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「よぉ、リオラ、リヒト。調子はどうだ」

「ユノスさん、いい感じです!」

早速リヒトと一緒にギルドへ赴き

低級だけども狩るのが厄介で報酬も高い

魔物狩りの依頼を受けている最中

父の親友であり、昔からのお世話になっている

ユノスさんに遭遇した

ユノスさんは32歳のイケおじ(イケてるおじさん)

そしてロードビオラ学園の先生もしている

結構な頻度で森で危険な目にあっている人がいないかの

見回りを、ギルドから頼まれるらしい

「…なぁリオラ、学園に通わないか?」

「え?学園ですか」

いきなり、ユノスさんに話をふられる

学園はゲームの舞台、正直

少しでも面倒くさそうなことがある場所には

関わりたくない、あと、家族と離れるのは

不安すぎる

「あぁ、リオラも来年から通えるだろう。お前なら

余裕で合格だと思うんだが」

「でも、お金のこともありますし…。うちはあまり

余裕ないの、ご存じですよね?」

そう、ユノスさんが知らないはずがない

この世界では1コパーが日本円でいう100円

1シルバーが1000円、1ゴールドが1万円

そして学園に通うには少なくとも100ゴールド必要

通うのはほとんど貴族だから、問題はない

平民も、実力主義の学園のため合格すれば通えるが

お金のこともあり、実際に通っていたという事例は

ごく稀だ

「来年から、特待生制度を作ったんだ。特待生で

合格できれば全額無料。むしろ毎月5ゴールド貰えるぞ」

「えっ!」

どうしようか、ちょっと心が揺らいだ

だって、無料、むしろプラスになる?5ゴールドも

あれば十分暮らしていける。そんなうまい話あるかな

何か裏があるのか?

「リヒト、どう思う…」

さっきから沈黙を保っている弟に聞いてみる

「…悪い話じゃ無いけどね」

「ないけど?」

「学園って、寮になるよね。リオラが家にいる時間が

少なくなると、したの子達が寂しがるんじゃない?もし

家族を思って心が揺らいでるなら、お金があっても、

誰も喜ばないよ。…俺も」

基本クールな弟がちょっと拗ねたような表情をする

「~~~リヒトぉ!!可愛いなぁ!!!

よし、行きません!!!」

「リオラ、勢いで決めないで!よく考えてみろ。

ロードビオラ学園は、国一番の学園だ。卒業と同時に

約束されているものは何だと思う?」

「約束されてるもの…?」

ちらっと頭のいい弟を見る。あ、ちょっと不機嫌

答えわかってるな、あれ。それを聞いたら私が

通うって言いそうなものってことか

「……給料の高い、安定した仕事?」

「そうだ、一時期通ったってだけで優遇される

んだ。卒業したら、どんな職業にでもつけるぞ」

そうだよね、この稼ぎ方だと、いつ命を落とすか

わからない。あんなに強かった父でさえ

命を落とした。リヒトにも、いつまでも苦労させる

訳には行かない。たった3年だ。3年で今後が180度

変わるんだ

「分かりました。では、特待生で合格できれば

入学します。出来なければしません。いいですか」

「十分だ」

「でも、寮には入りたくないなぁーーーー」

「別に、入らなくても良いんだぞ」

「「え?」」

リヒトと声が被さる。確か全寮制のはずなんだけど

「別に、学園側が強く推奨しているだけで、ほぼ強制に

なっているだけで、絶対ではない。リオラなら

転移魔法とか身体強化とか、秒で家に帰れるだろ」

「当たり前!!え、俄然楽しみになってきたぁ!

あ、ギルドに依頼達成の報告してくる!

リヒトはユノスさんと一緒に居るんだよ!」

そういって、私はギルドへの足を速めた



「あ、ちょっ、リオラ!」

自分じゃなくいつも家族のことばかり

考えている姉は、俺には安全なユノスさんの

近くにいろと言うだけ言って1人で走って

行ってしまった。俺だって、弱くは無いんだけど

「ははっ、元気だなぁ」

「ユノスさん」

「何だ?」

「特待生制度、リオラのため?」

そういうとユノスさんは屈託なく笑って

俺の頭をくしゃっとしながら

「ばーーか、()()()のためだよ」

「え?」

「2年後、待ってるぞ」

暖かい目で見られて、つい言葉を溢してしまう

「……何で」

「うん?」

「何で、ここまでしてくれるんですか」

「そうだなぁ、お前らの能力をこのまま

埋もれさせるのはもったいない…っていうのと」

「と?」

じっと目を見つめると、困った顔で笑いながら

「…お前らにも、子供らしいことをさせたかったんだよ」

さ、ギルド戻るぞ~といって照れたように歩き始める

その背中を追いかけながら、こっそり笑みをもらした







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