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アンノウンディザスターオンライン  作者: レンフリー
10日目~17日目 立夏のお散歩イベント
138/291

24.イベント4日目 MLHC

私達はベランダから赤く光り輝く二匹のスズムシみたいな化け物に注目した。

さっきのブザーのような警報音もあの二匹からしか発せられていなかったようだ。

なら何か条件があるはずなんだけど…。


「ねえアンズはあの二匹だけが光ってる理由わかるかな?」


私の問いにアンズは頭をひねりながらたどたどしく答えてくれる。


「そうですわね。あの二匹の位置が関係しているのではないかしら?」


成程(なるほど)、あの二匹は確かにある程度距離は近い…それでも二十メートルはあるけど確かに他のスズムシの化け物よりは隣接している…のかな?


いや、違うよね?

他にもあの二匹に近い個体も数匹いる。


「距離的な位置ではないよね?そうすると?」


「恐らくですけれどもあの二人の位置が問題なのではないかしら?ちょうどあの二匹のスズムシの間に二人がいるのが原因ではないかしら?」


アンズの考えに成程と私は思い相槌を打つ。

それなら…アンズの考えを基に自分の推理を追加していく。


「現実のスズムシだと求愛のために鳴いてアピールするとか昔に聞いたような気がするけど…ここであいつ等が定期的に鳴いているのはひょっとして音でプレイヤーを探しているのかな?」


私の考えにアンズもうなずきながら同意してくる。


「ええ、多分ニミリの考えで正解と思いますわ。ちょうどあいつ等が一斉に鳴いた時にあの二人は二匹の間にいましたから。…けど特に何も起こりませんわね?」


そうなんだよね?

警報音みたいなブザーが鳴り響いたからひょっとしたら何か起こると思って警戒していたのだけど。

特に何も起こらないのである。


確かに特大のブザー音が鳴り響いた事により逃げていたあの二人のプレイヤーも尻もちをついてきょろきょろしている。

けどミートボールの化け物はこの音には関係がないのか追いかけていた二人を完全に見失っており明後日(あさって)の方向へと歩き去っている。


「ただ音を鳴らすだけなのかな?あの二匹は?」


「そうとは思えないのですけれど…。現にあの光ってる二匹はあの二人に対して体を向き直して触覚を動かして位置を把握しているようですわよ?」


アンズの言葉の通り確かに赤く光り輝きながら触覚をピクピクと小刻みに動かしながらあの二人の位置を把握しているように見える。

けど何のために?


うーん、わからないね。


私は推理をあきらめるとおろそかになっていた周囲の警戒に意識を切り替える。

いけないいけない、あまりに興味深い見世物だったのでつい注目しすぎてしまった。

これで私達も油断してやられたらさらに間抜けだったね。


さてと後ろ確認…部屋の中は特に変わりは無し。

プレイヤー達が尻もちをついている方角の逆サイドは特に変わった事もない。

では他は…、あれ?

よく見たら何か変わっているような…?

何が変わったかはわからないけど変わったのだと思う。

私がわからないなら聞いてみるのがいいかもしれない。


「アンズ、あの辺り何か変わったと思うのだけど何が変わったかわかる?」


私の言葉にアンズはあの二人から私の指さす先へと視線を移し、目を凝らしている。

するとハッとした顔になりこちらへ慌てながら声をかけてくる。


「ニミリ、あの紫のトウモロコシが動いてますわよ。一本だけ皮がむけてますわ!」


アンズの指摘に従い、私も慌てて巨大な四本のトウモロコシに視線を移す。

すると一本のトウモロコシの紫色の皮がめくれており、黒ずんだ実がびっしりと詰まった姿をさらしている。

さらにその実の詰まった部分を…自らを回転させながら二人のプレイヤーがいる方へと向けようと動いているではないか。

植物にあるまじき動きではあるけれど、これでスズムシの化け物と連動してそうなのはほぼ間違いなさそうである。


やがてトウモロコシは回転を止めて…ぴったりと停止する。

何をするつもりかなと思っていると、破裂音が唐突に鳴り響きトウモロコシから何かが飛び出していく。

どうやらトウモロコシから実が発射されたらしく黒い粒々が多数…二人のプレイヤーに向けて放物線を描くように飛来していく。


ポップコーンかな?

お菓子をぶつけにいくというのは何というファンシーな攻撃だろうか?

一瞬微笑ましく眺めていたけど横からアンズに声をかけられて一気にそれが覚める。


「ニミリ…あの黒い粒ですけれど…全て人間の生首ですわ」


アンズさんいくら何でもそこまで狂ってないでしょ?

半ば冗談だと思い目を凝らして見てみると…事実でした。

それぞれ黒髪に灰色に色染まった表情、しかも全て老若男女のバリエーション付きという狂気の沙汰である。

しかもゾンビさながらに各頭がうめき声を上げながら飛んでいるのである。


「それに全て口が半開きで白眼を向いているのは芸術点が高いですわね」


感心しながらアンズは批評しているけど…そんな芸術点いらないってば。


あきれ返っている私達を余所に多数の生首は二人のプレイヤーにめがけて飛び続け…着弾する。

生首は着弾するたびに緑色の液体を派手に撒き散らし地面も宙もを緑色に染めていく。


そして物に当たって着色されると共に物凄い勢いで真っ白な蒸気を巻き上げながら視界を全て埋め尽くして行くのだった。

いつも拝読いただきありがとうございます。

今さらながら活動報告を利用しようと考えています。(1年もたって今さらです)

感想に書きにくい点等ございましたらこちらへの書き込みもご利用いただきたく思います。

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