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決意①
母は昨夜の急変をなんとか越えた。
けれど、まだ安心できる状態じゃない。
母の胸が、 ゆっくり上下しているのを
葵はずっと見つめていた。
(生きてる……
それだけで、十分だよ……)
そう思うのに、
胸の奥はずっとざわついていた。
病室の隅に座り、
葵はスマホを握りしめる。
俊介は飲み物を買いに行っている。
昨夜から一睡もせず、
ずっと自分のそばにいてくれた。
(私は……俊介と生きていくって決めたんだ)
そう言い聞かせるように、
左手の婚約指輪をそっと触る。
でも、
心の奥のどこかが
まだ静かに痛んでいた。
(揺れちゃだめ……
もう、過去には戻らない)
葵は自分の指先をぎゅっと握り、
深く息を吸った。




