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アンノウンディザスターオンライン  作者: レンフリー
6日目 normalワールド探索(学校編)
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15.ベターに向けて

「新しい通路っすよ!やりましたね吸い殻さん!早速中を見てみるっす!」


「あ…。」


皆止めようとしたけどワズンさんは丸い穴をくぐって奥へ行く。

…この先の安全は保障されていないのに、本当鉄砲玉(ぶっこみ)思考であるようだ。


けれどそれが今回はよかったと言える。


「こっちに上へ上るハシゴがあるっすよ!」


なるほどハシゴが…。

しかし背中で扉を叩く音がどんどん増えており揺れがひどくなっている。

こちらも私だけが押さえだと長くは持ちそうにない。


「ハシゴか?そうなると脱出できるかもしれないな。」


「そうですね。吸い殻さん悪いですけどハシゴを登って至急先を確認してください!こっちはもう扉がもちそうにありません!」


こちらを見てあまり時間が無い事を察してくれたのか吸い殻さんは早速カツンカツンとハシゴを登り始める。


「じゃあ俺達は…。」


「扉押さえるの手伝って!腕一本無くても押さえるぐらいできるから!アンズはその倒れた棚を移動させ…れないよね。アンズも扉押さえて!」


そう言うとワズンさんとアンズもガタンガタンと揺れている鉄扉とその間にある横に倒したテーブルを背中で押さえる。

少しすると穴の奥の方から声が響いてくる。


(ふた)が重い!上に何か乗っかっているのか!?」


「何度も思いっきり肩を使って体当たりしてください!そこからの脱出以外手は無さそうです!」


「わかった!やってみるさ!」


そう返事があると奥の穴の上の方からぶつかる音が何度も聞こえてくる。

多分トライしてくれているのだろう。


それで侵入を防いでいるこちらはと言うと…。


「押さえても…先に扉が歪んで壊れそうですわね!」


「というか何か扉が溶けていないっすか?」


…鋭い。

耳を当て続けている体勢だからわかるのだけど扉を叩く音以外にジュウジュウ溶ける音も聞こえるのよね。

多分ワズンさんの腕を溶かしたものを扉に吐いているのではないかなと予想できる。

よってここが突破されるのは確実、後は時間の問題だけである。

扉向こうの騒動はより大きくなり、こちらへプレッシャーをひたすらにかけ続けてくる。


このままだと私はともかく他の人の精神が持たないね。

次の一手…そんなのあるわけないしなー。


そう瀬戸際(せとぎわ)になって現実逃避(げんじつとうひ)を始めたその時である。

勢いよく何かが開く音が奥で鳴る。

おぉっとこれはもしかしたら…。

しばらくすると奥の天井付近から声が聞こえる。


「開いたぞ!上はどこかの部屋で…セーフエリアだ!登って来い助かるぞ!」


あぁ…瀬戸際でそんなパニックになるような事を(あお)られると全滅しちゃうよ?

ほら浮足立って二人とも奥へと移動しようとしてる。


この状況下助かるのは多く見積もってもあと一人…かな?

…やむをえない。


「扉押さえるのを止めない!なだれ込まれて全員やられるよ!」


私の叫びで二人ともピタッと止まる。

よし思考停止した二人を操作して最大利益を考えるならば…。

これで行こう。


「ワズンさんはこのまま扉押さえに戻って!アンズは部屋で見つかったものを拾って梯子の上の吸い殻さんに投げて渡して!吸い殻さん聞こえますか!?」


「聞こえてるぞ!今からそちらへ…。」


「何があってもセーフエリアから移動しないでください!絶対に降りないように!それじゃあ全員動け!」


強引に話をぴしゃりと締め切ると二人ともきょろきょろして、結局言葉通りに行動を開始する。

アンズは散らかってるものを拾い集めワズンさんは扉の前のテーブルを押さえに戻る。

扉は(ゆが)み始め、向こう側の大合唱(だいがっしょう)が生で聞こえるようになってきた。


「役割分担はまあ女性優先で助かるというのはわかるっすけどこれは結構きついっすね。」


テーブルを押さえに戻ったワズンさんだけど顔が引きつってるね。

まあ軽口叩いてやる事やっている点は合格である。


「じゃあニミリ悪いけど先行くわね。」


「持ちながら登るとか器用な事できなさそうなんだから先にちゃんと両手で下投げできちんと投げ渡しなさいよ。」


そう言うとアンズは穴の奥の方へと小走りに移動していく。

その姿を見たワズンさんは溜息をつく。


「そっすかー、確かに両手ないとハシゴも登れないっすからね。」


「登れないという事もないけど時間かかるでしょうね。それに身も蓋も無い事を言ってしまうとこの時点で私達の生死ってゲーム的には割と重要じゃないのよ。下水道入って三十分もたってないでしょ?という事は多分生還の実績もつかないから。」


「重要なのは…何を持ち帰るかという事っすか?」


「それで正解。情報は得た。ここまで来たら誰も死なないで終わるとかないはずだからペナルティーは確実に発生、となると後は追加点としてアイテムどれだけ持ち帰れるかで頑張ってるだけなの。」


奥の方にも耳を傾けるとやり取りが聞こえてくる。


「ろうそくは投げ終わりましたので次はヘルメットを投げますね?」


「おし、こっちはいいぞ投げてくれ。」


順調そうで何よりである。

さてこちらもそろそろ覚悟を決めますか。

私は乱暴に扱った際に折れたテーブルの足を手に取る。


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【テーブルの足】

木製のテーブルの足。

先は折れており家具として再利用するには修理が必要である。



重量:未測定


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…これもアンズに持っていかせて投げさせるべきだったかな?

いや、今アイテムとして取り扱えるのがわかった事だしいいかな。

とりあえず家具として使うのではなく凶器として使うのだ何の問題も無い。


「そういうのも武器になるんすね?」


「木材は一番単純に使える武器だからね。」


そう言うと折れた部分を()いて(とが)らせていく。

これで一体ぐらいは道連れにできるかな。

最後の時の準備を整えていたその時である。


「え…ひぐ!?」


アンズの短い悲鳴が奥で聞こえる。

何かあったのだろうか!?


「奥で何があったっすか!?」


返事を期待した前の穴からは何も返事が返っ来ない。

これはひょっとしなくてもアンズに何かあったかな?

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