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試験から2か月後

私は今、ロードビオラ学園の

華々しい正門の前に突っ立っている

そう、試験が終わった1週間後

ユノスさんが私にぴったりのサイズの

制服を持って家に訪ねてきて

「合格だ。勿論特待生として」

と告げたのだ


早いことに今日は入学式

後一歩でゲームの舞台に

足を踏み入れることになると思うと

ちょっとは深呼吸したくもなるだろう

息を吸ってー……吐い

ドンッ

衝撃を感じたと共に

転倒を免れるために無意識に踏み出した一歩

「………あ」

入っちゃいましたー

せめて深呼吸ぐらいさせてよ

自分のタイミングでいかせてよ

まぁいっか、どのみち入ることになるんだし

「あ、悪い」

隣から心地の良い声が聞こえた

「いえ、大丈…夫です」

あっぶない!固まるところだった

だって見たことある顔が目の前にあるから

早速攻略対象じゃん

名前は確かアル……なんだっけ

アルとしか呼んでなかったから思い出せない

魔法騎士団副団長の息子だったはず


私が考え込んでいるうちに

さっさとどっかに行ったかと思ったら

意外なことに私、顔見られてる?

「あの、何か?」

「いや………何でもない」

そう言ってやっと場を去っていった

何あれ、なに?小説で見まくった強制力ってやつ?

何か運命感じられたりしたのか??

ずっと同じ場所にいるのも不思議な目で見られ始めたので

周りの流れに従って歩き出す


え、強制力とかあるの?

待って、私魅了魔法とか使ってないよね

結構見たよ、ヒロインが魅了魔法無意識に使ってたとか

困る、とても困る

こっれは、一時様子を見て

ありそうな話だったら対策練らなきゃな


なんて考えてたら体育館に到着していた

確か私は1-Aクラスだったから

1-Aとかかれたプレートの前まで進む

…どこ座ろう。この世界、名簿順っていう概念がない

回りを見れば、友人同士で座ってたり

近くにある椅子に座っている人が多いみたい

じゃあまぁ目立たない最後から3列目の左から2番目に座ろ



ざわざわとしていた会場が、静かになった

始まるのか、とうとう

「新入生代表 ローザリア=ヴェルハルト」

「はい」

凛とした、良く通る声

あの人が、悪役令嬢と呼ばれていた

ローザリア=ヴェルハルトか

……めっちゃ美人だわ

綺麗で艶々な黒髪に金色の瞳

代表ってことは、首席ってことで

私よりも点数が良かったんだ

あ、私どっか間違ってたんだ

まぁ前世でも特に頭良かったわけでも

知識豊富だったわけでもないしな

あの人は、転生者なんだろうか

さすがにゲームでは誰が挨拶してたとか覚えてないし

転生者かどうかによって立ち回りを考えなきゃいけない

確かヒロインとローザリアはクラス違ったよな

一緒だったのは婚約者で第1王子のレオナルドと

魔術師団団長の息子、ノア…ノア………何とかと

宰相の息子のオルガン……?みたいな名前の人だったはず

その3人の様子を見て、今後を考えよう



ちなみに最初に遭遇した人の父親は魔法騎士団副団長

この国には騎士団、魔術師団、魔法騎士団の3つがある

大体察するよね。剣術を極めた集団の騎士団

魔法を極めた集団の魔術師団、両方優れた魔法騎士団

メインは騎士団と魔術師団で、魔法騎士団は人数が

足りないときとかにヘルプに行く感じ

エリート中のエリート集団

勿論、普通に仕事はあるけども、騎士団や魔術師団に

比べたら自由度高め

天才ほど変わった人が多いって言うか

マイペースな人が多いってよく聞くよね



式も終わり、教室へ向かう

担任は、ユノスさん!!!!神!!!!!

ありがとう神様

教室も自由席みたいなので

適当に座る

何か、いろんなところから視線を感じるのは

気のせいじゃないよね

私、なんかしたっけ?

「隣、良い?」

声が聞こえて横を見ると

空色のストレートな髪と、それよりも少し濃い青色の瞳を持つ

綺麗な女の子がいた

ん?よりいっそう視線を感じる

「良いよ」

「視線感じるよね、平民でしょ?私もなの」

「え!ホントに?嬉しい!」

平民が2人なんて、はじめてのことなんじゃ…?

だから視線を感じたのか

そりゃ珍しいよね

あれ?でも特待生枠は2枠って聞いたんだけど

私とローザリアさんで2人じゃないのかな

と思って横を見ると

「あ、特待生だよ。首席の方が特待生としての入学を

辞退してくれたみたいで。ギリギリ私が特待生として

入学出来たの。ヴェルハルト様には感謝よね」

「なるほど」

この子、察し良いな

「あ、私リオラ=エマ。リオラって呼んで。

名前聞いて良い?」

「あ、そうだよね。私はシノア=ハラ。シノアで良いよ。

よろしくねリオラ」

「うん、よろしくシノア!」

「ホームルーム始めるぞぉ」

ユノスさんの一声で、視線は一気に前に移動する

「今日からお前らを担当する、ユノス=サマテラだ

よろしく頼む。じゃあ明日からの注意事項を……」




「今日のところはこれで終わりだ。明日遅刻するなよ。解散」

皆が一斉に席をたって、外に出ていく

「リオラ、寮?」

「ううん、家族と離れるのは寂しくて」

「私も一緒よ。良かったら一緒に帰らない?」

「良いよ!家はどこ?」

「ギルドの近くなの。リオラは?」

「うちもギルドから15分くらいのとこなの。」

ギルドを知ってるってことは、シノアも登録者か

というか、平民で合格している時点でかなりの実力者だよね

当たり前のように身体強化してるし

私もしよ

「じゃあギルドまで、タイムアタックしよっか。

私は試験から帰るときは7分だったよ」

にやにやしながらこっちを見るシノア

ニヤリとしながら私も答える

「私は6分45秒だったよ」

私たち、気が合う。確信した

ちなみにここから馬車でギルドまで行くとしたら

3時間かかる





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