87/215
優しさに触れられない
その時、スマホが震えた。
俊介からのメッセージ。
『今日、無理しなくていいからな』
短いのに、
その言葉の奥にある優しさが伝わってくる。
寄り添おうとしてくれる気持ち。
全部、ありがたい。
でも——
今の自分は、その優しさに応えられない。
(……ごめんね)
心の奥でつぶやく。
俊介の存在は温かい。
けれど、その温度が胸の空白に触れると、
なぜか痛みに変わってしまう。
寄りかかれば、きっと楽になれる。
でも、それをしてしまったら——
“何か大事なもの”を
見失ってしまいそうで怖かった。




