くため息をついて…まあお疲れ様です。
さて、それではどうしようか?
その手段を考え始まる前にアンズにより爆弾が投下される。
「あら、このままでいいのではありませんか?私達はいつまでも女々しくみっともなくわめいている方達を鑑賞していませんこと?その滑稽な喜劇を見て笑っていればいいのですよ。」
声をあちらにも聞かせるよう意図があったせいか一際大きかった。
そのためあちらの耳にもしっかり入ったんだろうね。
ぴたりと喧騒が止みこちらを見てくる。
そして恥ずかしそうな顔をするとすぐさまじゃんけんをはじめて解決をしたようだ。
サカキさんとお茶の介さんはと言うと意外な物を見る目でアンズを見ている。
「はい、これがアンズの本性です。」
…とは言わない。
まあ少しイライラしてたんだと取られたぐらいだと思う。
元からネジが外れてるような発言もしてたしね。
毒を吐き始めたとなると少し心配だけどこの程度ならまだ数日は大丈夫そうかな。
その後じゃんけんの結果はすぐさま出たようで私達はまた昨日の続きを開始するのだった。
さて、normalワールドはどうなっているかな?と確認をしてみると地下の方でドタバタと騒いでいる物体はいなかった。
しっかりとメンテナンスでワールドリセットされたようだね。
そして昨日はあちこちに散らばっていたモノジーさんの集団も校舎内にはいないようだ。
壁の方を見てみると今度は壁の上に一列になり…ゾンビの群れに一斉に飛び込んでいるようだ。
…集団自決かな?
まあ姿は確認できたけど一応念のためこっそりと周りの様子を確認しながら用務員室の鍵を開けて進入する。
すぐに隣の部屋へ移動して鉄蓋を開けると私が見た所いままでいい所が全くないシマムラさんが意気揚揚とハシゴに手をかける。
「悪いが今日はお先にいいもん貰っていくぜ。」
そう言うとシマムラさんはカンカンと鉄を踏みしめる音と共に下へ下へと潜って行く。
それを恨めし気にじゃんけんで負けた男達が見下ろしている。
「あそこでチョキを出していれば…。」
「まさか一回で決まるとは思わなかったっす。」
…確かにスキルが獲得できる地図みたいなのがまたあればいいけど持ち運びするアイテム類だと全滅と同時におじゃんになるんだけどそこは考えないのかな?
まあ本人たちの熱意に水を差すのはよろしくない。
おとなしく嫉妬に狂った男達から距離を置きながら少し待つ。
しばらくするとギィーという音共に何か動く音が下から響いて来る。
どうやら仕掛けを動かして部屋への隠し扉を開けたみたいだ。
…そして。
「へ!?ちょ…ぐぎぁーーー!」
下からシマムラさんと思われる叫び声が上にまで響き渡るのだった。




