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灰色と虹  作者: あやね
第二章 橙の矢

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18 プロローグ

 ★2章 プロローグ


 薄暗い部屋にいくつもの機械が立ち並ぶ。

 そこには二つの人影。

 黒い軍服に身を包む男。そしてただ佇み男の背中を見つめるリリス。

 機械が発する淡い光が男の顔をほのかに照らす。男は思いに耽っていた。


 やっと動き出した。

 自我が芽生えたようだ。自身を”リリス”と名乗っている。

 破滅へ導く橙の光よ、世界へゆっくりと降り注げ。水に侵食され少しずつ抉れていく岩のように、なるべくゆっくりじっくりと世界を蝕むのだ。


 復讐の炎を宿した赤い瞳をした男の顔が愉悦するように歪む。そしてリリスの方を振り向くことなく闇に溶けるように姿を消した。

 それを見届けたリリスは、主である男の理想を叶えるべく動き出す。


 大量の魂を糧とすることで”心臓”を手に入れた元人形。感情というものを手に入れた彼女は楽しくてしょうがなかった。心臓が脈打つ度に世界は新鮮に見える。それと同時に心臓はまだ渇き、満たされておらず不快。

 

「ふふ…”人間”というのも難儀ね…」


 可愛らしくニコニコした笑顔を浮かべ、リリスもまた闇に溶けていくのだった。


 __________


 フェニックス本部 団長室の空気はいつもより重い。

 呼び出しを受けたリゼ、シアナ、エリ、レイの4名は誰も口を開こうとしない。その緊迫した雰囲気は日が差しこんで眩しいくらいの部屋の明るさを確実に落としていた。ノラクトは重傷のため治療中のため不在。


 呼び出しの要件は先の特殊任務について。

 額に青筋が浮かびながらも、無理して満面の笑みをしている団長ノルバス。余計な一言でも発したら、直ぐにでも爆発しそうな雰囲気だ。


 レイは思った。

 早く帰りたい…。








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