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アンノウンディザスターオンライン  作者: レンフリー
7日目~9日目 normalワールド探索(下水道編)
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14.指揮官不在のため 一時的に指揮権が付与されました

穴の底から新鮮な悲鳴が響き渡ると用務員室に動揺(どうよう)が走る。


「シマムラ…やられたのかよ…惜しい男を亡くした。」


「いや、十分後に復帰できるしどうでもいいだろ?ていうかどうするんだ?下に化け物とか降りられないぞ?」


「じゃあ次は俺が行くぞ!」


「勝手に行動すんなって、後お前が行ってもまたやられるだけだぞ!」


「というかシマムラさん待たなくていいんすか?」


多分先に行った人はアイテム総取りで美味しい思いができるとしか考えていなかったのかな?

人間予想外の事が起こるとパニックになるというけどこれはひどい。

ただでさえ狭い用務員室の物置はてんてこ舞いである。

ただ接触制限によってプレイヤー同士が触れられないため上手く動けていないのが救いだね。

というかこの状態止めないとまとまりが取れなくなると思うんだけど。


そっとサカキさんの方を向くと悩んでいるようであーでもないこーでもないと何か考え込んでいるようだ。

多分この先どうするか考えてるんだろうと思うけど…事態の収拾を先にした方がいいと思う。


「サカキさんこれ止めないんですか?」


私の言葉に考え込んでいたサカキさんもばらばらに勝手に行動しつつあるメンバーを把握したのか慌てて止めにかかる。


「お前らとりあえず静かにしろ!落ち着け!」


その一喝でとりあえず静けさは戻るがあくまで口が閉じただけであり、それぞれ表情は不満、困惑を示している。

そんな最中、当然の疑問が飛ぶ。


「じゃあこれからどうするの?」


「それを今考えていてだな…。」


それを皮切りにまた狭い空間は喧騒に包まれる。

ただでさえ狭いから響くのに勘弁してほしい。

そう私もうんざりしていたその時である。


「それなら良い考えがございますわよ?」


アンズがポンっと手を叩くと喧噪がぴったりと止む。

さっきの毒舌(どくぜつ)のせいか私以外は若干引き気味だけど…いや気のせいだと思っておこう。


「え…えーっとだな。どういう考えだ?」


アンズの満面の笑みに対してサカキさんも引き気味である。

他のメンバーも腰が引けながら固唾(かたず)を飲んで見守る中アンズが考えをさらっと述べる。


「ここはニミリに全部任せてしまえばいいのですわ。」


なるほど、ニミリに全部丸投げと。

丸投げされる人は大変だね、せいぜい頑張ってほしい。


…ちょいと待った!?


「ってこら!私に丸投げしないで!」


「そうだぞ、確かにニミリちゃんは機転回ってるし、根性も据わってるがいきなり丸投げというのは本人も周りも納得しないだろ?」


サカキさんも一応止めてくれてるようで助かる。

さらっと面倒事まで押し付けられてたまりますか!


「けれどもこの場で指揮らしい指揮を取れそうなのがニミリしかいませんもの。他の方で小隊単位での軍事指揮をとれる方はいらっしゃいます?」


「は?」


サカキさんは唖然としてアンズを見ている。

というか何を言い出してますかねこの人は!?


「その面ニミリなら大丈夫ですわよ。うちの羽や…ふごごご!」


これまででも随分まずいけどこれ以上もさらにまずそうなのでこの軽いお口を閉じさせるしかない!

というかリアルの名前を出してはいけない。

一番最初に私に注意したことを忘れてますよこのお嬢さんは。

そう考えるとすぐさま私はアンズの背後に回るとそのまま両手で口をふさぐ。


「アンズさん、人の個人情報をずけずけとしゃべるとか何を考えているのですかね?と言いますかねそんな妄想話をしても誰も信じないから止めましょうね?」


ふごふごと息苦しそうだけど仕方ないよね。

むしろ反論しようとまだ口を開こうとしている。

なのでいっそ窒息してしまえという勢いで押さえる。


「アンズがお騒がせしました。続きをやっちゃって結構ですよ。」


私は笑顔で喧噪を再開するように促す。

けど何か様子が変だ。

喧騒が再開されるどころか継続して静まり返っており、全員がそろって半信半疑でこちらを見ている。


「まあ本当かどうかはさておき…一回やらせてみるというのも面白そうだと思うぞ?」


吸い殻さんが余計な事言い始めた!?


「確かに探索の時に一番状況把握が早いし的確なのは姐さんっすよね?」


ワズンさんまでそれに乗っかかりますか?

駄目だこの流れ…遮断しないとお鉢が回ってきてしまう!


「しかし本人は首を横に振ってるぞ?嫌がってるのに任せるというのは…」


サカキさんだけが唯一の友軍であるらしい。

頑張れ!私のために!


「まあサカキが頑張ってるのはよくわかるけどな…。最近色々と急展開が多すぎて整理がついてない事も多かっただろ?ここは一回肩の荷を下ろして頭を下げてお願いするというのも悪くないと思うぞ?」


「そ、そうかな…そうかもしれないな。」


…駄目だ友軍は陥落寸前である。

誰だ…そんなにサカキさんを追い詰めるようなことをした奴は。


「そういうわけでどうしても嫌でなければ今回だけ頼めないだろうか?」


おとなしく頭を下げてくるサカキさん、なぜか吸い殻さんも一緒になって下げている。


…あーーーうーーーもう!?


「はいはい!わかりました。今回だけ私が面倒見ますから、貸し一つですよ。」


そう言うと私は肩の力が抜けていく。

アンズの思惑が完全に通ったのが一番悔しい。

ほら、視界を下に落とすと口を押さえられたままのアンズの満面の笑み。

思わずぶん殴りたくなる。


けど引き受けた以上はやるしかないよね。

私は大きくため息を吐くと気合いを入れ直す。

そしてそのまま争っていた三人に向き直ると笑顔で告げる。


「今から私の言う事に従えない人は今日はルームに残ってお留守番でお願いします。口答えは許しません。わかったら小声で返事してくださいね。」


その問いかけに対して三人ともおとなしくコクコクと壊れた人形のように首を縦に振り続けていた。


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